プロローグ
毎日更新する予定です。
これから頑張ります。
ふわぁ...
両手を大きく突き上げて伸びをし、寝ぼけ眼を擦る。まだ寝ていたい気分ではあるが、朝ごはんの支度をすることにした。
コンコン。
フライパンに卵を1つ割り入れ、その隣にはベーコンを焼く。
魔法で水をフライパンの中に少し入れ蒸し焼きにする。
ジュウジュウといい音と食欲をそそる匂いがし始めてきた。
いい具合に火が通ったので皿に盛り付ける。
目玉焼きにベーコンときたらトーストが鉄板なのだろうが、元日本人としてはホクホクの白米に勝るものは無いだろう。
「よし、いただきます!」
ん〜おいしっ。今の暮らしを始めて早半年。
ようやく家事が上達してきて一人暮らしをより楽しめるようになってきた。
そう。大事な事だから2回言わせてほしい。
私が一人暮らしを始めてもう半年も経ったのだ。
実は一人暮らしを始める前、この国の辺境伯令嬢だった。が、今では平民となってしまった。
正直私にはお淑やかなご令嬢の仮面を被るというのは大変ではあったので不幸中の幸いの出来事だ。それでも、そんなのは些細なことに思えるくらい私のことを愛情たっぷりに育ててくれた両親のことは尊敬もしているし大好きだ。
ここで一人暮らしをするってなったときもお父様とお母様には目に涙を浮かべられて申し訳なく思ったけど、自分たちも大変なのに私の事を心配してくれる二人の姿を見ると不謹慎ながら嬉しい気持ちと、これから離れ離れでの生活で寂しい気持ち、そんな複雑な気持ちになった。
これまでの貴族令嬢としての生活に不満という不満はなく。いや、コルセットはかなりキツくてしんどかったのでそれは不満だったかもしれない。。まあそれは置いといて。
兎に角、私は急遽平民として生活をせざるを得なくなった。
その原因は私が転生者だからという部分が大きかったのだろう。
お気づきかもしれないが実は前世の記憶がある。
あ、急に前世の記憶とか言い出したけど私はやばい人じゃないよ。そこは日本という国で科学が発展しており、この中世のような世界とは全く異なり、水も電気もお金を払えば自由に使えていた。
こちらの世界では科学がない代わりに魔法が存在している。
そう、魔法だ。
魔法と聞けば多くの人が漫画やアニメであるように夢のようなものだと思いわくわくするだろう。
実際に私も前世ではファンタジー系のアニメや漫画にドハマリしていたので、魔法があるとわかった時には飛び跳ねるくらいにとてもわくわくした。
しかし、魔法が存在していると言っても生まれ持った魔力量によって人生は変わってくる。魔力量が多い人は将来望めば魔法塔というところに就職が出来る。普通の人にはできない仕事なので業務内容がハードではあるが、平民でも就ける職業の中でもトップクラスで給金がとても良い。
それだけ魔力量の多い人は珍しいのだ。
逆に魔力量が少ない人はほんの少し火を起こしたり、水をチョロっと出せるくらいですぐ魔力切れを起こしてしまう為、いくら魔法好きでも職業にすることはできない。
つまり、魔力が少ないとお金持ちになれる可能性が低いのだ。
ちなみに私の魔力量は多くも少なくもなくの平均くらいだったが、辺境伯であるお父様の元に産まれた一人娘だったので物心つく前から将来辺境を守れるくらいの力を持つために剣術や魔法をみっちりしごかれたおかげで、魔法塔に就職できるほどではないが少しだけ魔力量が増え、人並み以上に扱えるようになった。
そして、お母様には令嬢としてのマナーや作法を指導してもらいお淑やかな令嬢の仮面を被ることができていた。
そう。私は将来辺境伯になるため大事に育てられたおかげで貴族のマナーと魔獣や通常の獣を狩れるだけの剣術と基本的な魔法を使うことが出来る。
そんな貴族として生きるプランが確定してると思っていた中、突然平民として生活することになったのはまさに青天の霹靂ではあったが、これまでたくさん鍛えてもらった剣術と魔法で冒険者としてきっとどうにか食べていけるのでは無いかとそんな気がした。
これはそんな平凡ポジティブシンキングうぉんなが一人暮らしを楽しめるようになるまでの物語である。
初めての作品で拙い文章ではありますが暖かい目で見ていただけると幸いですm(_ _)m