自覚
四葉のあみアです。
ガチでサブタイトル考えんの大変(小さな悩みPart3)
最近思い出したかのように新作の続きを執筆中なり。決して忘れていたわけでは無い。そう、決してまた新しい物語のアイデアが浮かんで忘れていたわけでは無いのだ。そして、それを執筆していた訳では無い。
学園長の部屋から転移した場所は俺の家だ。
「もぉ!たまには転移する前に一言ぐらい言ってよ!」
「言ったぞちゃんと“行くぞ,,って」
「でも違うと思うんだけど!?」
「はは、そういえばお前口調変えたのか?」
「?そうだね、今までは男の子だったからちゃんと演技してたんだけどそれの必要が無くなったからね。元の口調にしたんだ。っじゃなくて!今後転移する時は一言言ってって話!」
「いや…だってお前の反応が面白いからな」
「……もぅ…ちゃんと言ってよね?」
あれ?また突っ込んでくるかと思ったが…しおらしい反応だな…
「ルー君?ウチを置いていい空気にならないで欲しいっすね」
クラシアが転移で戻ってきた…お、怒ってるな。
「すまん、ちゃんとクラシアが言ってた事するから許してくれ」
「?何の事っすか?」
「まさか忘れたのか?本来クラシアがする予定だったランダに掛けられた魔法を解くのを俺がその役割を奪ってしまったからお詫びとして今夜一緒に風呂入ってやろうと思ってなのにな、忘れたなら入らなくてもいいな?」
「ウチが悪かったっす。どうかウチと一緒にお風呂入って欲しいっす」
クラシアが両膝と両手を床につけて頭を下げてきた。どこで学んできた?
「……いいなぁ」
「聞こえてるぞランダ?」
「ひゃぁ!?」
「…慣れないな。しかし、ランダ?お前地味にサラゼル化してきてるからな?」
「え?サラゼルさん化?」
「さっきみたいな奴だ」
「うぅ…忘れて欲しいんだけど?」
ランダのイメージが急に変わったからな…慣れねぇ。
「じゃ、ランダ。お前はどうする?」
「え?どういう事?」
「俺とクラシアはこの後買い物に行くが、あぁ、クラシアの部屋の家具と服を買いにな?で、ランダはどうする?って話だ。確かこの階にあるんだろ?」
「うーん…今日は帰ろうかな?女子寮に移動する為に準備もしたいし…」
「分かった、じゃあ…お前の引っ越しを手伝う時にな。確か五時半だったな」
「うん…ありがとう、ルオラ君。あっ、僕の部屋は右から六つ目の部屋だからね」
そう言ってランダは部屋から出て行った。右から?…端っこか!?
「あれはああ見えて女子力高いっすね…危険人物っす」
「おい、危険人物ってランダにそんな事言うなよ」
「むー!ルー君!買い物行くっすよ。ほらほら」
「引っ張らなくてもわかってる」
こうして俺たちも外出した。
****
「〜♪〜」
「機嫌良さそうだな」
「そっすよ〜ルー君と二日連続二人きりのデートっすからね」
「二日連続二人きりは認めるがもう一つの単語は認めんぞ?今はな…じゃ、家具とか服はお前の物だからな?お前が全て決めろよな」
そういえば今日ギルドに行って魔物狩る予定だったが…まぁいいか。
「はいっす〜」
****
「いらっしゃいませ!お客様!今回はどのような品をご所望で?」
相変わらずのVIP対応だな…
「あー今回は俺じゃなくてこいつの為に来た」
「そっすよ〜女の子っぽい色の家具はあるっすか?」
「もちろんございます。こちらはどうぞ」
店員に連れられて俺とクラシアは店内を歩き回り、クラシアが気に入った家具があれば購入すると言っている。
「んじゃ、今まで言った物を買うっす!」
「かしこまりました!直ちに魔道具を持って来ますのでお待ちくださぁーい!」
…猛スピードでレジの方に行った…早っ!?もう帰って来た。
「こちらでございます。現在店員総出でご購入されました商品を運んでおります」
「ここに翳すんすね?…おぉー!ピッて鳴ったっすよ!これで買った事になったんすか?」
「はい!ご購入ありがとうございます!ご購入された商品を現在運んでおりますので!少々お待ちください!」
…暑苦しいなー。
数分後クラシアが購入した商品が運び終わった。店員達は全員息が切れている。
「全て運び終わりました!」
「お疲れ様っす!じゃ、また来るっす!」
クラシアは俺と同じように異次元空間で購入した商品を収納していった。
「またの御来店をお待ちしておりまーーす!!」
俺とクラシアは店を後にした。
「いや〜あの店面白いっすね」
「面白いか?なんか苦労をかけている気がするんだが?」
「たしかに大変そっすね。じゃ、次はウチが着る服っすよ!ルー君に選んで欲しいっす!」
…絶対声に出して言わないが、女性と買い物に行く時は服屋だけは寄ってはいけないと思う。何故?まぁ、疲れるからな。
「…分かった」
そうして俺とクラシアは服屋を探し始めた。
****
「見つけたっす」
「ん?…あぁ、あれか」
探し回って数十分後に外観がかなりお洒落な巨大な服屋を見つけた。
中に入ってみるとかなりの客が居た。その客層もバラバラだ。
「選ぶっすよ!ルー君!頼んだっす!」
ふ…見せてやろう。俺のセンスを。
数十分後…
「…ルー君が選んだ服の十二着中…七着もウチに似合う服だったのが驚きっす!ルー君にしてはセンス良いっすね!」
「一言余計だ。俺自身が着る服はあんまり拘らないが他人…それもクラシアで女の子だろ?流石の俺も本気だすぞ」
「んー♪ありがとうっす!この服が一番気に入ったっす!ウチの髪と同じ色のカーディガンと可愛いスカートが!」
「それは良かった。色合いに関しては……カーディガンに関して本当にクラシアの髪を少しイメージしたからな」
クラシアの髪色――ピンクゴールドの――色を見つけるのは少し苦労した。
クラシアの髪色は中々他では見かけないが…綺麗だからな。案外俺は好きだ。
「じゃ!お会計っすよ!」
大量の衣服を手に持ってレジに向かう。そのクラシアの顔は幸せに満ちていた。
****
「ふんふふーん」
買い物を済ませて俺とクラシアは家に帰ろうとしている。
「随分とご機嫌だな。そんなに楽しかったのか?」
「勿論っすよ!ルー君とこうやって過ごす時間なんて今まであまりなかったっすからね」
「そうか。ところで前から気になってたが…なんで俺の呼び方が変わったんだ?」
「ん?師匠からルー君にウチが呼び方を変えた事っすか?」
「そうだ」
「んーなんでっすかね?ウチでもよく分かんないんすけど…一つ言えることはあるっす。それは多分…距離感っすかね?」
「距離感?」
「そうっす。今のルー君はちゃんとウチを見てるじゃないっすか?でも今までのルー君はウチを一人の弟子と見てたっすよね?で、師匠と弟子の関係でウチを一人の女の子として見てなかったから師匠と呼んでだっすけど…今はウチを一人の女の子って見てるじゃないっすか。だからウチはルー君と呼ぶ事にしたっす。師匠とルー君だったらその…距離感が違うっすから」
「んー?と言うことは…師匠だったら少し距離感があって嫌だからその…ル、ルー君って呼ぶ方が互いの距離感が縮まるからって事か?」
「そうなるっす」
なるほどな…そっか。
「てな訳でルー君、家まで手を繋いで欲しいっす!」
「何が、てな訳でだ」
「あたっ…」
先程までの話の内容から思いっきり外れたのでクラシアの頭に軽いチョップを入れた。
「もー、手ぐらい良いじゃないっすか?」
「ああ、そうだな。ほらよ、だが勘違いするなよ?求められたことは出来る範囲でなら!叶えるつもりだ。特にクラシアは今までの分があるからな…と言っても出来るだけ平等だぞ?一人の願いだけを聞いて他は聞かないなんて事はしない」
俺はクラシアから差し出された手を握る。まぁ、大丈夫だと思うが念のために釘を刺しておく。
「っ…ふふ」
クラシアが珍しく違う笑い方をした。その様子は…まるで可憐な令嬢に見えた。
「クラシアがその笑い方をするのも久々だな。最近は『にししし』とかしか言わないからな」
「ウチだって普通に笑えるんすからね!?」
そう言ってクラシアは俺の手に指を絡めて来た。……こういうのなんて言うんだっけ?
「お、おいクラシア…これをサラゼルかサラカに見られたらどうするつもりだ?」
「良いじゃないっすか。見つかったら終わりのこの背徳感…それにルー君と一回してみたかったんすよ」
「何が背徳感だ、この手に指を絡めるやつか?少し恥ずかしいんだが?」
「ルー君が恥ずかしがるなんて…珍しいっすね。ウチも少し恥ずかしいけど、ルー君とウチの為にこうやって距離を詰めているんすから……早く返事を返してくれないと怒るから…」
クラシアが最後に呟いた一言はちゃんと俺の耳に届いた。
「ありがとうな…色々と…俺のために」
「ん?なんか言ったっすか?」
俺が呟いた一言はクラシアには届かず空気に溶け込んだ。だが、聞かれなくて良かったと思う。
「いや、なんにも…さ、帰るぞ。ランダの引っ越し手伝いがあるからな」
「そうだったっす!今何時なんすかね?」
「んー多分…四時台だと思うが」
「まだ時間はあるっすね。このままゆっくり帰るっす」
「そうだな…そういえばクラシア、お前どうやって星王貨百枚も集めた?」
「ん?魔物狩っただけっす」
…嫌な予感がするな。
「い、一応聞くがなんの魔物だ?」
「え?確か……Aランクのエルダープラントと…突然変異種のメタリックボアとSランクのクイーンワイドウルフとその雄?のキングブラックワイドウルフを狩ったっす。持ち帰った時に凄く驚かれたっす。あんな魔物程度にっすよ?笑っちゃったっす」
「ギルドに迷惑はかけてないな?」
「何の事っすか?ウチは『これ全部で星王貨百枚っすか?』って聞いて…確かおじちゃんが『…う、うむ』って言ってただけっす」
「お、おじちゃん?それってカッツルさんの事か?」
「おぉー!それっす」
「あぁ…」
ギルドに迷惑はかけてないがある意味迷惑をかけている。
どんな迷惑かって?ただ単に仕事が増えるというものだ。だがギルドとしても高ランクの魔物の素材だ、無闇に手放すことも出来ないからな。
「ん?なんだったんすか?」
「いや、何でもない…ただ、頑張ったなって話だ」
「ん〜」
俺はポンポンとクラシアの頭を撫でてやる。
「ずっとそうして欲しいっす」
「また、今度な」
案外…今の生活を楽しんでるな、俺も。こういう平和が一番だ。
何が賢者だ…何が魔物を討伐しろだ。そんな殺伐とした世界よりこっちの方が俺は好きだ。この今の生活は守る…絶対に。
「…」
「?」
そして、クラシア…こいつの近くにいると楽しい。ちゃんと意識さえすれば俺…いや俺たちはとっくに結ばれてたのかもな。だからこそ、クラシアへの返事は近いうちにしなくてはな…
“俺はクラシアを好きになってしまった,,
たった数十文字…たった数秒で言い終わる言葉をこうも口に出すのに勇気がいるのか。さて、いつ言おうか。
作者は正直言って焦ったいのはあまり上手く表現出来ないのでいつかの後書きでも書いたようにバッと!行きます。あと、早くクラシアを幸せにさせてあげたい…
うーん…ルオラとクラシアの買い物ってイチャイチャ判定入るのかな?
面白かった・興味を持った・次の内容が気になる、期待している、と思う方が居たら下の方にある⭐️型の評価、ブクックマーク、感想、誤字報告の欲張り4点セットのどれかでも良いのでして貰えると嬉しいです。