家庭教師の先生いらっしゃいました〜そして、やらかしちゃいました〜
四葉のアミアです!
今回は休みがあったので書く時間を取れました。やはり小説を書くということは想像力が必要ですね。それがまた楽しいんですが
今回から一人称になっていますが、所々に三人称が混ざっています。
10月3日 少し文字量を増やしました。更に誤字があったので直しました。
両親に衝撃を与えたあの日から一週間が経った。
母さんが呼んだ家庭教師の先生が来た。
「君が噂の天才児ですか?あっ申し遅れました。家庭教師のドントと申します」
俺はやってきた先生を見て疑問を抱いた。
(明らか…この人は勉強を教えるより戦闘に向いてるよな)
眼帯をつけた顔、講師にそぐわない褐色の筋肉質な肉体、腰に付いてる鈍器…槍、いや杭か?
「は、初めましてルオラです。これからよろしくお願いします。周りからは天才児などと呼ばれておりますがあまり気にしないで下さい」
タメ口で話さないようにしないとな…
「ハッハッハ、そんなに謙虚にせずともその年で大人みたいに流暢に喋れるなら天才児も納得だ。これは教えがいがありそうだな…よろしくなルオラ」
互いに軽い挨拶を交わしてるうちに父さんと母さんが家の奥からやってきた。
「あなたが家庭教師の先生ですか?おっと失礼、私はルオラの父、ライアーと申します。これからルオラに教えて貰える間はよろしくお願いします。そしてこちらは」
「ルオラの母親のイゾリーテと申します。ルオラをこれからよろしくお願い致します」
まるで貴族の様なお礼の仕方に俺は多少なりと驚いてかつ両親の名前を今知った。
何故なら今まで聞く機会とかが一切なかったからだ。
「これはご丁寧に、初めましてこの度ルオラ君の家庭教師としてやってきたドントと申します。
必ず息子さんを立派な人に育てて見せますよ!」
この人こんな体をして凄く紳士的な人なのか?まぁ、人は見かけで判断するのは悪いからな…
(俺…数ヶ月後、筋肉ムキムキになってたりしないよな?ま、そうなったとしても今の体は既に鍛えられているんだがな…)
「それでは早速授業を始めていきたいんですが、何処でやれば宜しいでしょうか?」
「僕の部屋を使いましょう。その方が何かと楽だと思うので、いいですか?母さん」
「えぇ、もちろん大丈夫よ。自分の部屋が一番集中出来るもんね」
母さんからの許可が出たので俺はドント先生…ドントを部屋に案内した。
「まずは、何から習いますか?基本私は全ての教科はある程度教えられます。しかし、細かい所は私でも完全には把握しきれてません」
俺の部屋はまぁまぁ広いので机や椅子、棚やベットが置いてあってもかなりのスペースが残っている。
…どうしたものか。というか、専門的な教科――魔法学や魔術学は世界によって様々だ。そうなってくると、俺が学ぶのはもちろん魔法学か魔術学に縛られてくる。そもそも全ての教科と言っても何があるのか知らないんだよな。
「では、専門教科以外は知っているので、専門教科のそうですね…一般的な魔法学か魔術学を教えてもらえますか?」
魔法学と魔術学は一見似たような名前でも違うところはあるからな。…あっ、歴史とかでも良かったな。まぁ、いいか。
「なるほど、専門教科以外は知っていると…どこで知ったのかは聞かない方が良さそうですね。それはさておいて魔法学の方を教えましょう。魔術学とやらは私は一切聞いた事が無いのでお教えする事は出来ません。
それより、魔法学ですね。魔法学の基礎に当たる魔力というのはご存知ですか?これはこの世界に満ちている未だ解明されてないエネルギー体とでもいいましょうか。
ルオラ君の体にも魔力は満ちているんですよ。この魔力を効率よく使用する事で魔法を使う事が可能になります。
自分の中にある魔力を意識するのは初めての人には難しいですが慣れていけば…そうですね代表的な所だと身体強化だとか火球や水球を使えます」
「なるほど」
ふむ、この辺りは変わんないか…しかし簡単すぎる。だがこれも目立たずに過ごす為だと考えれば容易い事だ
こうしてドントによる魔法学の授業が始まり、この日から一週間は毎日3時間座学を受ける事になった。
****一週間後****
「さて、そろそろ魔法学の基礎が終わる頃になりました。次は実践をいたしましょう。これは危険が及ぶ場合があるので外で行いたいと思います」
「はい!」
ルオラにとってこの一週間はある意味地獄の日々だった。元賢者からしたら基礎の基礎の内容だったからだ
(よし、これで地獄から解放される。次は実践か…楽しみだ)
―――次の日―――
「それでは父さん、母さん行ってきます!」
「あぁ」
「怪我だけはしないようにね」
「はい!」
「それではルオラ君参りましょう」
こうしてルオラ達は実際に魔法を行使する為に家の外に出た。
実は、この外出はルオラにとって初めての外デビューでもあった。
(へぇ〜、家があったのはこんな自然豊かな所だったのか)
そんなんこんなで目的の誰も居なくてかつ広い草原にやってきたルオラとドント。
「早速やりましょう!まずは体内にある魔力を感じ取る所から始めましょう、体にある魔力をけつ「はい出来ました♪」…」
(あっ、つい癖でやってしまった)
「そんな事もあろうかと思っていましたよ!次のステップです。
今、感じ取った魔力を手の平の方に持ってきて私が言う言葉通りに唱えて下さい」
(ほぅ、ドントは総魔力量は普通だが魔力操作は一流と言っても過言では無いな)
賢者と呼ばれたルオラすらも関心するレベルの魔力操作をドントは行う事が出来る。
「万物を温めし火の魔力よ 我が呼びかけに応え目の前の敵を滅せよ!
火球!」
ドントが放ったファイアボールは直線上にある草を消し炭にしていった。
(初級魔法でこの威力か…まるで中級魔法のレベルだな)
魔法には公式には4段階のランクがある。
初級魔法は訓練さえすれば誰でも使う事が可能な魔法である。しかし、訓練を受けてない人が使う為には生活魔法を除いて専用の許可証が必要である。
中級魔法は初期魔法より更にさらに訓練して細かい魔力操作が可能にならないと使用できない魔法である。
上級魔法は総魔力量が一般的な人より遥かに多く高い魔力操作性を兼ね備えた人のみが行使可能な魔法である。
そして、最上級魔法は魔法において必要なのは高い総魔力量と高い魔力操作性、そして才能である。才能に関しては上級魔法を扱える人が10人居て1人でも使える人がいたら幸運なレベルだ。
他にも認可はされてないがルオラが前世で編み出した極地魔法が存在するが、現状これはルオラしか使う事が出来ない。
何故ならルオラが編み出した為である。
「さて、ルオラ君も早速やってみましょう。この結果次第では私は君を全てが揃う魔法学園への推薦を校長に直談判しましょう!
通ってみたいですよね!少しでも通ってみたいなら“本気,,でやって下さい!」
ドントはこの後起こる惨劇を今はまだ知らなかった。
ルオラは他人に“本気でやってみて下さい,,などの言葉を聞くと本気でやってしまうタチが悪い癖が生まれながらにあるのである。つまり、その言葉を聞いたルオラは…
「はい!本気でやらせて貰います。なら離れて下さい」
「ハッハッハ、君が私を超える事はあり得ないよ。約2歳児に負けてしまったら気を失ってしまいますよ」
「どうなっても知りませんよ。
では、やります。フゥ…ハァァァ!!
地獄の業火《ヘルインフェルノ!!》」
次の瞬間、ルオラの前を青白い炎が覆い。そして、地面が無くなっていた。
「ル、ル、ルオラ君?い、いま、今のは何の魔法かな?まさか最上級魔法…」
「あっ!これはその〜、やってしまった…はい最上級魔法のヘルインフェルノを無詠唱で唱えました…」
「ハハ、ハハハッ」
ドントは全身から血の気が引き宣言通りに意識を失った。
(この癖は治したいが治せないもんだな。まぁ、これならドントが言っていた魔法学園とやらに通えるだろう)
ドントが意識を失ってから5時間が経った頃、流石に俺自身も罪悪感が生まれてきた。
「う〜ん」「目を覚ましたか?」「それはヘルインフェルノ?最上級魔法?うぅ」
前言撤回、全然目を覚ましてなかった。
「このまま放置はドント自身が危ないからな…見つからないように担ぐか」
身長が軽く2m近くある男を2歳児が担ぐ。こんなシュールな場面は無いだろう。
(よし、後は直線の道を進めば家に着く事が可能だ。しかし、このままでは必ず見つかってしまう。仕方ないあれを使うか)
「目覚め《アウェーキング》」
これは一般的な生活魔法だ。昏睡などの状態異常からは目覚めさせる事は不可能だが気を失ったり眠ってたりしてる者には効果は抜群だ。しかも、眠気なども無くなる特典付き。
「ハッ!ここは?確かルオラ君が最上級魔法を使ってハァ…私は2歳児に負けるような弱者なのか」
このまま行ったら引きこもってしまいそうな先生を見て申し訳ない気持ちになった。よし、少し無理矢理にでも落ち着かさせるか。
「あの〜、ドントさん…学園の推薦の件について必ず入れるなら最上級魔法教えてあげます」
「それは本当か!?」
痛い痛い、肩を掴む手に力入れすぎだろ。こんな所でその筋肉力を披露するな。
「はい、必ず」「任せたまえ、必ず君を学園へ入れてあげよう。そしたら私も最上級魔法をハハハッ」
ドントが壊れた…
そんなやり取りをして俺たちは帰宅した。
「ライアー様、イゾリーテ様、私は今日ルオラ君の家庭教師を終わらせて頂きます。
今までお世話になりました。私は国に帰還しルオラ君が魔法学園に入学出来る様にしたいと思います。ちなみに、費用は一切かかりません。
しかし、魔法学園に入学出来る様になるのは7歳になってからです。つまり、約5年後になったら国から招待状が送られてくると思われますがそれまで気長にお待ち下さい」
苦笑せざるを得なかった…詐欺師もびっくりのたたみかたに反応するタイミングを俺含めて家族全員失っていた。
「お、おう…そうか急だな。学園に関しては俺は賛成している。だから、うん、これからも頑張れよ。ドント」
「え、えぇ、その通りよ。学園は私も賛成するわ、色々ルオラがお世話になりました。先生も頑張って下さい」
「ドン「いえ、ルオラ君は何も言わないで下さい。また会いますし…自慢にしか聞こえない気がするので「あ、はい」」
確かに俺の口から、頑張って下さいなんて出たら気分的にはドントも嫌だろうな。
「それでは、皆さん今までありがとうございました。また、ルオラ君に学園への招待状を渡しに参ります」
そう言ってドント、いやドント先生は家に来た時と同じ格好で振り返る事なく去っていった。
だが不思議と悲しみは出てこなかった。
「さて、ルオラ?先生が急にあの様な事を言うなんてね、何をしたの?」
母さんがこちらを振り返り微笑みながら聞いてきた。いつもなら、冷や汗をかく所だが今回の母さんは期待の眼差しを浮かべていた。
「とくに何もしていませんよ。ドント先生に言われた通りにファイアボールを撃っただけです」
「本当なの?」
「…はい」
最上級魔法を撃ったなんて言えば何をされるか分からないから嘘を言った。
「なら母さんは、ルオラと先生が行っていた場所に行って確認してくるわ」
「すみません、母さん、最上級魔法を使用しました」
騙せなかった…あのまま母さんがあの場所は行っていたら5年後生きているか分からなかっただろう。
それほどまでもに、母さんは謎のオーラを纏っていた。
さらにそこから、一悶着あり別の家庭教師を雇おうとした母さんを宥めるのに最上級魔法を使うより疲れたとだけ言っておこう。
次の更新日は不明ですが一週間に一回は更新する事を目標にして行きます。
8/9日 後書き変更
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