全部買います。
四葉のアミアです!
全部買います。である程度予想がつくのはなんでだろう…
活動報告書に目安箱設置しました!興味がある方は是非是非
「貴方はルオラさん…無事に帰ってきたようね」
受付のお姉さんは安心したような笑みを浮かべてるな…依頼を受けてからそんなに経ってないのにな。
「えぇ、無事に依頼を終わらせてきましたよ」
俺がそう言うと少しお姉さんは苦笑した、何故?
「フフ…嘘はダメですよ、だって狩った魔物を貴方、持ってきてないじゃないですか」
ギルド内にいる冒険者も少なからず笑っているな。
…そう言うことか、エルダープラント、ブラックワイドウルフ、ニルサーペント、どれも巨大な魔物だったから俺が手ぶらで帰ってきたのを見て依頼失敗だと思ったんだろう。
「いえ、嘘ではありません。ここに依頼の魔物を出しても良いですか?」
「おいボウズ、いつまで嘘言ってるつもりだ?お前は出来もしない依頼を受けて見事!失敗したんだよぉ…Aランクって聞いて調子でも乗ったのか?へっ、次からじ・ぶ・ん・にあった仕事を見つけるんだな」
うわ〜いるよね…こういう口だけ一人前。
「はぁ、悪いが雑魚はどいてくれないか?魔物を出せない」
「雑魚だと?調子乗ってんじゃねぇぞ!ひよっこルーキーが!お前は魔物を狩ってきたんだろう?出せるもんなら出してみやがれ!」
周りの客も笑っているな、中には同情の目もちらほら。
「どのみち出すつもりだ。潰れても知らないからな」
腕を横に振り異次元空間を開け、中から三匹の魔物を取り出す。
「「「「ッッ!!?」」」」「ぐぇっ…」
ギルド内の人は全員、俺の方を見てきた。
絡んできた冒険者は見事に潰されました。めでたしめでたし。
「これでどうだ?ちゃんと依頼通りのエルダープラント、ブラックワイドウルフとついでにワイドウルフ、そして異常種のニルサーペントだ。文句はないだろ?」
受付のお姉さんは目を丸くしている。
「おい」
「今、どこから…」
「そんな事はいいだろ」
「は!はい!少し確認させて貰っても良いですか?」
「そのぐらいなら大丈夫だ」
「では…」
偽物かもしれないと言う線を疑っているのか?まぁ、本物だから心配する必要なんてないが。
「ッ!?三匹とも本物です!」
ギルド内が騒めく。
「おい…あんなルーキーが」「こんな短時間で狩るなんて不可能だ…誰か協力した奴がいるんじゃないか?」「俺…アイツのこと笑っちまったぞ。殺されてしまうかな…」「強いのね…是非、お近づきになりたいわ♡」
一人やばい奴がいたぞ…近寄らない方が賢明だな。
「本当に貴方一人で全部狩ったのかしら?」
「当然だ、この程度の魔物を狩るのに数時間も要さない。あぁ、だがニルサーペントだけは特殊能力のせいで少し手間取ったがな」
「完全に信用はしてないけど…本当な気がするわ」
「だから本当だ。まぁ、それよりも買い取ってくれるか?」
「もちろんですよ!こんなに綺麗に狩れる人なんて居ないんですからね!状態も良いので高めに買い取らせてもらいます。後、異常種だったニルサーペントの特殊能力について教えて貰いますか?」
「それはありがたいな。金に困っていたものだからな…それはさておいて、ニルサーペントの特殊能力は鱗にあった。その能力は物理と魔法の無効化だ。先ほども言った通り鱗しか適用されてなかった」
「そんな特殊能力持ちだったなんて、そんなの最早Sランク級の魔物じゃないですか」
「普通の冒険者はまず無理だろう。まず空間魔法を使えないと討伐は不可能だと思うぞ」
「そうですね…このニルサーペントは物理、魔法無効化の能力を持っているので買い取り価格は通常の三倍とさせて貰います」
「それはこちらとしても嬉しいがギルドとしては良いのか?」
「勿論ですよ!この鱗を武具に使用したら…いやいや!なんなら王族が使う物になると思いますよ!」
「ま、まぁ、高めに買い取ってくれるなら俺も良いが…今から買い取れるか?」
「えぇ、買い取り出来ますよ。いや買い取りをさせて下さい!」
ギルドから頼まれるとはな…恐らくギルドが買い取り、その素材が王族関係者に渡るとギルドの方にも少なからず利益が生まれるのだろう。
「なら頼む」
「はい、では少しお待ちください」
そう言って受付嬢は下がっていった。
数分後…
何やら袋と謎の魔道具を持って帰ってきた。
袋の方は中からジャラジャラと音が鳴っている。
「お待たせしました。素材の鑑定の方は私が先程行いました。こちらがその買い取り価格となっております」
袋を渡され中身を見てみる。中は星王貨が二十四枚、金貨八枚あった。
「こんなに?」
「えぇ!今回ルオラさんが持ってきた魔物は全て状態が良かったからですね、それにニルサーペントが今回の金額の半分を占めてますよ」
ニルサーペントに感謝を…これだけあれば金に困る事はない!
「買い取り金額はこれで大丈夫です。気になってたんだが…その魔道具は何だ?」
言葉では形容し難い形をした魔道具が受付嬢の近くにある。
「こちらは冒険者カードに硬貨を入れる魔道具です」
「…?あっ!あの時言ってた冒険者カードの貯金効果とやらか」
「そうです!今回の買い取り金額を魔道具を使ってルオラさんの冒険者カードに入れますか?」
うん、その方が便利そうだ。
「お願いします」
「では、冒険者カードをこちらの場所に入れて頂いて、その上の台に袋ごとで良いですから置いてください」
言われた通り冒険者カードを魔道具の隙間に入れる。おぉ!なんかピッ!って言ったぞ。こんな魔道具は初めてみるぞ。
その上に袋ごとで良いから硬貨が入った袋を乗せる。
「そして最後にこちらの場所に手を置いてください」
これも言われた通り、丸い円盤のような場所に手を置く。少し魔力を吸われる、そしたら袋の中身が無くなった。
「こ、これは?」
「はい、この魔道具は硬貨を冒険者カードに入れる為の専用魔道具です。手を置いてもらうと魔力を自動的に吸い台座の上に置いた硬貨を冒険者カードに入れる事が出来ます」
「そんな優れものが…」
「これでルオラさんの冒険者カードには今回の買い取り金額分が貯金されています。あぁ、貯金残高を確認したい時は魔力を流し、ツバンと唱えて下さい。そしたら名前とランクの横に残高と表示されます」
「帰ったら試してみるよ」
「はい、これで一応終わりです。他には何かありますか?」
「いや特にない、また来るよ」
「はい、また依頼を受けにきてください」
買い取りも終わりギルドの外に出る。外はもう空に赤みが掛かっている。
「早く家具だけ買わないと…あと手頃な食べ物を」
まず家具だ。適当に歩けば見つかるだろう。
****
やっと…見つけた…歩く事数十分、ようやく家具類を取り扱ってる超をつけても良い大型店舗を発見した。
「さて、いい家具はあるかな?」
「いらっしゃいませお客様、どのような家具をご所望ですか?」
「部屋に置く家具や魔道具類が一通り欲しいな、少しリフォームをしたんでこの際取り替えるついでに新しく買おうと思っていてな」
元々あった家具も取り替える。その方がスッキリするっていうかなんか…
「なるほど…でしたらこちらの家具なんかは如何ですかな?」
案内されたのは棚が置いてある場所だ。
「こちらの棚は収納性抜群の優れもので腐食しにくく頑丈な家具となっております」
「ふむ、これは良いな、そうだ寝具類もあるか?」
「勿論でございます。こちらへどうぞ」
案内され、様々な種類がある寝具エリア?にやってきた。
「こちらのベットなんていかがでしょう。大きくて柔らかく最高の睡眠をプレゼント出来ますよ」
オススメされたのは二人ぐらいで寝るような少し大きめのベットだ。
「ふむ、これも中々、他にも見せてくれ」
「えぇ、勿論でございます」
そうして店中の家具を見て回った所で一言。
「お客様、何かお気に召した物はございましたか?」
「そうだな、お前がオススメしてくれた家具、魔道具、全部買うよ」
全部良い品物だった、少し疲れたけどね…
「は?ゴホンッ…少々失礼な事を伺いますが…お金はお持ちですか?」
「当然だ、オススメしてくれた家具を全部合わせていくらぐらいする?」
「そうですね、かなりの数でしたから…金貨七十五枚になられます」
その程度簡単に支払える。
「ふむ、そのぐらいなら支払える」
「へ?それは本当ですか?」
「冒険者カードで支払えるか?」
「それは可能でございます」
「なら頼む」
「こちらに冒険者カードを翳してください」
これまた専用の魔道具。この辺はしっかりしてるいるな。やはり金関係だからか?
「分かった」
カードを翳すとこれまたピッ!っと甲高い音が鳴った。
「本当に支払った…ありがとうございます!!!すぐさまご購入された家具を店員総出で持って参ります」
「あぁ、ここに持ってきてくれ。あとは自分で持って帰る」
「分かりました!」
疑いの目すら向けてこない。それだけ金貨七十五枚相当の一括払いは凄いのだろう。
数十分後…
「ご購入された品物全部揃えました」
「ありがとう、では早速持ってくよ」
異次元空間を発動させ、運ばれた家具と魔道具を全て収納、そしたら店員達が目を丸くしてる。
「お、お客様?い、今のは…」
「あぁ、いきなりでびっくりしただろう、これは俺が使う魔法の一種だ、異次元空間と言って名の通り異次元に生きてるもの以外、なんでも入れる事が出来る、さらに容量に限界はないと言うな」
「そんなものが…」
「良い買い物になったよ、また家具類が欲しくなったら来る」
『またのご来店をお待ちしております!』
本当に良い買い物になったと思う。さて寮という名の豪邸に戻って家具を付けるか。
家具店と書いてありますが実は魔電も売ってます。
※魔電とは・・・冷蔵庫やトイレ、お風呂などの魔道具の事を指します。家電→魔道具の家電→魔電
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