寮生活
四葉のアミアです、この前…愛用のワイヤレスイヤホンが一つの導線を残して真っ二つになりました…瞬間接着剤でくっ付けました。一応8000円の奴だったのでショックでした…
エンバー先生が出て行った後いつもの二人が近づいていた。勿論サラゼルとグアムだ。
「ルオラ君凄いね!私、闇魔法と光魔法と重力魔法だっけ?その三つの名前を聞いたことなかった、どこで知ったの?」
「そうだな…普通に勉強をすれば身につくもんだろ。知識ってのは…」
「それはルオラ君だけだと思うよ…」
「そうか?」
「そうだよ」
そうなんだ…
「ルオラよ、流石俺のライバルだな」
「グアムか…てか、誰が俺のライバルだ。勝手に決めるな」
「つれないことを言うなよ、ルオラよ」
ライバル関係に関しては断固拒否する。
「はぁ、一応ライバル関係は頭の片隅にでも置いとくよ」
「所でルオラよ、次からは自由選択になるがどうするよ」
最初の二回の授業は決まっているがその後の授業は何をするも自由だ。
自主勉強をするもよし、普通の授業や読書、寝る…などなど。
「自由か…俺はグラン先生に寮生活について聞いてみる、今日から一応俺は寮生活を始める予定だからな」
そうじゃないと野宿する羽目になってしまう…
「奇遇だなルオラよ、俺も聞きにいこうと思っていたから共に行こうではないか。お前に聞きたい事もあるしな」
「そうか」
少し面倒いがな…
「サラゼルはどうするんだ?」
「僕はどうしようかな…する事も無いから僕も一緒に行っていい?」
「全然いいぞ、別にいいだろグアムも」
「うむ」
「ではグラン先生の元へ行くとするか、恐らく、教員室に居るだろう」
****
「「失礼します」」
そう言ったのは俺とサラゼルだけだ、グアムは何も喋ってない。グアムらしい。
「グラン先生は居ますか?」
「私はここに居るぞルオラ」
部屋の机の一つに座っていた。隅には大量の書類がある…大変そうだな。
「あ、忙しい所すみません。寮生活に関して少し話したい事が」
「あぁ、そう言うことか。サラゼルとグアムも同じ要件か?」
二人は首を縦に動かして肯定する。
「分かった。寮生活は今日からするつもりか?」
「一応そのつもりだ、他の二人も恐らくそうだ」
「荷物はどうするつもりだ?」
「俺は荷物は特に無い、今日までは宿に泊まっていたからな。仮に欲しいものがあったら買うつもりだ」
「私もそうです」
「俺もだ」
「そうか、ならついてきたまえ。寮の場所と部屋も紹介する。あぁ、それと各自の部屋は既に決まっている」
グラン先生は立ち上がり教員室から出て外に向かった。
****
「ここが男子生徒が利用する寮になっている。そして中庭を挟んだ向こう側にあるのが女子生徒が利用する寮だ」
その建物は学園内にあるどの建物よりも巨大だった。それもそうか、数百人…もしかしたら千人を上回る生徒がこの学園には居るからこのぐらい巨大にしないと数が足りないのか。
「男子寮は私が案内するが女子寮は無理だ。そのため私の代わりに女子寮を案内してくれる先生を連れてくる。ちなみに、互いの寮にはルールが存在する為、確認しておくように。これがそのルールが載っている資料だ。では少し待ってろ」
グラン先生はどこかに走って行った、そした先生から渡されたのは一つの紙だ。
「これがそのルールとやらか?」
「何が書いてあるのだ?」
「私は少しは予想がつくけどね…」
別々の寮でルールと言えばある程度は予想できる。
「えぇと、書いてあるのは…互いの寮に入る場合は一階にある受付で許可証を貰うこと、貰う際に入る理由を問う。
夜十時以降は互いの寮に入る事は禁止とする。ただし、訓練などで怪我をしやむを得ない場合は可能とする、か」
「ふむ、まぁ、ルオラよ。普段過ごしていていて女子寮に用がある事なんて無いだろう」
「そうなる事を願いたいものだな」
許可証を貰うとは言え女子しかいない場所に入るのは抵抗がある。
「読み終わったか?女子寮を案内する先生を連れて来た。サラゼルはこの方に案内して貰え」
「あなたがサラゼルさん、私はイロハと申します。よろしくお願いします」
「初めましてサラゼルです。イロハ先生こちらこそよろしくお願いします」
「ではイロハ先生よろしくお願いします。ルオラとグアムは私についてこい」
「はい」「うむ」
まず最初に来たところが一階にある受付の所だ。
「ここが受付だ、基本的に男子生徒が利用する事は無い。利用するのは男子寮に用がある女子生徒のみだ。今は人が居ないがちゃんと人が居るから何かあったら聞いておけ」
そして、次の場所へ
「受付の場所から直ぐ右に曲がったところに転移門がある。お前ら二人の部屋は同じ六階にあるこれを登って行くぞ」
転移門は床に特定の術式を刻む事で予め指定した場所に念じる事で移動する事が可能だ。
「転移門を使う際は行きたい階を念じる事で行く事が可能だ。複数人が一緒に使用し別々の階に行く事も可能だ。
今回は六階に行くので、六階と念じれば良い」
そう言ってグラン先生は先に転移門で六階に向かった。
「俺たちも行くか」
「そうだな」
俺とグアムも転移門に乗り、そして念じる。
(六階へ)
場所が変わり目の前にグラン先生がいた。
「二人とも来たな。ではお前達に割り当てられた部屋を紹介する、こっちだ」
そう言って歩き出し、四つの扉を過ぎた所で先生が足を止めた。
「ルオラはこの部屋になっている。そして隣はグアムだ」
嘘だろ…グアムが隣とはな、
「部屋にはある程度の家具は置いてある、今日からお前達が住むんだから自由にすれば良い、買い換えるのもよし、新たに買うのもよし、今は、自由選択の時間だ。これから住む部屋にでも慣れておけ。
あと、言ったかどうかは忘れたが、二つの授業を終えた後は自由にすれば良い。最初の二つの授業さえ出席すれば後は何をしても良い、ただし常識の範囲でな。では、寮の案内は終わりだ。私は教員室に戻るので何が問題があったら呼びに来い」
そう言って帰って行った。
「さてと、部屋の中でも見てみるか」
「ルオラよ、隣とは奇遇だな。これからはよろしくな」
「…あぁ、もちろんだ」
ゆっくり過ごせるかな…
「グアムよ、お前はこの後どうするつもりだ?」
「俺は部屋を少し見てから用事があるので出掛けるつもりだ。お前は?」
「俺は今日は取り敢えず部屋に居るよ」
「そうか、またな」
そう言って互いに自分の部屋に入る。
中は以外と広い。そして、グラン先生が言った通りある程度の家具が置いてある。
机に椅子、ベットや棚やクローゼットなどなど、他にも料理場もあるし魔道具の冷蔵庫やトイレもある。極め付きはお風呂だ。これも魔道具を使用している。
寮と言えど、一般家庭の平均水準を遥かに上回っている快適度だ。
「これは中々…だが、今ある家具で少し圧迫感が生まれているな。家具を買うつもりだったが少し狭いな…よし!増築しよう」
後先考えず増築を始める。
「そうだな…取り敢えず空間魔法の術式をちょっと改良して…部屋を広くしよう。
壁と天井にこれを設置して、壊されない様に、【不壊】と【永続】の二つを付与して…どれぐらい広くしようか、少し研究したい事もあるから多めにとって今の十倍ぐらいにしよう!」
部屋を広くする、それは空間魔法で空間を歪めたら部屋の広さなんて改造し放題だ、広くしたり狭めたりする分の魔力はごっそりと持ってかれるが俺にとったら微々たるものだ。
それに部屋数だってかなり欲しいと思ってるな、半分くらいは研究部屋だかな…俺だって研究したいことはある。今までの転生生活でも研究しなかった事は一度もない。
三十分後…
「完成したぞー!!」
やってから少し後悔した。だって豪邸の様な広さになってしまったからだ。
「こうなってくると家具が少なくなり寂しくなるな。部屋を広くして土魔法で壁を作り、材質を木にして小部屋、大部屋作ったのは良いけど…金も宿生活でほぼ使い果たしたからな。稼ぐか」
どうしようか、一気に稼げる方法…方法…方法…そうだ確か魔物を狩って素材を提供すればお金を貰えるって聞いたことあるな。よし、グラン先生に聞いてみよう。
****
「なに?魔物を狩るだと?なんのためだ」
「お金を宿生活でほとんど使い果たした為そんなに残ってないんですよ。その為、魔物を狩って素材を提供すればそれに応じた金額を貰えると聞いたので」
「ふむ、どうしたものか…お前の強さは俺がよく知っているが魔物を狩るのは危険だが、ふむ…たしかに今までもそんな奴は居たな」
「その人達はどうしたんですか?」
「学園長の所まで行き許可を貰ってこい。許可を貰ったら俺は何も言わん」
「分かりました、では行ってきます」
****
再びやってきた学園長の部屋。
――コンコンコン――
「入っても良いですよ」
「失礼します」
「ッ!?ル、ルオラ君、何か用があるの?」
一瞬だが驚いていたな…
「えぇ、少しね、実は俺が今持っているお金が無くなってきたので魔物を狩る許可を貰いに来ました、グラン先生から学園長である貴方の許可を貰えば良いと聞いたので」
「なるほどね、ルオラ君なら全然良いわよ」
「はい?」
「だから、貴方の実力なら許可を上げると言ったの」
「理由を尋ねても?」
「はぁ…試験で本気の私を倒した貴方に許可を上げなかったら誰も許可を上げられないわ」
どうやら許可は貰えたらしい。
「なるほど?まぁ、許可していただきありがとうございます。では早速、狩ってきます」
「今から?」
「はい、問題がありますか?」
「許可を上げるとは言ったけど、魔物をいち学生が狩るのは問題があるのよ、魔物を狩って良いのは国の騎士、もしくは冒険者のみよ。
騎士にはなれないから冒険者登録をまずしなさい。紹介状は私が書くから少し待っててね」
「はい」
どうやら学園長の許可があっても無断で狩るのは、ご法度らしい。
「はい、これが紹介状よ。冒険者ギルドって場所があるからそこに行って受付にこれを渡して冒険者登録をしに来ましたって言えば大丈夫よ」
「ありがとうございます学園長!では行ってきます」
「行ってらっしゃい…はぁ、問題を起こさないかしら」
問題?絶対、多分、恐らく起こさない。
そう言って俺は学園長の部屋から出た。そして学園の外へと行き言われた冒険者ギルドへと紹介状を持って足を踏み入れた。
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