用事も終わったので帰る
アミアです。
誤字報告あいざいます。
前回、Twitterの方で誤告知をしてしまいました。えぇ、すみません。前回も直そうとして閑話の方を投稿してしまいました。混乱した方いたら…深くお詫び申し上げます。
急遽追加前書きくん。 いいね、という新機能が追加されました。もし良かったらどうぞ(^^)
「…だめ?」
ユーミラからキスを求められた。
「ダメだ」
「えぇー!!」
「順番だな。俺が勝手に決めたルールだ。悪いな」
「むぅ…」
「悪いな。…あ、そろそろ」
「えぇー!もう帰るの?」
「神鋼魔鉄の件だ」
「いいよ?」
「分かった」
「あ、でも何に使うのか?と何人分とかどんな武器にするのか、書類を書かないと」
神の産物を地上世界へ持ち込むのだ。世界を狂わせる可能性があるからな。
今、地上に僅かある神鋼魔鉄は色んな理由があって存在している。神が与えたもの、うっかり落としてしまったものなどなど…まぁ、仮に神鋼魔鉄を手に入れてしまっても鍛治に特化しているドワーフですら変形することは出来ないだろうな。
「ちょっと待っててねー。どこにあるっけな」
ユーミラが膝から降りて机の方へ歩いていく。
「…あっ、ちゃんと道具はあるの?」
「ないな。ま、なんとかなるだろ」
「なんとかなったらダメなんだけどなぁ…本当は…神鋼魔鉄にはちゃんとした鍛治工房と道具がないと。もう」
「まぁ、仕方ない」
「あ、うん…ルオラだもんね」
「うん?」
「えーと…あっ!あったよ!はい、これに書いてね。あ、嘘書いたら流石にダメだよ?」
「仕方ない」
俺は貰った紙を目の前の机に置いて…ペン…
「あ、ペンこれ」
「ありがとな」
名前、ルオラと…
「…嘘ダメ絶対。しかも真名」
「…分かった、分かった…」
めんどくさい書類だ。…だが、まぁ、ちゃんとしないとな。こればかりは…
俺はもう一度最初から書き直す。
****
「…はい、終わった」
「えぇと?…ふむふむ。うん!じゃあ上に上げるから」
「分かった。じゃあ、取ってくる」
「あ、うん。…またね!」
「あぁ。二人にもよろしく言っといてくれ」
「任せてよ!行ってらっしゃい!」
「また来るからな」
「はーい!」
「神域転移」
ユーミラは俺が転移するまで手を振っていた。…やはり久しぶりに会うとな。離れたくないものだ。
「…さて」
この辺りから始めるか。
普通は書類を見せてから承認を得て掘るのに…この辺りは疑問に思うな。
「…ふぅ…鉱石探知。そこか、よいしょっとぉ!」
足に力を込めて、思いっきり地面を踏む。
ズガァァァァン!!バキバキバキバキ!
地面が蜘蛛の巣状に割れて、砕けていく。
「…あ、あれがあったな。ま、遅いが使うか。点重力化・10倍」
ゴゴゴゴゴゴ…
砕けた地面が一箇所に集まっていく。ポイントグラビティは至ってシンプル。指定した場所に新たに重力場を作り出すだけだ。だがシンプルなため強い。空間を無視して作り出すからだ。例えば…これを戦闘で使った場合、俺だったら作り出す場所は相手の体内だ。どうなるかは分かるだろ?
グシャァ!!!
「よし」
俺はポッカリと空いた穴に入る。これくらい掘らないと出ないからな。神鋼魔鉄は…
「あった。…よし、同物質収集。来い!」
俺を中心に半径25メートルの範囲にある同物質、今回は神鋼魔鉄だ。
この魔法は効果範囲内にある同じ物質を術者の手元に集める魔法だ。この魔法は使い勝手が悪い。何故か?同じ物質、そうだな…例えば鉄のロングソードをこの魔法で集めるとしよう。すると、どうなるか?
魔法を使った場合、同じ鉄で出来た全ての物体が集まる。この意味が分かるか?そう考えると使い勝手は限られてくる。仮にも地面を指定した場合大変なことになる…まぁ、そんなバカはいない筈なんだが。どこかのピンクゴールドさんを除いてな。
さて、そんなことは置いといて、今は集まった神鋼魔鉄だ。
「…壮観だな」
流石、神々の世界。簡単に大量の神鋼魔鉄が手に入る。
俺の目の前には僅かな光を反射して輝いてる神鋼魔鉄。その色は白色だ。
これを武器にしようすれば折れない、曲がらない、砕けない、鋭く切れ味も素晴らしい最高の武器になる。俺が本気で振るっても耐えられる武器だ。
防具にしようとすれば絶対に砕けない。物理、魔法どちらにも耐性があり、最上級魔法をもろに食らってもかすり傷すら付かないだろう。…あっ、あくまで普通ならばだ。
ちなみに、同じ神鋼魔鉄を使った武具で争えばそれは砕ける。あくまで砕けないって言うのは神鋼魔鉄以外の鉱石を使った武器のみだ。同じ神鋼魔鉄だと砕ける。
「…これくらいだな。異次元空間」
俺は集まった神鋼魔鉄を全て異次元空間へと回収する。
「最後にあの人にだけ挨拶しとくか。ま、そのためには…仕方ないが、ふぅ…我は望み 第二の封印を砕く 砕けて散れ】存在昇華。第二段階」
…っ…あぁ、この感覚も懐かしい。さて、これでいけるな。神域転移…あ、ちょっと制御ミスった。…やはり、定期的にこの力を使わないと、やばいな。
目的の場所は合ってるがどこに転移するのか細かい場所は分からないまま俺は転移した。
****
さて…俺は今、反省をしている。なんで?ってか。まぁ、見てみろ。
「…………久しぶりの再会がねぇ。こんな事になるとは」
目の前の男は呆れた目で俺を見てくる。整った顔に腰あたりまである黄金の髪に煌びやかな衣装を纏っており神々しい。…とでも言っておこうか。
「いや、それには訳が…」
「はぁ…どうせ君の事だから久しぶりに制限解除して力の制御を失敗した、こんな所でしょ?」
「…まぁ」
「まぁ、って…君だからこんな事許されるんだよ?他の者なら直ぐ死ぬよ?」
「そこはお前を信用している」
「そういう口調も君だけだね…君を前にして話してると威厳がなくなるんだよね」
「今更だろ」
「そうだね。…で、なんでこんな所に?いや、こんな所っていったらダメだね…何の用で?」
「久しぶりにこの世界に来たからな。創造神のお前にも会っとかないとな」
「その呼び方は嫌だねー。創造神だなんて…まったく、この呼び名のせいで僕がどれだけ苦労を…」
ぶつぶつも創造神が愚痴を呟いてる。昔からこいつはそうだ。見てて面白い…おっと。
「…もう帰るのかい?」
「会いに来ただけだからな」
「そうか。…久しぶりに会ったと思ったら……あ、あの三人には会ったのかい?」
三人…恐らくシュイ、ユーミラ、アストラの事だろうな。
「ラファエルには会った」
「彼女だけかい?」
一応一般的に知られている名の方で呼ぶ。この場所はな、誰が聞いてるか分からん。
「そうだな」
「またおいで」
「急だな…ま、そのつもりだ」
「あ、そうそう。君ってまだ童貞?」
「ンンッ!?ケホッ、ケホッ…」
「大丈夫かい?」
誰のせいだ。
「で、どうなの?」
「まだ童貞だが?」
「あんなに転生しても?」
「やかましい」
「悪神ユール、彼女に会うのは気をつけたほうがいいよ?」
「なんでだ」
「今の君には彼女は居るかい?あぁ、あの三人は除いて」
「一人いる。そして、三人増える」
「おぉ…あの君が」
「どう言う意味だ」
「いやいや、特に意味はないよ?…でね、その今付き合ってる子が初体験になりたい?」
「…そうだ、と言ったら?」
「なら、済ませたほうがいいよ?早めにね。悪神ちゃんに会ったら絶対奪われるよ?ちょっと、最近彼女…君と会わなさすぎて大変そうだから」
…その光景が容易に想像できるのは嫌だな。
「それに、神としてもかなり強くなってるし」
「ほぅ」
「だからね、流石の君と言えど出会った最初に本気で仕掛けられたら抵抗出来ないと思うんだよね」
「それほどか」
「それほどだね」
「…まぁ、なんとかする。来ると分かってたらなんとかかるかもしれんが…」
「そうかもしれないね。君が勝てない相手なんて僕だけだもんね」
「そうだな」
創造神には勝てん。…ある程度は戦えるが最終的には負けるだろう。
「あ、訂正するよ。彼女たちと君と付き合ってる四人?もだね」
「…尻に敷かれるってか?」
「そう!」
ぶちのめしてやろうか?勝てないが…
「まぁ、君なら大丈夫でしょ」
「そうだな。…じゃ、そろそろ帰るわ」
「うん、分かったよ」
「じゃ、頼むわ」
「…はぁ、君の力を封印するのも大変なんだけどね。じゃ、いくよ?」
「あぁ」
「創造神ルテマの名において 【神封鎖縛よ 顕現せよ】」
創造神ルテマの前に透明な鎖が現れる。透明だが何かがそこにあるのが分かる。
「じゃ、縛るよー。分かってると思うけど、封印した後は君はこの世界に居られなくなるからね。元の世界に戻るから」
「分かってる」
「おっけー。じゃっ…【神を封じる鎖よ】…じゃ、ばいばい」
「あぁ」
鎖が一人でに動き俺の体に絡まっていく。どんどん鎖が絡まる程に俺の体から力が失われていく。これは力が封印されていってる証拠だ。ものの数十秒で俺の力は完全に封印された。もちろん開放した第一と第二の力だけだ。
「また来る」
「いつでも待ってるよ。……あれ?」
「ふむ、消えないな」
「…新しく封印を作るのは嫌だから一人で帰ってね。神の力は使えないけど普通の魔法で帰れると思うよ?あ、手助けはするけど」
「…なんか、すまんな。次元転移」
「あ、転移した」
なんとか転移出来たな。…また封印か。いや、しかしな…解放してない状態だとあの場に居るだけで体力を持ってかれた。逆に言えばそこまで成長出来たってことだ。…まだまだ強くなれるな。
さて、クラシアの元に戻るか。予定よりも時間がかかってしまったな。だが、お目当てのものは手に入ったからよしとしよう。
****
「…さて」
ここはどこだ?闇の森には違いない筈なんだが……うぅむ。やはり次元転移は精度が悪いな。
「…まぁいいか」
空間転移
全ての用事が終わった頃に覚えてたら来よう。ここは何か適当に調べたらダメな予感がするからな。
「ただい…ま?…居ないようだな。とりあえず明かりを」
クラシアはどうやら居ないようだ。時間は?…えぇと、4時半…これは、少し長く居過ぎたな。怒ってるだろうな…
「……初体験ねぇ」
俺はあの創造神が言った言葉を思い出す。ついでに少しイラッと来る顔も思い出されるが…あの笑顔がな。
「…どうしたものか」
とりあえずあの三人の返事は11月25日、クラシア曰く『その日は確か…聖夜っすからね。そういえばあの子達もなんか言ってたっすね。クリスマスとかサンタとかプレゼントとか』らしい。
一応俺はその日に返事をするつもりだ。どう誘おうか…いや、長期の休みに入ったばかりだからな…ま、テストが終わった日にでも聞いてみるか。
「……今度あの馬鹿に会いに行く時はお土産でも持ってくか」
ちなみに馬鹿とは創造神のことだ。俺とあいつはそういう仲なんでな。
「……くぁぁ」
眠いな…向こうの世界では寝てなかったからな。いや、寝る暇が無かったな。寝たら何されるか分かったもんじゃない…
「…寝よう」
俺は自室へと行きベットに入り襲い来る睡魔に意識を委ねる。…ぁ、夕飯作っとけばよかったな。…まぁ、いいか…おやすみ。
後書き追加。
いいね、どうぞって言った癖に見たらいいねを受け付けないって設定になってたので受け付けるに変更しておきました
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