表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/202

数千年ぶりに再開

アミアです、


…急展開ですかね?いきなり神って…


…あれ?100話。……?

 


 扉が開き中に入る。


 部屋は綺麗だな。…あぁ、ゴミがないと言うわけではない。ギラギラしておらず丁度いいと言う感じだな。無駄な物は無く実用性に優れているものばかりだ。そして、部屋の一番奥に巨大な机と共に椅子に座って鎮座している女児…コホン、女性。ちなみに、ユーミラは身長は中の下くらいだ。変わってないのなら146くらいだ。身体がな。体重?あいつ体重計乗る時に羽を使って地味に浮いてるから正確な値は分からん。本人のみが知るってやつだな。


「ご苦労、イルム」

「はっ!失礼します!」


 高位天使――イルムと呼ばれたあいつら退出していった。部屋に居るのは俺とラファエルことユーミラのみ。誰も隠れてはいない。


「…ふむ、久しぶりと言っておこうか」


 黄緑の長髪に整った顔、全てを見透かすような瞳に、なによりも目が行くのは背中にある6対の純白の羽。何もかもが懐かしい。


「…本当に***?」

「その名はもう捨てた。今の俺はルオラという名前がある。ユーミラ」

「っ!…ル、オラ?」

「そうだ」

「ルオラ…ルオラ、うん…ルオラ、約7356年振り」


 …こいつ、まさか数えていたのか?


「その間、君の顔を忘れた事はないよ」

「ふむ…俺もだな。では、早速用件を伝えておくか。神鋼魔鉄を掘るから許可をくれ。あと、これは大事な話だ」

「前者は許可する。後者は?」

「今は俺、ルオラはクラシアと言うものと付き合っててな。他にも三人から告白を受けてて近いうちにその三人の告白も受けようと思っててな…」


 そう言うとユーミラの今までほとんど動かなかった感情が微かに揺れた。


「ま、てなわけで近いうちに4人と付き合うことになるのだが…俺は今の人生は過去、の中でもかなり楽しい。上位だ。で、この人生は俺も本気で長生きしようと思っててな…」

「君がそんな事を言うなんて驚いた」


 そうだろうな。


「で、シュイ、ユーミラ、アストラの三人に久しぶりに会って伝えたい事があった。それが今から言う事だ。

 …また、俺と付き合って共に過ごさないか?地上で」

「っ!!」

「久しぶりに会ってこんな事を言うのは…むしのいい話だが」

「……」

「残り二人にも近いうちに伝えるが……共に来てくれるか?」

「…条件がある」

「どんな条件だ?…先に言っておくが営みはしないぞ?最初はクラシアにしとこうと考えてるからな」

「……そう。でも違うから」


 今、間があったな。おい。


「条件は二つ、でも簡単。…私を」


 何を要求されるのだろうか。


「一つは私と戦う事」

「ほぅ」

「もう一つは、私が満足いくまで甘やかす事」


 ふむ、変わってなくて安心した。長年の時間で少し性格は変わったかもしれないが本質は変わってないな。


神の領域(ユ・ミグアル)…これでいい」

「ふむ、これは中々」

「では、始め」

「もうするのか…せっかちな」


 そう言って軽くため息を吐く。その間にユーミラは目の前に接近しており、既に拳が目の前に迫っていた。


「成長してるな」

「……嫌味」


 そう捉えられてもおかしくはないか。何故なら、俺はユーミラの真後ろにあるからな。なに、簡単な事だ。高速で移動しただけ。第一の封印が解かれた俺なら容易い事だ。


「私の強さはこんなものじゃない」

「なら見せてみろ。光の千本槍(サウザンドライランス)

「神ラファエルが命ずる 【槍よ反転しなさい】」


 神と戦う上で忘れてはいけない事だ。神の命令。


 俺の放った千本の槍が反転して全て俺に襲いかかる。神の命令により魔法が俺の操作から離れた。まぁ、簡単に避けられるが。それを避けようとするとユーミラの口が再び開いた。


「神ラファエルが命ずる 【動くな】」


 その瞬間、俺の体がコンマ数秒停止した。そのコンマ数秒は俺にとって傷を負わせるほどの時間を作り出した。


「……!」

「俺を止めるとはな…これは予想外。傷を負ったのは何千年ぶりだろうな…」


 ユーミラの顔が一瞬ニヤけたのを無視して俺は攻撃をする。どうせ俺に攻撃が当たった事が嬉しいのだろう。


「……っ!消え」

「後ろだ。無情なる手刀」

「甘いねー。っ、甘い」


 どうやら戦っている間に本当の性格が出てきそうだな。言い直しても無駄だぞ?


「まだ小手調べだ。神の手招き(ジ・ビリメウ)、これに耐えられたら認めようか」

「っっっ……ぐぬ…き、かない」


 ほぅ…


「なら、まともに戦ってやる」

「勝つ」

眠りの死神(デススリーパー)

「…はふぅ」


 ユーミラは寝た。……よし、こいつには後で説教だ。


 ユーミラが倒れそうなので俺はそれを受け止める。


「…っと」


 相変わらず、細くて軽いな。


「油断大敵」


 おや、起きてたか。


 わざと寝たふりをしたユーミラが起きて俺に攻撃を仕掛けてくる。今の俺は両手を塞がれている。


「お前がな」


 こう言う時の対処法は簡単だ。脚の力を抜く。それだけでガクンと体が落ちる。あくまで自然に脚の力を抜く事がコツだ。


 突然のことにユーミラは反応出来ず、その拳は俺には当たらない。そして、俺は攻撃を避けた後片方の脚のみに力を入れてユーミラの背中に滑り込むように動く。


「っ!?」

「はい、おしまい。惜しかったぞ?」


 背中に回った俺はユーミラの両腕を拘束。足も動かないように圧縮した魔力で固定、羽…は、モフモフなため何もしない。それ以外にも理由はあるが…


「!!!」


 ジタバタと動くがまったく動かない。そして、抵抗を諦めたのか大人しくなる。


「…残念」

「まだまだだな。だが、わざと寝たふりをしたのは良かったぞ」

「…?わざと寝たふりをした?…っ!そう、咄嗟にした」

「よし、嘘という事が分かった。後で説教な、ユーミラ」

「…え」

「戦闘中に状態異常を対策してなかった点、あとはその性格や喋り方だな。後者は説教はしないぞ?どちらかというと聞くな、理由を」

「…ぶー」

「そういう感じの方が俺は好きだぞ?」

「…まさか、覚えてない?」


 …何の事だ。


 俺が首を傾げたのを見て何かを悟ったのかユーミラは悲しそうにする。


「あの日、ルオラと別れる時にルオラ、言った…もっと強くなれ、あと威厳があるような感じにしろ、と…だからこうした」

「…あぁ!あれか」

「…威厳ある?」

「うーん、まぁまぁ…でも、あくまで俺以外の前でだ。俺の前では本当のお前を見せてくれ」

「っ!…ちょっと待って。気持ちを切り替えるのに時間がかかる」

「いくらでも待ってやる」


 この神々の世界と地上では時の流れが違うのだからな。


 ****



 …長い。時の流れが違うとは言え1日待つのはどうかと思う。地上では1時間くらいだろうな。…あぁ、時の流れのことだ。


「…ふぅぅ」


 終わったか?


「よし」


 終わったようだな。


「…久しぶりー。*…ルオラ。まだ前の名前が少し残ってて言い間違えそうになるけどいいよね」

「あぁ。…ふっ」

「…どうして笑ったの?」

「いや、懐かしくてな」

「私もだよ。神になってから地上に降りようとしたら天使達にあなたは降臨する事は出来ません、って言われて絶望してたんだよ」

「なるほどな」

「本当にだよ!」


 頬を膨らませてユーミラがそう言う。それに呼応するかのように翼もバタバタ動く。


「……あっ!もう一つ条件!」

「ん?…なんだっけ」

「私を甘やかす事!満足いくまで!」

「…あぁ」


 何日かかるだろうな。ま、嫌ではないからな。


「任せとけ」


 そう言いながら取り敢えず最初に頭を撫でてやった。


「ふわぁ……凄く上手になってる…」

「まぁ、最近甘やかす事が多いからな」

「それって…クラシア?って言う人?*…ルオラの心を射抜いたって言う」

「そうだな」

「へぇ…」


 ユーミラの瞳孔が細まった。


「…ねぇ、その人って強いの?」

「強いぞ?神の世界にはわざと行かせてないがな」

「あれ、そうなの?」

「あぁ、それと俺とは何千年もの付き合いだな」

「えっ…精神強すぎる。人間?それ」

「あぁ、()とは違って人間だな。転生しまくってる」

「……その子、今度神の世界に連れてきて」

「だが…」

「いいの、私が許可するから。ルオラとは違って正式な認証を得た人間は簡単に神の世界に来れるから、ね!」


 …俺はたしかに神には招かれてないな。どちらかという自力で辿り着いたって感じだな。そのためか特定の神々からは物凄く嫌われている。…まぁ、実力差があるので相手も喧嘩は売ってこないが…残念だ。


「何か凄いことを考えてるよね。…あっ!今日ルオラが来た事はシュイとアストラにも伝えておくよ?」

「あぁ、頼む。あと俺の言ってた事も」

「うん!任せて」

「…あいつらとはどうだ?仲が良いか?」


 俺はユーミラを抱えて膝の上に座らす。無駄に凝った椅子だが座り心地は流石神の世界の物と言っておこうか。


「むふふー。…えっとね、毎月お茶会してるよ?」

「…毎月」

「で、アストラの権能でルオラの事を覗き見してるから」

「初めて聞いたんだが?」

「あっ……聞かなかったことに」

「出来るわけがない」


 あの野郎。


「よし、今度会った時にアストラに言っておいてくれ。仕事増やすぞ、と」

「あ、うん」


 勝手に盗み見るな。制限をかけている状態だと感知するよは難しいからな。


「シュイとかはどうしてる?」

「シュー?シューはね、仕事で今は少し大変だって。なんでも、悪魔王が一人居なくなって、気づいた時には死んでたらしいよ?」


 …多分、帝国のあいつだろうな。帝王に取り憑いてた…


「心当たりあるの?」

「…少し、な?」

「そうなんだ。…あっ!手止まってる!」

「はいはい」


 俺はユーミラの頭を撫で始める。


「よろしい」

「いいご身分だな」

「私たちを放置するのが悪い」

「……まぁ、仕方がなかった」

「むぅ…」


 クラシアが居たからな。


「そう怒るな」


 俺は空いている片方の手でユーミラのモフモフな翼も撫でる。


「んっ……この、感覚…久しぶり…ぁぁ」


 翼を撫でるたびにユーミラが震える。


「…あっ、そこ…そこっ…」

「ん?ここか?」

「んんー!凄く、いい……ぁ」

「…もうちょい声なんとかならないか?」

「む…りぃ」

「…静寂(サイレント)

「〜〜〜!!…っ!〜!」


 ふむ。声を封じたのに動きで分かるな。ま、声がないだけマシか。


「神ラファエルの命ずる 【魔法よ解けよ】」


 サイレントを掛けたのに…まったく。


「ふぃ…また力を上げた?」

「今更だろ」

「どれくらい?」


 どれくらい強くなったのか?という事か?


「そうだな…俺の封印の事は分かるだろ?」

「うん。第一、第二、第三、第四だよね」

「そうだ。今は第一段階だけを解放している」

「うん」

「最近は通常…全てを封印した状態で、第一並の力を出せるようになった」

「…え?」

「だから、また封印しないとな。と思いはじめた」

「またぁ?あの封印作るの大変だってあの人言ってたよね」

「いや…しかしな…そうしないとな」

「なに?戦闘が楽しめないって?この戦闘狂が」


 ユーミラが俺にジト目を向けてくる。


「考えとく」


 どうしたものか…


「ねぇ、ルオラ?」

「なんだ?」

「…キスしていい?」

「んん?」


 突然過ぎないか?先ほどまでの話と温度差かなりあるが…キスか…

ラファエルは本当は大天使ですが、少々変えて神にしました。


後書き追加・・・ユーミラが約7356年振りと言ってましたが、神界の1日が地上で1時間換算だとおかしいんじゃない?と思う方もいると思いますが…気にしないでください。またいつか…気が向いたら、直します


面白かった・興味を持った・次の内容が気になる、期待している、と思う方が居たら下の方にある⭐️型の評価、ブクックマーク、感想、誤字報告の欲張り4点セットのどれかでも良いのでして貰えると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ