8話・新しい仲間と泥棒
ボクの首に細剣が突き付けられた
「アンタがアリス、、犯人のアリスじゃない証拠を示しなさい」
そう言いつつ、細剣がぐいっと押し付けられ、僅かに血が流れる
「ぼ、ボクが犯人じゃない証拠?で、でも昨日ボクがアリスだって、、、」
「犯人の名前がアリスって決まった訳じゃないわ、犯人がそう言ってただけで嘘かもしれないわ、もし貴女が犯人じゃなければ貴女の力を借りたいの」
「ボクの、力を?」
「存在しない筈の力は相手にとってイレギュラーなのよ」
(ボクの力、か、、、) 「でも、ボクは昨日、何も言い返せ無かったし、、、」
「でも貴女は違うって言うんでしょう?」
「う、うん」
「なら、力を貸して、貴女の他にアリスの検討がついてるの」
「ええっ!?」
ボクの他にアリスが!?
「今は言えないわ、相手が強すぎるから、ね、、、」
サラは悔しそうに、少し悲しそうに言う
アリスが何とかして聞き出そうとした時
「アリス!此処にいたか!、、!?お前!アリスから離れろ!」
「あれ!?ファング!?何で此処にいるの!?」
ファングが拳に着けた爪を構える
「(ビクッ)まっ、まって!あたしはアリスの敵じゃないわ!」
「その剣はなんだ!」
「あ、、、」
未だにサラは剣を突き付けていた
慌ててサラは剣を仕舞う
瞬間、ファングはサラに攻撃しようとするが、アリスが庇った
「どいてくれ!アリス!」
「嫌だよ!サラは犯人退治の協力をしてくれるんだよ!それに殺人は駄目だよ!」
「くっ、、、」
ファングは爪をしまった
「きゃあ!」
その時、サラが悲鳴を上げた
サラは転んでいた、その後ろには黒い影
「へへっ良いペンダントだぜ」
「あ!ど、泥棒!」
装備品でも、一定時間手元を離れると装備から外れ、そのアイテムを持っていない事になる、つまり、泥棒が出来る
ファングとの揉め事で油断していたサラのペンダントが盗まれたのだ
「ああ!シルフのペンダントが!?」
「ええっ!?シルフのペンダント!?」
シルフのペンダントとは、かなりのレアアイテムであり、素早さの補正が高い
すぐさまサラが泥棒を追う、アリスも追い、仕方なくファングも追う
「ボクも手伝うよ!」
「あ、ありがと!」
3人は泥棒を追いかけて行った