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1話・事件とバグ

「とうとう来たんだ、僕の家に、このゲームが…」


僕はたった今届いたダンボールを抱えて2階に上がる

僕の部屋のソファーに腰掛け、ダンボールを開く

そこに入っていたのは大きなへルメット、そして

『ソウル』のゲ一ム


「これがバーチャルリアリティシステムを使って作られたゲーム……」


僕は少し感動しながらコンセントを挿してソウルをへルメットに入れて被る


「スイッチオン!」


急に意識が朦朧とし始める、少しの浮遊感を感じた後、また急に意識がハッキリした

そこは薄暗い小さな部屋、あるのは人型の光

その光が少しずつ実体化し、赤い鎧を着た女の人が現れた


「貴方はこのゲームの参加者ですね」


とりあえずそうなので答える


「はい、そうです」


そういうと女の人はニッコリ微笑み、こう返した


「いらっしゃいませ、ご主人様♪」


・・・いや、違うだろ


「い、いや、違うと思うんだけど」


そういうと女の人は無表情になり


「そう設定されています」


・・・このゲームの作者ってそういう趣味なのかな、確かこのゲームって天才が趣味で作ったんだよね


「そろそろ本題に入ってもよろしいでしょうか」


…その前にこのゲーム製作者に抗議したいな


「はい」


すると女の人はポケットから紙を取り出して


「え〜、では、『野菜たっぷりサラダ』と『高級な豚肉のしゃぶしゃぶ』と・・・って!これ何処のお店のメニューですか!」


なんと、一人でボケて自分で突っ込んだ

本当にこのゲーム大丈夫だろうかと悩んでいると、なんかどっかの青い短足ロボットみたいにポケットをあさり始めた、って!どんだけ入ってんだよ!

大量の紙が僕の身長の半分に達したころ


「ありませんね、まあいいです、どうせ台詞は覚えてますし」


・・ならなんで探してたんだよ

女の人は睨んでる僕の視線を無視しながら話しはじめた


「まずはキャラメイクを始めます、ゲームで使うキャラクターを作ることです。性別は変更不可能ですので、男性になります、これは、脳に影響がでないようにするためです。容姿は、人権保護の為、出来るだけ変えてください」


そこまで言うと、いきなり自分の姿が立体的に表示された

僕は驚きながらも格好良く設定した、やっぱその方がいいし、これなら誰も気づかないだろう


「最後に名前をお願いします」


少し悩む


「僕の名前は・・・」


しかし名前を言う事ができなかった、突然、世界が揺れだしたからだ


「うわっ!?なんだ!?」


女の人が倒れた状態で、『ありがとうございました、いってらっしゃいませ』を繰り返し言っている。気持ち悪い!

そんな事考えているといきなり光に包まれ、視界が真っ白になり、次の瞬間、大空を飛んでいた、じゃなくて落ちていた


「なんでぇえぇぇぇ!?」


何故か声が高かった気がするが、そんな事考えている暇は無い

しかし、自分が落っこちている事も忘れるような事が目の前でおきた

町の施設が壊れていく!よくみるとAIらしき人達が、さっきの女の人みたいに倒れ、消滅していく!


「一体何が、って!うわああぁぁ!!?」


ボクはとうとう落っこちた、かなり痛かったが、ダメージは無いようだ


「いててて……?」


ぶつけた頭を撫でると、なんか髪の手触りが良い、視界には金髪が目に入った


「あれ?なんで金髪なんだろ?違う色だったのに」


疑問に思いながら立ち上がる、すると足、というか下半身が寒い


「?」


下を見てみる、すると二つの小さめな脂肪の山、その向こうにスカートが見えた


「あれ・・・?」


そしていつもある股間の感触が無い

恐る恐る触ってみる、しかしそこには男の物がなかった、しかし、女ではあった


「そ、そんな・・・」


急いで指を振ってメニューを開いてステータスを確認した




名前 アリス

性別 女

ライフ 1(体力最大値)

ソウル 10(アビリティを使うエネルギー)

アタック 1(攻撃力)

ディフェンス 1(防御力)

スピード 1(足の速さ)


スキル

AIスキル

魔法スキル


アビリティ

ファイア




「なッ!?なにこれ!?」


驚くのは当然だ、アリスじゃないし女じゃないしステータスがソウル以外最悪だし最初からスキルもってるし元々魔法はこのゲームに無いはずだしよくわからないスキルあるし


「バグ…かな?建物もさっき壊れてたし」


そう結論づけて騒がしい町の中心にいこうとした


「AI!これは一体何なのよ!?」


「え?」


いきなり赤い髪の少女に呼びかけられ、意味の解らない事を聞かれた


「え?じゃないわよAI!アイツはいったい何なのよ!」


「AI?あ、そうか」


実は今着ている服はAIと同じだった


「ボクはAIじゃないよ」


「んなわけないじゃないの!AIの服着てんじゃないの!」


「これはバグだよ」


「そんなの聞いた事ないわ!バグだってほとんど見つかっていないのよ!今更バグなんておきるとは思えないわ!」


確かに発売からもう半年経っている


「そんな事言ったって、じゃあさっきの建物崩壊は何だよ!」


「知らないわよ!ゲームが変な奴に支配されて改造されたらしいわ!AIはあんた以外排除されて施設は崩壊!ログアウト出来なくされて説明書にも書いてあるとおりヘルメットを外して強制終了すれば脳に異常がでて最悪死ぬって言ってたわ!その変な奴がやったんだからバグじゃないのよ!しかも復活する施設も壊れたからもしかしたらゲーム中に死んだら本当に死ぬかもしんないのよ!さらに奴が全員のレベルを1に戻しちゃったし!第一現在進行中で宣言してるんだから知ってるでしょ!」


今の言葉に衝撃を受けた、死ぬかもしんないって!?


「そんな!ゲームなのに死ぬの!?」


「本当に聞いてないの!?」


「ボクはキャラメイクしてたらいきなりバグって変な身体にされて入ってきたんだ!その時には崩壊してたよ!」


その時いきなり声が響いた


『AIは全て排除したわ、これで何もかも自由とはいかない、しかもかなり現実に近く設定し直したわ、この世界から出たければ私を倒してみなさい!私の名はアリス!』


そこで声は途切れた、アリスといえばボクの事だ、ボクがこれを引き起こした犯人だって!?ボクは何もしていないのに………

その時運悪く開きっぱなしのステータスを少女に見られてしまった(いくつかの表示は誰でも見られるようになっている)


「貴女がアリス!?紛れ込むつもりだったのね!覚悟しなさい!」


「え?ええーー!!?」


少女の細剣レイピアをギリギリでかわす


「うわぁー!?」


「こら!待ちなさい!」


ライフ最大値1のボクに戦う余裕はない

ボクは必死で逃走した

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