ルビィ山脈と山賊
仮想世界ソウル 9
「くうううぅぅ……速過ぎよあの盗賊!」
「はあっはあっサラでも追いつけないなら何か使っているのかな?」
「おそらくな、消費アイテムでも『シルフの〜』がつくアイテムは素早さを上げる」
ただ、ボク達は盗賊の逃げた場所には見当がついていた。
『ルビィ山脈』がこの先にあり、そこで様々な鉱石が取れたが、今は取れない(という設定)の洞窟がある。
そこは中が迷路になっているが、一度最深部にマップがあり、それを手に入れれば迷路全体がわかる様になる。
因みに入口は複数あり、最深部の部屋に辿り着けるのは一つだけだ。
「ここの入口かしら?盗賊が此処にいなかったらペンダントを取り返せ無いわね」
ボク達はルビィ山脈の洞窟に入るが、真っ暗だ。
「『ライト』」
ボクの周りに光の球が複数浮かぶ。
「便利ね、魔法って」
「まだだよ。『マッピング』」
ボクの頭の中に迷路の全体図と、敵モンスター、プレイヤーの位置が表示された。
「……この入口じゃなくてもっと右だね、そこから複数のプレイヤーの反応がある」
「……便利過ぎよ」
ボク達は洞窟を出て右の洞窟を目指す。
「止まって、プレイヤーの反応が複数ある」
サラとファングはそれに従い、立ち止まる。
茂みの陰から覗き込むが、相手もこちらをじっと見つめていた。
「しまった!感知系スキルだ!アリス!サラ!戦闘準備!」
「ちっ!さっきのペンダントの奴か!?アクトの奴!つけられた事ぐらい気が付きやがれ!」
盗賊は三人(ABC)で、AとBは剣を、Cは弓を持っている。
Cは弓に矢を3本番える。
「これでも喰らいやがれ!」
スキル『弓術』のアビリティ『スリーウェイショット』だ。
ヒュン!
矢は的確に三人に飛んでいく。
「ハッ!」
ファングは矢を打ち払い
「当たらないわよ!」
サラは身体を捻って回避する。
「ぐっ!」
反応の遅れたアリスは腕を犠牲にする。
サラがCの元へ走る。
Bがサラを止めようとするが、ファングがBに蹴りをお見舞いする。
Aは手負いのアリスに剣を振り下ろす、しかし、その剣はアリスに届く事は無かった。
Aはいつの間にか氷に閉じ込められていた。
「なっ!?」
「『アイスコフィン』」
サラがCを倒して拘束、ファングもBを拘束した。
どうやら見張りは三人だけだった様だ。
「さて、さっきアクトって言ってたわね?この先に行ったのね?」
Cは顔を逸らす。
「この先みたいだな」
Cの反応をみてファングがそう判断した。
ボクは洞窟を調べる。
「……うん、そうみたい」
「さて、行くわよッ!」
ボク達はサラを先頭に歩きだした。
「はぁ、はぁ、ネシア様!良い物持って来ました!」
僕はさっき紅い少女から盗んだペンダントを渡す。
「ほう、中々ではないか、小僧」
「で、では人質を解放してくれるので?」
「調子に乗るなよ小僧ッ!」
ネシア様の鋭い蹴りが僕の腹に入る。
「グフッ!?」
僕は吹っ飛んでいく。
「ハッ!そう簡単に人質を解放する訳無いだろ!?」
その言葉を薄れる意識の中で聞いていた。
お久しぶりです!夜風です!
読む邪魔になるあとがき等は削除しました。
さて、しばらくまた不定期更新です。
それにしても、間が空き過ぎて少し書き方が変わったかな?