【ポガティブダブルデート】
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♂2:♀2:不問1
ポジティブな彼氏 ♂ セリフ数:4
ワンピースを着た彼女 ♀ セリフ数:10
男前な彼氏 ♂ セリフ数:4
ネガティブな彼女 ♀ セリフ数:9
ナレーション 不問 セリフ数:7
[あらすじ]《5分半程度》
今日は良い天気。駅前の時計台の下でそれぞれ恋人を待つ彼女達は、ダブルデートを計画していた。しかし待ち合わせ時刻に30分も遅れているらしい彼氏達に彼女達は――。
【ワンピースを着た彼女】
…遅いわね、あの人達。
【ネガティブな彼女】
も、ももももしかしたら…電車の事故に巻き込まれッ…いえ、駅に着く前に通り魔に刺されて……!
【ワンピースを着た彼女】
はいはい、大丈夫だからね~。
お化粧直しでもしてましょうね~。
【ナレーション】
人通りの多い駅前の時計台。…の下。
そこで待ち合わせをした事があるかと聞けば、多くの人があると答えるほど有名な場所。
今日はそこに綺麗な白いワンピースを着た少女と、やたらネガティブな事を呟く可愛らしいパーカー姿の少女が居た。
どうやら少女達の待ち人が遅れているらしい。
【ネガティブな彼女】
LIMEを送ったのに既読もつきません…! や、やややっぱり、迎えに行った方がいいんでしょうか…!
【ワンピースを着た彼女】
はい、動かないでね。リップ塗り直すからね~
【ナレーション】
想像力…というより被害妄想に富んでいるらしいパーカー姿の少女は、バッと立ち上がろうとして、ワンピースを着た少女に止められ、強制的に化粧を直されている。
そんな事をしていれば、ワンピースを着た彼女のスマホがピロリンっと音を立てる。
【ワンピースを着た彼女】
あら、LIME来たわ。
あらあら、電車が人身事故で遅れちゃったんだって。もうすぐ着くみたいよ。
【ネガティブな彼女】
じん、しん……じこ。
ひえっ、だだ、大丈夫でしょうか!? なんなら今日のデートは中止に……!
【ワンピースを着た彼女】
大丈夫よ。それにほら、今日は貴方達の二回目のデートで私達の一年記念日。それでダブルデートするって言ったでしょう?
【ネガティブな彼女】
ふぇ……了解しましたぁ…あっ、連絡きたぁ…良かった…。……はっ! もしかして連絡の多い女と思われてウザがられていないでしょうか!?
【ナレーション】
……とまぁ、そんなこんなで特にキツくもない日差しの下で彼氏達を待つ事、更に10分。
アロハシャツを着た男と、何やら男前な雰囲気を醸し出している男が彼女達に近寄ってきた。
【ポジティブな彼氏】
おう! 遅れてすまんな!
化粧直し出来たか!? 可愛く出来てるじゃないか!
【ワンピースを着た彼女】
あら、ありがとう。このワンピースも素敵でしょう? でもその派手なアロハシャツに比べると地味かしら?
【ポジティブな彼氏】
そんな事は無い! いつも通り可愛くて眩しい! そのワンピースはこの間買っていたやつだな、あまり君が目立ってしまうと俺は嫉妬してしまいそうだからな。そのままでも充分だ。
【ワンピースを着た彼女】
まあ、相変わらず恥ずかしい方。
【ナレーション】
アロハシャツの男はワンピースを着た少女へ駆け寄って行き、まずは遅刻を謝罪した。そうして服を褒め合う。如何にも恋人、という雰囲気である。
その隣ではパーカー姿の少女とその彼氏がなんやらまごまごしてした。…主に彼女の方が。
【ネガティブな彼女】
ぁぁああああ……!
そんな汗だくになられて…! 気分は悪くなってませんか? とても楽しみにしてました、えぇ、えぇ、それは勿論です。でも事故だなんて…! はっ! 電車内で痴漢被害などはありませんでしたか…!?
【男前な彼氏】
大丈夫だ。遅れて悪かったな。
お前の方が疲れていないか? 随分待たせてしまっただろう?
【ネガティブな彼女】
そ、そそそそんな……!
アナタを待つ時間を修行だと思えば何も辛くありません…! アナタの方は大丈夫でしたでしょうか、私なんかを待たせてしまっているという罪悪感で帰りたくなっていませんか…!?
【男前な彼氏】
帰りたいだなんて思う訳ないだろう。
それに『私なんか』なんて言うんじゃない。お前は俺の恋人だ。もっと自信を持つといい。
【ネガティブな彼女】
ひぇえ……。
【ナレーション】
青くなったり赤くなったりと忙しい少女に、男前な彼氏は微笑みを零す。
その様子を見て隣のカップルは“全くこの子達は仕方ないな”という顔をする。
【ポジティブな彼氏】
相変わらずだな、二人は。
もっと恋人らしく振る舞えば自信もつくと思うがなぁ。
【ワンピースを着た彼女】
ふふ、あの二人はあれでいいんですよ。
【ナレーション】
ワンピースを着た少女はアロハシャツの男の腕にくっつく。そうして隣のカップルへウィンクをする。
【ワンピースを着た彼女】
ほら、行きましょう。
遅れた分は楽しんで取り返しましょう!
【ネガティブな彼女】
で、でもでも!
私なんかが楽しんでしまったら楽しみたいと思っているアフリカの子供達に末代まで祟られるのではないでしょうか!? ひぇっ、そうなったら私は…私は…。
【ポジティブな彼氏】
大丈夫だ、大丈夫!
アフリカの子供達の分まで楽しもうな! ほら、お前も何か言わないか。
【男前な彼氏】
今から行くコスメショップにお前に似合いそうな色つきリップがあるんだが、見に行かないか? それともこれから楽しむって言うのに帰ってしまうのか?
【ワンピースを着た彼女】
うふふ。
服屋も寄って行きましょうね。アナタに似合うドレス、きっとあるわ。
【ネガティブな彼女】
ど、どっどっどっ、ドレス!?
ドレスなんて生まれて此方着た事なんてないですよぅ!
【男前な彼氏】
(とてもイイ声で)
じゃあこれが初めての経験だな。
【ナレーション】
語弊オブ語弊。
男前な彼氏はパーカー姿の少女の手を握ると、あわあわと戸惑う少女の隙をついて恋人繋ぎに変えた。
その様子を見てワンピースを着た少女とアロハシャツの男は満足そうに笑って先に歩くことにした。
さあ、楽しいダブルデートの始まりである。
STORY END.