【騒音家族】
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♂2︰♀2︰不問1
神経質な母 ♀ セリフ数:5
不機嫌な父 ♂ セリフ数:4
笑い上戸の弟 ♂ セリフ数:4
気弱な姉 ♀ セリフ数:6
ナレーション 不問 セリフ数:7
[あらすじ]《5分程度》
バン、と騒々しい音がした。原因は姉の言動が気に入らないと騒ぐ母親だった。そんな母親に父親は不機嫌を露わにし、学校から帰宅した弟はそんな家族を見て――?
【神経質な母】
ちょっと! どうなってるのよ! 私には出来ないって言うの!?
【気弱な姉】
そ、そんな事言ってないわ。
でもでも・・・でもね、あの、母さん・・・
【ナレーション】
神経質な母親はヒステリックに叫び立てて、まな板の上へ包丁を叩きつけた。
怯えたように声を零す姉は、目を泳がせながらどうにか母親を落ち着かせようと喋ろうとするが、それを遮るように父親が声を荒らげる。
【不機嫌な父】
全く五月蝿いな。 こっちは仕事で疲れてるんだ・・・。 おい、母さんを黙らせろ。
【神経質な母】
何よ! 私が五月蝿いって!?
そんなの貴方が毎日毎日草臥れて帰ってくるから勝手にそう思ってるだけじゃない!
【ナレーション】
正に阿鼻叫喚。
収拾のつかなくなったキッチンを、学校から帰宅した弟が覗いた。それを見て姉は更に混沌な事になってしまう、と頭を抱えたくなった。
【笑い上戸の弟】
あっははは!! まぁた喧嘩してんの! ホント飽きないな! ずっと怒ってて疲れねえのかよっ、あははっ!
【神経質な母】
ちょっと静かにしなさいよ! 帰ってきて手も洗わないなんて。こんな子に育てた覚え無いわよ!
【不機嫌な父】
五月蝿いのはお前だろう。全く、こんな女だと知っていたら結婚なんてしなかったぞ。
【気弱な姉】
か、母さんも父さんも落ち着いて・・・?
キッチンで暴れると危ないから・・・。
ほら、アンタも早く手を洗って汚れたジャージとか洗濯カゴに入れてきて・・・。
【ナレーション】
姉はどうにか事態を収拾させようと、母親と父親をキッチンから追い出す。懲りずにリビングでも言い争いをしているが、とりあえず放置をして弟に目を遣る。
【笑い上戸の弟】
ははっ! 何か二人を捌くの上手くなってない!? ぐふ、ふふ・・・!
【気弱な姉】
もう! そんな事言ってないで早く洗濯物出してきて・・・。あと手を洗ったらサラダ作るの手伝ってね・・・。
【笑い上戸の弟】
あっははは! じゃあ俺が洗濯物出して手洗いしてる間に『アレ』、止めなよ?
【ナレーション】
弟はリビングで言い争う両親を指差して部屋を出ていった。
姉は溜息を吐いて両親を見遣った。
【不機嫌な父】
だからお前は人の話を聞けと言っているんだ。こっちは仕事終わらせて帰ってきたと思ったら、飯も風呂も用意出来てなくて呆れたぞ。
【気弱な姉】
あの、と、父さん・・・。
【神経質な母】
何よ、もう! こっちだって忙しいのよ! 家に籠ってゴロゴロしているわけじゃないんだから!
【気弱な姉】
か、母さんも・・・落ち着いて・・・?
【ナレーション】
姉は不安になりながらも、父親と母親の間に入ってどうにか声を零す。
それでも止まらない言い争いに姉の目に涙が浮かんだ。
【気弱な姉】
(出来るだけ大きな声で)
もう・・・もう、やめてよぉお・・・!!
【神経質な母】
・・・・・・!?
【不機嫌な父】
お、おい・・・!?
【ナレーション】
ついに泣き出してしまった姉は座り込む。二人が慌てて慰めるも、それを無視してわんわんと泣いて叫ぶ姉に手洗いから帰ってきた弟がニヤニヤとした唇を隠さずに家族に近付いた。
【笑い上戸の弟】
あっははは! まぁた泣いてやがんのぉ~!
(少し真剣に)
・・・ったく仕方ねえなぁ。
姉ちゃん落ち着かせてくるから飯と風呂の準備、しといてな~?
【ナレーション】
そう言ってぐずぐずに泣き溺れている姉を抱き上げて弟は部屋を出ていく。
取り残された両親は、少し気まずそうに顔を逸らしたのだった。
STORY END.