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♂2:♀2:不問1
苛立っている男子生徒 ♂ セリフ数:4
冷静沈着な男子生徒 ♂ セリフ数:4
怯えている女子生徒 ♀ セリフ数:4
化粧をする女子生徒 ♀ セリフ数:4
ナレーション 不問 セリフ数:5
[あらすじ]《5分程度》
カーテンの閉められた薄暗い室内で。集められた四人の生徒は皆一様に顔に出さないまでも動揺していた。これは彼等のあまりに平凡な日常が崩れ去った話である―――。
【苛立っている男子生徒】
どうなってやがる! 何でどこも連絡が来ない!
【化粧をする女子生徒】
ちょっとテーブル叩くの止してよ、化粧がずれちゃう。
【苛立っている男子生徒】
……チッ。呑気なモンだな。
おい、あちらからの連絡は。
【冷静沈着な男子生徒】
今のところ、音沙汰はありません。管制塔には予め詳細資料を送り付けておきましたが。
【怯えている女子生徒】
で、でも……どうするんですかぁ……?
このままじゃ、攻め込まれるのは目に見えてます、よね……?
【ナレーション】
カーテンの閉められた薄暗い室内。
並べ繋げられたデスクに置かれた照明が点いたり消えたりを繰り返している。
苛立った様子で貧乏揺すりをする男子生徒は集められた他の三人を見て舌打ちを零す。
一方でそんな男子生徒に呆れたような視線を送るのは分厚い資料を手にする男子生徒。冷静な物言いをしているが物事が思い通りに進まないと思ってはいるようだ。
【化粧をする女子生徒】
どうするもこうするも籠城するか逃亡するか降伏するか、じゃないの〜? あ、思ったより赤が映えちゃうわ。
【冷静沈着な男子生徒】
……。
逃亡はあまり、得策とは思えませんね。あちらから連絡が無いということは…つまり、そういう事でしょうから。
【苛立っている男子生徒】
囲まれてるって? ハッ、ビビってんのかよ。らしくねェ。
【冷静沈着な男子生徒】
仕方ありませんよ、僕は武闘派ではありませんから。いざとなったら逃げさせて頂きます。
【怯えている女子生徒】
あ、あのぉ……ちょっと提案なんですけど…。
【ナレーション】
苛立つ男子生徒の向かいに座る女子生徒がおずおずと手を挙げる。彼女は怯えながらもこれからどうするべきかを考えているようだ。
一方で先程からメイク道具をデスクに広げ、鏡と睨めっこしている女子生徒は手を挙げた彼女に目もくれない。
女子生徒にとっては今起こっている事態よりも今日のメイク乗りの方が大事なようだ。
【怯えている女子生徒】
……、相手方に『ソリエルの絵』を見せるのは……いかがでしょうか。
彼等も欲しいでしょう、 柵を解いてくれるあの絵が……。
【ナレーション】
女子生徒の言葉に他の三人は黙り込む。
『ソリエルの絵』、所以を辿るには相応しい一手。だけれどその分リスクも高い。
だからこそ化粧をする彼女も冷静な彼もこの場でその判断が出来る彼を見遣る。
【苛立っている男子生徒】
……………………無理難題っつーには、些細だな。
だが、議題に上がるような代物でもねェ。
……『どうする?』ってのはァ。
愚問に過ぎねェか?
【化粧をする女子生徒】
……よぉおし、化粧終わり〜♪
んで? 結果は決まり? 降伏? 逃亡? それとも籠城?
【ナレーション】
化粧を終えた先程と顔の違う女子生徒は考え込んでいるリーダーを見る。
口角を上げている所を見るに、この状況を楽しんでいるようだ。
【冷静沈着な男子生徒】
……、指示に悩んでいるところすいません。管制塔より連絡です。
まぁ長々と書いてありますが要約すると……
『好きにしろ』、ですか。
【化粧をする女子生徒】
うっっわぁ〜……、すっごい聞こえの良い放置じゃーん? ……ねえ、リーダー。アタシ死にたくないなぁ?
【怯えている女子生徒】
わ、私も嫌です、こんな所で死んじゃうなんて……!
『ソリエルの絵』でも『独裁者』でも構いませんけど…! 私だって…うぅ……戦えます!
【冷静沈着な男子生徒】
……、貴方の判断に委ねますよ。
【ナレーション】
三人にそう言われ見つめられた男子生徒は考え込んで閉じていた瞳を開いた。
このくだらない、しょうもない、一つの絵を巡る戦いの渦中に放り込まれた子供達の判断は―――
きっと、少なくとも。
歴史を大きく変えるのだろう―――。
STORY END.




