プレゼント
これもpixivから自分のを引っ張ってきました
よろしくお願いします
ある夏の日、僕はとある場所に訪れていた。
「今日も暑いなぁ」
この日は気温が30℃近くもあった。そりゃ暑いはずだ。
とある場所…それはお墓だった。ここには僕の大切な人が眠っていた。
「遅くなってごめんな、ちょっと支度が長引いちゃってさ」
そう言いながら僕は墓石を拭いたりお供え物をしていた。
「さて、これでいいかなっと……」
大切な人…その人は僕の彼女だった。彼女は病死だった。病が発覚して数ヶ月で亡くなったらしい。「らしい」と言っているのは僕はその時、転勤で地元を離れていた。帰って来て、久しぶりに会おうと彼女の実家に行ったらその連絡を聞いて僕はショックを受けた。
あんなに元気だった彼女がどうして急に…僕はそう思った。
「どうして連絡してくれなかったんですか…!スグに帰ってきたのに!」
僕は悲しみと同時に怒りが込み上がってきた。するとお母さんが
「ごめんね、連絡しようとしたのだけどあの子が余計な心配をかけたくないって…」
「余計な心配!?ふざけないで下さい!どうして…!」
「そういえば…」
そう言ってお母さんは戸棚からビデオらしきものを出してきた。
「これをあなたにって」
「これは、ビデオレター?」
僕はすぐに家に帰ってそのビデオをみた。そこにはやせ細った彼女の姿が映った。
『ザザ…あれもうこれ撮ってる?…コホン、やあ久しぶり。元気にしてますか?私は…見ての通りもう弱っちゃってるよ笑』
彼女はこんな姿になっても元気だった。
『これを君が見てる時は私はもうこの世からいなくなってるかな、いやぁ残念残念』
「残念残念って笑」
不覚にも思わず笑ってしまった。彼女はもういないのに…
『君は今怒っているだろうね、私の最期をみれなくて、亡くなったって連絡が来なくて…これは私なりの気遣いなんだよ?君には今仕事頑張って貰いたいし…まあ無駄な気遣いだったかな、お詫びと言ってはなんだけど君のためにプレゼントを用意したよ。楽しみにしててね?それじゃあバイバイ!…ザザ』
ここでビデオレターは終わった。するとタイミングよく宅急便が来た。
荷物を受け取ると中には彼女の手編みのマフラーが入ってた。それを取り出すと手紙がでてきた。そこには
『それがプレゼントだと思った?残念!違います!いやまあそれもプレゼントっちゃプレゼントなんだけどね、届く頃はまだ夏だから使うのはまだ先だからね。それよりほんとのプレゼントの事なんだけど夜の19時にあの川に行ってみて、そこに本当のプレゼントがあるから。あ、もちろんお母さん達も来ていいからね』
あの川…昔小さい時からの僕と彼女との秘密の場所である。一体なにがあるというのだろうか?
夜19時、言われた通り川へ向かった。もちろんお母さん達も連れていった。
指定の場所に着いたがやはり何も無かった。
「なんだよ…何も無いじゃないか」
諦めて帰ろうとしたその時お母さんが
「ねぇ、みてあれ…」
「ん?」
お母さんが涙目で言っているのでどうしたのだろうとそこをみたら…無数のホタルがいた。彼女はホタルが好きだった。いつかホタルのいる前でプロポーズでもされたいなと言っていたほどだ。
僕は無意識に涙が流れた。膝が崩れてその場に座った。
涙を拭きながらもう1度手紙をみた、よく見ると端に何か書いてあった。
『好きだよ』
そう書いてあった。僕は無数のホタルを見ながら小声で
「俺も、大好きだよ」
そう言った。するとどこかで彼女が笑っている気がした。
これからの方針ですがこちらを中心にゆっくり上げていきたいと思います