表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームの逆ハーレムが、こんなのだとか聞いてない。  作者: 浅春風花
第一章 ~幼少期~
6/9

5

 八月一日。

 今日は、私の誕生日だ。

 こっちの世界で、という意味もあるのだが、前の人生もそうだった。

 あの時は『誕生日なう。ぼっちなう』と友達にメールしていたけど、結局誰も家に来て「おめでとう」って言ってくれなかったっけ。……父さんも。

 んで、こっちに転生してきたって訳かぁ。

 かなりすごい人生だよな、うん。


 そして今。

 なぜか、兄さんが私の上に乗っかってます。

 朝起きたらこの状況って、中々怖いよ? 吃驚だよ? ホント何やってんだよって感じだ。


「おはようみこと、よく眠れた?」

「いや、なんで兄さんが乗って――」

「よく眠れた?」

「……ハイ」

 なんだろう、兄さんは魔王になるのかな?

 あの威圧はないわー、シスコンならもう少し気遣ってくれよ、可愛いからいいけど。

 いや、今は可愛いより格好いいのほうかな。小一でこの顔はずるくないですか?

 そんなことを考えているうちに、兄さんは降りてくれた。


「ねえ、今日はみことの誕生日でしょ? 一緒にプレゼント買いにいこう」

「え……でも、お金……」

「お小遣いためてあるし、みことが絶対喜ぶものにしたいから!」


 ……前言撤回、この子は可愛い。

 無言で抱きつきました。少しの照れも見せず、優しく抱きしめてくれる兄さんはとても格好良かったです。もうこのまま頭撫でようかな、そうしよう。

 頭に手を伸ばしたところで、私は正気に戻った。


「みこと、今日は甘えん坊さんだね。いつもこんなだったらもっといいのに」

「それは出来ない相談かな。着替えるからちょっと待ってね」

 床に正座してる兄さんを追っ払って着替える。

 今日は水色のワンピースだ。前世では生足なんざさらしたくも無かったけど。

 ドアの前にいる兄さんに声をかけ、鞄を持っていざ出発!


「「行ってきまーすっ!」」

 誘拐の心配とかないのか、って言うツッコミは置いといて。

 我が天使兄さんと買い物に出かけた。


 *


「わぁぁ……いいの?」

「うん! お金足りるし!」

 私が選んだのは、きれいな髪留めだ。

 店を出て早速つけてみると、兄さんが「可愛い」といってくれた。なんか嬉しいな。

 ……あれ、私もブラコン化してきてる?


「こつこつお手伝いして貯めたお金、他の事に使わなくてよかったぁ」

「え、お小遣いって月何円とじゃないの?」

「ううん、洗濯物たたみとかしてお金もらうよ」

 皆さん聞きました? この言葉!

 そこそこ金持ちだから、お小遣いもいっぱいあげてるんだと思ってたけど……

 うちの家はそう言うのに厳しいのね、知らなかった。


「ありがとう! 大事にするね!」

「えへへ、喜んでくれてよかった!」

 帰りは、手をつないで歩いた。


 そういえば、誕生日かぁ……

「元気にしてるかな、あいつ」

「どうしたの?」

「ううん! なんでもない!」


 そうだよ、今は今だ。

 今笑ってて、これ以上に無いくらい幸せで。

 それでいいじゃないか。


「よーし、家まで競走だ!」

「うん!」


 今楽しければ、それでいい。

 シリアスな雰囲気とか似合わないしね!

 暗い気持ちをかき消すように、笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ