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乙女ゲームの逆ハーレムが、こんなのだとか聞いてない。  作者: 浅春風花
第一章 ~幼少期~
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2

「にーさん、年中さんになったの!」

「そっか、おれも小学生になった!」


 ――――春。

 私は幼稚園の年長、兄は小学校一年生になった。

 通算すると二十一年か……あれ、向こう(現実)の世界で私、死んだことになってんのかな?

 まあ、その話は置いといて。やはり、何度経験しても、進級するのは嬉しい。……私が子どもっぽい訳じゃないし。絶対そうだ。

 なんにしても、それにはしゃぐ子どもは少なくない。


「みことー!ママが一緒のクラスって言ってた!」

「ホント!?よろしくね!」

「でも『みなづき』と『あがさき』だから席遠い……」

「す、すぐ席替えするよ!」


 私の言葉に、一瞬で顔を明るくさせる哉斗。無言で抱きついてやったぜ、小さい子の特権バンザイ!顔を赤くした哉斗も可愛い。そういうシュミの人に連れてかれるぞ。

 そういえば、今七時半だよね?なんで哉斗がここにいんの。てか奏也兄さんの殺気がやばい。あっ、これは私の所為か。


 急いで哉斗から離れ、兄さんの方へ駆け寄る。……シスコンじゃなければ普通に好きなのに。


「そうやにーさん、一年生おめでとー!」

「ははっ、ありがとう」

 なんということでしょう!あんなに殺気だっていた兄さんが、一瞬でデレデレです!

 つか一年生おめでとうってなんだ。子どもだし、ちょっとおかしいのは目を瞑ってもらおう。

 あ、そうそう。さっきの疑問を、兄さんに問う。


「ねーにーさん、かなとはどーしてここにいるの?」

「ん?それはなぁ、哉斗(コイツ)が朝早くに家に押しかけてきたからだよ」

「そ、そっかー」


 な、なんということでしょう!あんなにほのぼのとしていた兄さんが、一瞬で凄い殺気を放っております!

 ……うん、兄さんに『哉斗』は禁句だ。

 自分では気づかないのだろうか、はたまたわざとなのだろうか。……前者であってほしいな。


 そんなとき、お母さんがやって来た。


「あらいらっしゃい、哉斗くん。そうそう!美琴に奏也、ビッグニュースよ!」

「なになに!?」

 さすが子ども、食いつきが早い。

 あ、今は私も子どもか。じゃあ一応、気になってるフリでもしとこう。


「あのね。……実は、赤ちゃん出来ました!」

「へー……ええぇっ!」

「お、おとーと?いもーと?」

「まだわからないの。でも、どっちでも優しくしてあげてね」


 ちょっと待て、阿ヶ崎家に新たな兄弟?

 あのゲームでは、奏也兄さんは一人っ子。なので、攻略に失敗すると妹的立ち位置で終わるらしい(友人談)。あ、そう考えると、ちょっと間違えても攻略できた私、すごくない?

 おっと話がそれた。この世界でのイレギュラー(モブはわかんないけど)は私だけじゃないのか?

 ……よし、一回状況を整理しよう。

『私転生』→『奏也くんの妹とわかる』→『哉斗くんが家隣と発覚』→『幼稚園に入る』→『年中になる』→『兄弟できる』ね、はいはいわかった。

 ……って、はぁぁ!?分かるか!


 呆然としていると、兄さんに「大丈夫、俺はみことが一番だよ」という意味不明なことを言われた。うざい。

 未だ理解できない現状。この先やっていけるかな、って言う思いとは裏腹に、自分より下の子が出来て嬉しい、と感じる。


「名前は?決まった?」

「男の子なら月也(つきや)、女の子なら美月(みつき)よ」


 月也に美月。どちらにせよ、可愛がるのには変わりない。

 まだ見ぬ兄弟を思い浮かべ、はしゃいでしまう。

 ……兄さんみたいなシスコンにならないように注意しよう。


 私は知らない。

 生まれてくる子が、兄さんよりもアレ(・・)な存在になることなんて。


小さい子達の呼ぶ名がひらがななのは仕様です。

美琴は心は大人なので心中のみ漢字表記にしました。


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