表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームの逆ハーレムが、こんなのだとか聞いてない。  作者: 浅春風花
第一章 ~幼少期~
1/9

プロローグ

 カチカチ、カチカチ。

 暗い部屋の中で、ゲーム機の操作音が響く。


「……おし、哉斗(かなと)くん攻略できた」


 心の中でガッツポーズをし、最後の攻略対象のストーリーをしようとしたその瞬間、パラパラと説明書が捲れた。


「あれ……このゲーム、全員攻略したら何かあるんだ……」


 ご褒美があったりすると、俄然やる気になる。

 私は、最後の攻略対象である奏也(そうや)くんをものすごいスピードで終わらせた。

 ……いくつか選択を間違えたが、問題ない。


「なになに?『ストーリーを選択してください』?」


 画面を見ると、色々なストーリーが表示されていた。

 愛され系が好きな私は、もちろん逆ハーレムを選択。

 すると、『名前を入力してください』という文字が、ゲーム画面に浮かんだ。


「えーっと、美琴(みこと)、っと」


 この時私は、大きなミスをしていた。

 裏ストーリーの説明に、こう書いてある事に気づいていなかったのだ。


『この裏ストーリーは、たまにこちら側(・・・・)の人間をゲーム内に引き込みます。未だその例は報告されていませんが、貴女様の身に何かございましても、当社は一切責任を負いません』


 いや、気づいていても、冗談だと思ってしていただろうが、そこはスルーだ。そして、私の人生は、大きく変わることとなる――……


 *


「オンギャー!オンギャー!」

「はいはい、美琴ちゃん、ママでちゅよー」


 あれ、何だこれ。

 高校生相手に何赤ちゃん言葉使ってんの、と思った。


「ふふ、目は私に似てるわぁ」

「口は俺に似てるなぁ!」


 いや、あんたらの子になった記憶は無いんだけども。

そう言おうと声を出したら、また赤ちゃんの泣き声が聞こえた。


「はいはいよちよち。可愛いでちゅねー」

「う?」


 は?と発音したつもりが、赤ちゃん言葉に変換されてしまう。

 私を抱いている美人な奥さんは、白い服を着ていた。最後に見たのは、ピカッと光るゲーム画面。


 ……あれ、これって。


「うぇぇぇ!?」

「あらあら、元気ねぇ」


 もしかして、転生しちゃった感じですか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ