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BadApple  作者: 半霊
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the beginning of the end

            <終わりの始まり>

           ~beging of the end ~


      青い空・舞い散る桜・生徒の姿

  こんな言葉を並べれば楽しい青春学園ストーリーの一つでも思い浮かべるだ

  ろう。  


  「まぁ、俺にはそんなの無縁だけどな・・・」

  そんなことを考えながら俺、"黒野 明"はいつもの登校路を歩いていた。

  4月になり、中学三年に進級。新しく新入生も入って早くも一か月。

  桜の花も散り散りと落ちて、学校も平穏へと戻っていた。


  ・・・とは言っても俺はいつもどおりだったけどな。

  特別仲のいい友人がいるわけでもなく、部活にも入っていない

  ただ、登下校を繰り返すだけの単純な日々を過ごしている。


  うん、やっぱり青春学園ストーリーなどできそうにないな。

  はぁ・・・

  「って、俺は誰に言っているんだ?」

  とまぁ、意味もなく独り言をいっていると

  「センパイ・・・」

  後ろから俺を呼んだであろう声が聞こえた。

  振り返ってみると頭一つ分下のところに特徴的なエメラルドグリーン色の

  髪をした美少女がいた。

  「あの・・・ おはようございます。」

  そう言って頭を下げているのこいつは、"柊 雪美"

  今年、入学してきた新入生。入学早々、いじめグループに目を付けられからまれていたところをたまたま通りすがりの通行人Aをしていた俺が助けに入った。

  以来、俺によく話しかけてくるようになった。

  ちなみに、美少女といったがこいつは「男」だ。 

  いわゆる、美少年だ。

  だが、いつみても美少女にしかみえない。

  男子なのにとても小柄な体格や整った顔、小動物みたいな行動はどこから見ても・・・ な?

  まぁ、男子の制服をきているし、本人も男といっているのだから男に間違いないだろう。

  実際に確かめたわけではないが、というか確かめようとしたらなんかやばいことになりそうだしな。 俺って大人だな。

  「おはよう 今日も相変わらずの美少女だな。」

  「セ、センパイ!?  ぼ、ぼくは男の子ですよ!?」

  「じゃあ、美少女じゃなくて美少年だな。」

  「・・・・絶対 わざとですよね・・・?」

    ・・・涙目で言わないでくれ。 身長的に上目づかいになるんだが、またこれが美少女なんだよな・・・ 

  やばい、周りの目が痛い・・・ というか、一部の女子の目がちょっとおかしいな・・・ いや、俺にそんな趣味はない!!

  「セ、センパイ・・・ ちょっと顔がこわいです・・・」

  「えっ!? あ、すまん。 なんでもない!!」

  「えっ・・・ あ、まってください!!」


   俺たちふたりは下駄箱まで歩き、そこで靴を履きかえた。

  雪美は一階 俺は三階に教室があり、そこで別れて俺は階段を上った。

  階段を上っていると朝練をしている生徒たちの声が聞こえてくる。朝から元気なことだ。

  三階に上がると目の前に自分の教室がある。ドアを開け、特にあいさつもせずに自分の席に向かう。途中、多少の交流のある同級生に挨拶をされる。

  俺の席は窓側の一番後ろ。人に話しかけらることも少なくとても幸運だな。

  ・・・だが、隣があいつじゃなければだが

    

  「おはよう!!!」

  来た。 教室に入ってくるや全員に挨拶したのは、クラスメイトの"桜野美樹"

  容姿端麗で成績優秀、おまけに運動もそこそこできるとなれば男子だけじゃなく女子にも人気がある。 どっかの漫画のヒロインみたいな奴だな。

  「おはよう! 黒野君♪」

  「・・・おはよう」

  となりに来るや俺に挨拶してくる。入学当初からなんか俺に愛想を振りまいてきて、そのせいか一部の男子から目の敵のされる始末・・・ 勘弁してほしい・・・

  「おはようございます 姫」

  また、こいつか・・・ いつのまにかあらわれたこいつは"小鳥遊 唯" 一つ下の学年で忍者みたいに突然現れてくる。

  桜野には入学当初、迷子になっているところを助けてもらったらしくそれ以来、「姫」と呼びついてくるようになったらしい。 誰かさんと似てるな。

  てか、迷子って小学生かよ。実際、身長は150もないみたいで体系も幼児体型だ。

  「おい、そこの根暗。こっちをみるな。 姫が穢れる。」

  穢れるって・・・ なぜだか知らないが俺に対してのはひどい扱いをしてくる。特に、何もしていないのだが・・・

  「いや、桜野じゃなくお前を見ていたんだが・・・」

  「わたしを? どうせ、チビとか思っていたんだろ」

  「御名答だよ。 おチビさん」

  「私はチビじゃない!! ただ、成長が遅いだけだもん!!」

  「いや、それ自分でチビっていってるんじゃん」

  「だから、ちがう!!!」

  「まぁまぁ、二人とも仲がいいのはいいけどちょっと落ち着こう?」

  「「仲良くなんかない!!」」

  「あはは・・・ と、とりあえずおちつこう?? ねっ?」

   とまぁ、ここまでが俺のクラスでの朝に行事になっている。  クラスメイトたちは「またやってる」みたいな感じである

  こっちとしても朝から無駄なエネルギーを使いたくはないんだけどな・・・

   その後、小鳥遊は自分の教室に戻っていった。教室を出るときに「チビじゃないもん・・・」と涙目で言われた時はさすがに罪悪感を感じた。

  桜野に「黒野君やりすぎ」と言われさすがに、「すまない」と思い、 あとで謝りに行くことにした。

     

   担任の教師が入ってきてHRが始まった。

  全員の出席を確認した後、今日の連絡事項を話し出す。特に興味はなかったので窓の外を眺めていた。 

  今思えばこれが『最後の日常』だったのかもしれない。

    

   一時間目が始まる。授業は日本史

  これまた、興味のない内容だったのでまた窓の外を眺めてた。

  毎日毎日、学校に来て、授業を受ける(基本的にきいてはない)代わり映えしない日々 正直、飽きていた。

  こうも退屈な日々を過ごすと人間だめになりそうな気がする。

  「はぁ~~~・・・ 暇だな なんか面白いことでも起きないかな」

  と、フラグを建築していた時

  「なにあれ・・・?」

  「んっ?」

  隣をみると桜野が不思議そうな目で外を見ていた。

  「あそこ、なにかみえない?」

  桜野が指さす方をみてみる。そこには、さっきまでみていた。  光景が広がって・・・


  「なにか、見える・・・」

  空になにかが見える。意識して見ないと見えない程度になにかがいた。

  ・・・と、次の瞬間

  「うわっ!?」

  急に空に火花が散った。 と思ったときさっきまでなにもいなかった空に何かが現れた。その何かは空に浮いてはいるが飛行機のようなけいじょうはしていない。

  どことなくUFOと呼ばれるものに似ている。そのなにかは、ゆっくりとこちらに進んできた。

  俺の声で気づいた同級生たちが窓の外を見だした。

  「なんだあれ?」「すげぇ!!」「なんかのイベント?」

    

  ・・・何だろう。 すごく嫌な感じがする。

    

  ピーンポーンパーンポーン


  急にチャイムが鳴った。

  教師からだろうか、今すぐ避難しろとで…  

  「あーあー、きこえますかー?」

  だが、チャイムのあとに聞こえたのは教師の声ではなく、幼い女の子の声だった。

  「きこえてます? みなさん、ご機嫌よう♪」

  女の子は第一声でそう告げた。 

  えっ、だれ?? 

  「わたくしは、エネグロ・リーチヤ。さっそくですが、皆さんには死んでもらいます♪」

  ・・・は? 

  今なんて言った? 死んでもらう・・・だと?

  「あ、失礼しました。 いきなり死んでもらうんなんて失礼ですわね。」

  なんだこいつ・・・ 急に死んでくれって頭おかしいのか?

  「わたくしは、悪魔のお茶会<devil the tea party>のリーダーをしています。わたくしたちの目的は一つ。この世界の征服です。」

  「そのために、この土地に拠点を置くことにしました。ですので皆さんが邪魔なんです。だから・・・・  

   死んでください。」

   パリーン。

   少女の声が合図だったのか窓から何かが入ってきた。窓の近くにいた奴はそいつらに蹴飛ばされ、倒れていた。俺もその中の一人だ。

   「いてぇ・・・」

   「だ、大丈夫!?」

   倒れた俺は、目の前に立つ俺は蹴飛ばした奴を見上げた。

   俺の目の前にいる奴は体中を金属質のもので武装していてどことなく人間身を感じなかった。

   そいつらの手には銃が握られている。

    

   うわ~~・・・ これって、本物なのかな?

   人間は危険な状況に陥ると案外冷静になるもんだな・・・・ って、ちがう!?

   この状況はなんだよ。 てか、このままじゃ殺される!!

   早く逃げたいのだが、目の前にいる奴の威圧のせいか体が動かなかった。

   近くにいる桜野は体が震えていて、ずっと俺の腕を握っている。

   この状況をどうしようか考えているとさっきの少女の声が話出した。

   「私、悪魔ではありませんので皆さんにチャンスを与えます。 今から10秒待ちますのでその間に逃げてくださいね♪」

     10秒・・・・

   俺のいるのは校舎の3階。逃げ出そうにも10秒じゃ足りない・・・

   「ふざけんじゃねぇ!!!」

   急にクラスメイトの一人が叫びだした。

   「何がチャンスだ!!! ふざけてんじゃねぇぞ!!!」

   そいつは、目の前にいた金属質のやつに掴み掛った。

   だが、金属質のやつはビクともしない。そして・・・

   「うわっ!?」

   掴み掛っていたクラスメイトが掴みあげられ、窓の外に投げ飛ばされていた。

   その男子生徒はなんとか窓枠をつかんだようで、無事のようだ。

   「ふざけんじゃねぇ!!! 死んじまうだろうが!!!」

   窓から教室に入りながら男子生徒は叫ぶ・・・・

    バババババババッ!!!!

   銃声が響いた。そして、男子生徒は・・・・・

   「グハッ・・・」

   体中を撃たれ、そのまま窓の外へ落ちていった。

    グチャッ!

   男子生徒が見えなくなり数秒、外からなにかがつぶれた音が・・・・・

   「抵抗しようとするとああなりますので、注意してください?」

   うそだろ・・・・ あまりの光景に俺ふくめほかの生徒たちも唖然としている。

   中には、泣き出した奴もいる。

   「それではいきますね。 10・・・・」

   そして、カウントダウンが始めった。

   それまで、茫然としていたクラスメイト達は一斉に逃げ出し始めた。

   「・・・9」

   カウントダウンが進む中俺は動けずにいた。

   10で逃げ切れるはずがない。きっと、あの男子生徒みたいに死ぬんだ。 そう思っていた。

   「・・・8」

   どうやら、桜野も逃げ切れずにいるのかその場にいた。

   体は震え、近くにいる俺にとても伝わってきていた。

   こいつも、このまま死ぬなのかな・・・ いや、ただ逃げ切れなくなっているだけだろう。

   というか、こいつの泣き顔初めてみたな いつも笑っているだけあってその顔はとても悲しく思えた。

   そういや、入学当初から何かと近くにいたんだよな。 桜野は、はじめてあったときから俺にかまってくれてた。

   いくら、俺が冷たい態度を取ろうともいつも笑顔で話しかけてくれた。 

   あぁ・・・、こいつの笑顔を見ることはもうないんだな・・・

   そう思うと、目頭があつくなった。 いやいや、こんなところで泣いてる場合か・・・・

   ここで最後なんて、絶対に・・・・

   「・・・7」

   俺は、床を蹴った。

   桜野の手を握りここから逃げ出そうとした。

   「く、黒野君!?」

   桜野は驚いていた。正直、俺自身も驚いていた。

   「・・・6」

   さて、飛び出したのはいいがどうしたものか・・・

   「・・・5」

   時間がないとにかく逃げる方法を探さないと・・・

   「・・・4」

   ・・・ここでひとつの方法が浮かんだ。

   俺の学校は丘の上に建っていて東側には町を見渡せるようになっている。

   そしてそこには、林が広がっている。 そこに落ちれば助かるかもしれない・・・

   「・・・3」

   だけど、ここは3階。間違えれば落下の衝撃で死ぬかもしれない・・・

   「姫!!」

   不意に声がし、振り返ると小鳥遊がいた。

   「ハァ…はァ…」

   息遣いからして、急いでここまで上ってきたのだろう。

   小鳥遊の教室は俺らの教室とは反対方向の一階にあり、そこからここに来たということは桜野が心配だったからだろう。

   誰かさんも、見習ってほしい。

   「姫・・・ 大丈夫・・・ですか・・・?」

   「ゆ、唯ちゃん! 大丈夫!?」

   「・・・2」

   やばい、時間が!!!

   「チビ! ついてこい!!!」

   俺は、桜野の手をつかみ走り出した。

   「チビいうな!!!」

   小鳥遊も叫びながらも、ついてきてくれた。

   ・・・てか、小さいくせに俺より足早いんだな。もう目の前走っているよ。 ちょっとお兄さんショック。

   場所も近かったおかげかすぐに目的の窓側が見えた。

   ここで俺は、桜野を抱きかかえた。「えっ!?」と桜野は顔を赤らめていた。

   「チビ・・・ 小鳥遊!!!」

   「えっ!?」

   俺は、前を走っていた小鳥遊も桜野と一緒に胸に抱き寄せた。

   「ちょっ・・・ 変態!!!」

   知ってる。 けど窓に突っ込んだとき怪我させないようにしないと。

   「ちょっと、我慢しててくれよ。」

    そういうと小鳥遊は黙り込んだ。 顔が赤らんでいるのは気のせいだとしよう。

   「・・・1」

    残り1秒 俺は、二人と一緒に窓に飛び込んだ。


    パリーン!!!

    バババババババ!!!!


    俺らが窓に飛び込んだ瞬間。校舎から銃声が鳴り響いた。

    だが、振り返る余裕もなく俺らは林のなかに落ちっていった。

    バサッ! ガサガサ! バキッ!

    木々を下りながら落ちていく、そして木々の当たる感触がなくなった・・・

    助かった。そう思い目を開けると目の前に地面が・・・


    ドスッ!!! ゴキっ!!!

    

    その音を最後に俺の意識は消えた。


    to be continued

    

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