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幕間 三位一体の崩壊(トリニタス・エンド)
――検討を。
――検討を。
――検討を……。
【神】を制御する参賢者【マギ・トリニタス】が、事態の推移にそう結論を下した瞬間、誰もいないはずのその場に声が響いた。
『――いいえ、検討の必要など、ないわ』
それは玉響の声。
過不足のない自信に彩られた、王者の声であった。
『拒絶の火(DE‐FLAME)――白色火薬』
そうして、三つのシステムが誰何や一ビットの思考を行う猶予もなく、純白の暗黒は、一瞬にしてすべてを蒸発させ――拒絶する。
降臨したのは真紅の【魔王】。
全てを破壊し、【魔王】は凶悪に微笑む。
「さぁ、賢者は死に絶えた。次は――【神】そのものを堕とそう」
織守朔夜は、傲岸不遜に嗤う。