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前世で裏切られたので王族との結婚は望みません  作者: gacchi(がっち)


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13.噂とお誘い

「夜会ですか?」


「そう。お詫びだって言うんだけど、多分、それだけじゃない。

 噂の聖女と騎士を見てみたいのだろう。

 と言っても、子爵令嬢と騎士爵では謁見するような立場じゃない。

 遠くから見られるくらいで終わりだと思う」


噂が広まっているのは、女生徒から聞いて知っていた。


「聖女と騎士」という小説が流行っているそうで、

その聖女に私が似ているらしい。


ユリアスが護衛騎士としてずっとそばにいることもあって、

噂は本当だと思われているようだった。


だが、まさかそのために夜会に呼ばれることになるとは思わなかった。


「学校長、ロージーの眼鏡はそのままで良いですよね?

 まさか外せだなんて言いませんよね?」


「落ち着いて、ユリアス。眼鏡はそのままでいいよ。

 行く前に俺が認識阻害の魔術をかけるから。

 ロージーと話したことがある者はロージーだと認識できるけど、

 それ以外のものはロージーの存在を認識できないようにしておくよ。

 眼鏡だけで夜会に出すのは不安だろう?」


「認識阻害なんてしていいんですか?

 陛下たちは私を見たいのでは?」


「王族には認識阻害は効かない。

 だから遠くから見て、それで満足するだろう。

 出席して、一時間もいたら帰っていいから。

 陛下も一度呼べば満足するはずだ」


「わかりました」


認識阻害が王族に効かないなんて初めて知った。

もしかしたら口外してはいけないことなのかもしれない。


研究室に戻っても、さっき学校長が話していたことが頭から消えなかった。


一度見たらそれで満足するだろうって、なんなのかしら。

私は見世物か何かだろうか。


学園長が認識阻害の魔術をかけてくれても、それで身の安全が保障されるわけではない。

行きたくないと思ってしまうのは仕方ないだろう。


夜会か……しばらく出てないな。

デビューで一度出たきり。


王妃様主催のお茶会にも一度行ったことはあるけれど、

学園も卒業しているから行くことも無いだろうし。

王宮に行くのはこれが最後かもしれない。


そんな風にいろいろと考えて、何とか前向きになろうとしていると、

すっと目の前にお茶が出された。


いつの間にかユリアスがお茶を淹れてくれていた。


「眉間にしわよってる。変な顔してるよ」


「そんなに変な顔してた?いろいろ考えたら、前向きになるのが難しくて。

 ごめんね、お茶ありがとう」


「俺がずっと一緒にいるから。大丈夫だから心配するな。

 夜会で賊に囲まれたとしても、ロージーを守って逃げ切れる自信があるから」


「……そっか。一人じゃなかったわね。

 ユリアスが守ってくれるなら安心だわ」


「ああ、まかせておけ」


ユリアスが守ってくれると思ったら、

心配していた気持ちや、不安がすっと抜けていくのを感じだ。


一人じゃないって、こんなにも楽になれるんだ。


受け取ったお茶を飲むと、ミルクティーにたっぷりの蜂蜜が入っていた。

こっくりと甘いお茶に癒されて、さきまでの憂鬱さは消えていった。











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