クリームソーダ漂流記 the FINAL
何もかも無くなってキレイサッパリなれど、思いは募るばかりなり。
1年越しの漂流にケリをつけるべく、件のお店···そう、忘れもしない3月11日の…って「2025」も何もかも残ってないっての。
とにかく!因縁の天神から南下した住宅街に向かう。今日ここに晴れて漂流卒業の日を迎える。
迎える……
!?
……おいコラ。
確かお店のお昼の部は15:30だったよね?
オーダーストップが15:00ならそう言ってくれよ!あと2分!あと2分でご対面出来たのに!
中にはまだお客様が。無理言えば入れてくれるのでは?と思うけど、ちょっと言い辛い。
まさかクリームソーダで「三顧の礼」を取らねばならぬ事になるとは………!
世の中ままならぬことが常なれど、ここまでままならないものですかねえ漂流神サマよ!
こちとら今日はヨーメ・チャーンが旅行行っていないから早く帰ってハンバーグ(刻み大葉入り。ウマイぞ!)作らないといけないんだよ!
☆★☆
結局出直し。
天神まで三顧の礼するのはすごく手間。
けどもう今さら引けない。
今日ここでケリをつけさせて貰うぞ!
入店OK!
メニュー確認!
オーダーOK!
あとは作る過程で沈没しないかどうか!
頼みます!
ヨシ来たぁ!
余計なものなし!
ホイップクリームさえないこの潔さ!
ついでにストローも赤だ!
これ以上カンペキな仕上がりは無い!
ついに試練を乗り越えましたよ漂流神!
……でも。
やっぱり理想は、あの広島のレストランで飲んだクリームソーダ。あのお店の雰囲気の中、家族と話しながら飲んだ記憶には、遠く及ばない。残念ながら、もうあのレストランはネットですら見られないのだ。
いつか、子どもや孫とその様な機会が来るのなら、一緒に飲んで新たな理想のクリームソーダを共有したい。
その時は、コソッとこの事を……「クリームソーダ漂流記」の事を語ろうと思う。
きっと笑ってくれるはず。
いや、呆れられるかな?
その時が来るのを、今は楽しみにしておこう。
End
それでは皆様、これにて本当に漂流記は終了です!
1年間の御愛顧、ありがとうございました。