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4 山からの風
「あれっ いつの間にか寝てた。夢か〜。懐かしい〜」
車窓から差し込んだ夜明けの光でケントは目を覚ました。ちょうど列車は朝焼け。遠くに鉄橋が見えた。
「さわやかな景色。川沿い歩いたら気持ちいいかも!」
思い立ったらすぐ行動。ケントはリュックに持ち物を詰め込み次の駅で降りるのだった。
目の前に流れる川。山からふきわたる風。ケントは風を正面からうけ、どんどん上流に向かって歩き始めた。ナニカ(風)に逆らうようにケントはどんどん川沿いに歩いていった。
どれくらいたったろう。いつしか家は途切れ、道は土に変わっていた。まわりは木々が生い茂り、差し込む日は木漏れ日に変わっていた。
「ふふふ。探検って感じ」
小さな男の子が一人で山の中に入っていく。はた目には危なっかしいことこの上ない。けれどケントは男の子。うっそうとした山奥に進むにつれ、心はどんどん沸き立っていった。