表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/165

57 桃太郎伝説 (マップあり)


「それで明日はどこ行くの?」

『うむ。那岐山(なぎせん)断層の少し南に、畑ヶ鳴断層(はたごなる)と塩之内断層があるという話をしたじゃろ?』

「うん」

『前回は塩之内断層に行ったわけじゃが』

「河童さんのとこね」

『うむ』

「羽の生えた河童さん、可愛かったなぁ」

『う、うむ、そうじゃたの』

「またあそこ行くの?リベンジ?」

『確かにあそこには、まだ邪気が残っておるのじゃが、そこにたどり着くにはちと不便での。鉄の馬車の道からちと外れておる』

「そか、ボク、自転車お家に置いてきちゃたからね」

『そこでじゃ、もう一つの断層、畑ヶ鳴断層に巣食う邪気退治はどうじゃ?』

「はたごなる?」

『畑が鳴くと書いて、はたごなる、じゃ』

「わかった!グーグーマップで見てみるよ!」


「んー 出てこないな。普通にグーグー先生に聞いてみよ」

『ふむ』

「あ!元祖桃太郎伝説のウォーキングって、出てきた!カッコいいぞ!」


◆剣巫女 岡山県 塩之内断層・畑ケ鳴断層 マップ

挿絵(By みてみん)

 

 畑ヶ鳴(はたごなる)断層は、岡山県吉備(きび)中央町を南端とし、そこから北西に岡山県美咲(みさき)町にいたる活断層である。

 昭和三年発刊の『三保村(みほそん)誌』(玉木実氏編纂)の鬼山の由来に桃太郎の名が記されている。

「紀元一千八百年代保延の年、此の山に悪鬼現はれ 種々災害をかもした。……中略…… 當時桃太郎と異名をとつた、豪傑が此の里に住んでゐた。或日單身此の山に登り、悪鬼と格闘し迯ぐるを追ひ一劍のもとに退治た」

 後に「みさき桃太郎の会」の有志の方々により、みさき桃太郎伝説ゆかりの地(鬼山、焼寺(やけでら)、退治山、勝﨏(しょうざこ)祝詞(のっと))に案内板が設置された。

 同会有志の方々により、「元祖 美咲桃太郎伝説ウォークマップ」が作成され、一般公開されている。


 桃太郎伝説は全国各地にある。特に有名なのが、岡山県岡山市、香川県高松市、愛知県犬山市のものであり、三大桃太郎伝説と呼ばれている。

 岡山県は有力なブランディング戦略として、桃太郎伝説を推している。その甲斐あり、日本遺産(文化庁)に、『「桃太郎伝説」のうまれたち おかやま』が認定されている。岡山市の吉備津彦命(きびつひこのみこと)を祀る吉備津彦神社もその認定群の一つである。

 美咲町の桃太郎伝説は岡山市のものとは別だが、書物に記されたものとしては最も古いと主張されおり、興味深い。三保村(みほそん)は今日の美咲町にあたる。


「鬼タイプ?ってことは相手も武器持つ系?ぶっといイボイボの鉄のこん棒だよね。ボク、武器持った敵と……、大丈夫かなぁ?」


 マズい!マケヒロ根性勃発案件か!勝﨏(しょうざこ)で、「ざぁこ、ざぁこ」されてしまうのか!?ザコだけに……、太いイボイボ、口に突っ込まれて!?


『いや、あそこの本体はもう浄化されておる。本体討伐の闘いが、伝説としてのこったのやもしれぬ』

「ふうん」

『地名に祝詞という名前も残されておるしの。もっとも読み方は違うようじゃが』

「なるほど?」

『闘い敗れた残存連中、ある程度は地脈の力を喰らい、回復しておろうがの。それでも今残っておる奴らに、剣奈が負けるとは思うておらぬよ』

「むふふふふ」

『じゃが油断は禁物じゃぞ!』

「はい!師匠っ!」


 どうやら今回はマケヒロにならなくて済みそうである。いや、フラグか!?まさか!?


『ではゆっくり眠るが良い』

「明日万全でのぞみたいから、コンディション整えとくね!来たれ、オートヒーーールッ!ん♡」

 剣気を取り込み、身体中に薄く行き渡らせる剣奈である。体がほのかに光につつまれ、安らぎに意識が遠のいていくのだった。

 剣奈は心地よい気分で眠りについた。女の子の身体のままであることに、剣奈は全く気づいていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ