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2 小学校1年生の冒険(1) 無謀な挑戦
小学校1年生になったケントは自転車に乗れるようになった。そうすると行動範囲がぐんと広がった。
別の言い方をすると迷惑の範囲が広がってしまった。
ある日、4駅も先のスーパーに買い物に行った母を追いかけ自転車で出発。あの大きなスーパーに行けばお母さんに会える。そして驚きながらもきっと褒めてくれるぞ。
「よくここまで来れたね。すごいね。えらいね」
「えへへ」
脳内でそんな情景を思い浮かべながらひたすらペダルを漕ぐ。
電車を乗り継いで4駅分。
結構な距離をケントはひたすらペダルを漕いだ。
川をいくつも越え方角だけを頼りに自転車を走らせる。
何時間たったろう。
ケントはようやくスーパーに到着したのだった。