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23 念話とコミュ障認定


「あれ?ここは?」


剣人は大きな楠木の前にいた。


「異世界と現実世界の場所が同じってこういうことなんだ。あれ?でも街とか家とかビルとかってどうなってるんだろ?」


『それはじゃな』


「うわっ!ク、クニちゃん!普通にこっちで喋れるんだ!」


『ワシとおぬしの魂は繋がっておるのでな』


「あれ?男子のときは「キサマ」とかじゃなかったっけ?」


『案外細かいことを覚えているのじゃな。おぬしと貴様、剣奈に剣人、ワシもこんがらがっての。こっちで剣奈呼びはいやなんじゃろ?じゃからおぬしと呼ぼうかとな』


「うーん、なんでも呼びやすいのでいいよ。剣奈でもいいよ?」


『良いのか?』


「さんざん呼ばれたから、慣れちゃった」


『そうか。ならどっちでも「剣奈」か「おぬし」で』


「うん」


『ところで老婆心じゃがな』


「ろうばしん?」


『あー。つまりじゃ。ワシから正義のヒーローへの助言じゃ』


「わかった。正義の妖精からのアドバイスだね?」


『正義の妖精?それはなんじゃ?』


「変身ヒーローものにはね、正義の妖精がセットなんだ。お母さんとよく見ているアニメでも、物語の始まりは正義の妖精がヒーローをスカウトに来るの。お母さんと見てるのは、女の子がスカウトされる場合が多いけど、男の子が女の子みたいに変身して闘うパターンもあるんだ。男の子魔法戦士は見た目女の子と変わんないからね。まあボクもそんな感じかなーって」


『なるほどのう。やけに受け入れが早いとおもったら、そんな背景があったじゃな』


「うん。それで、アドバイスって?」


『アドバイスとな?アドバイスとは弟子になにかを教えることであっておるか?』


「うん。まあ、そんな感じ」


『ならワシから剣奈にアドバイスじゃ。ここは誰もおらんからよいがの、民草がおる場所でこうやって会話すると、剣奈が一人で喋ってる風に周りから見えるでな。その、なんだ。剣奈がおかしな奴と周りから白い目で見られたり、子供から石を投げられたりとかの、、』


「えっ?クニちゃんの声はみんなには聞こえないの?」


『ワシは剣奈の心に話しておるからの。音として声に出すのは剣気を使わねばならん。剣気の無駄遣いじゃし、他人に聞かせる話でもないゆえな』


「えーまじ!?ボク、完全におかしなやつじゃん!独り言を言い続ける奴がそばにいたらボクだってキモいよ」


『そうじゃな。周りからはそう見えるな』


「どうしよう。小声で話してもクニちゃん聞こえる?」


『いや別に声に出さんでも、ワシに念話で話してもらえれば、会話はできるぞ?』


「ねんわ?」


『言葉でなく、心で言葉を送るのじゃ』


「えーっと、じゃあ」


『聞こえる?』


『うむ。聞こえておる。剣奈は聡いのぉ。何でもすぐできる』


『えへへ。すごいっしょ』


剣人は念話を覚えた。これで周りから独り言を言い続ける、おかしな奴扱いされなくて済むだろう。


しかし剣人は注意が必要である。念話に集中ばかりしていると、人の話を聞かない黙りこくったやつである。それはそれでコミュ障認定されかねない!


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