表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/155

9 約定


『さて小僧何がしたい?』


「もとの道に戻れなくて困ってる。このままじゃ、、そ、そうだ!スマホ!」


リュックからスマホを取り出して、警察に電話しようとするケント。けれど電波の旗は1本も立ていなかった。


「電波来てないかー、、通話は、、ダメだ電話できない。このままじゃあここから出られないよ。ダムから飛び降りようにも、ずいぶん高いし、、」


正直この状況でケントは詰んでいた。数日後には、連絡が途絶えたことを心配したケントの親は、警察に捜索願を出すだろう。目撃情報からこの辺りも捜索されるだろう。


川である。水はある。人は、水さえあれば数週間からひと月は、生をつなげられるという。


しかし街で生まれ育ったケントに、山の中で一人で生き抜くサバイバル能力など、備わっていなかった。


暖を取る事が出来なければ、夜にもなれば体温は失われ、一夜で凍死してしまうだろう。


考えなしの無謀な冒険の末、ケントの命の火はいとも容易く、吹き消されようとしていた。


『ふむ、助けてやろうか?』


「え?できるの?」


『うむ。しかし力を使うには、ワシと(えにし)を結ぶ必要がある』


「えにし?」


『うむ。小僧とワシの魂を繋ぐ契約を、結ぶっということじゃ』


「むすぶ?」


『神々に認められ、縁を結ぶことができば、力を授けられよう』


「そしたら助かるの?」


『そうじゃな、助かるじゃろう。ただし物事には釣り合いがある。ここで潰えるはずだった小僧。貴様の命の糧として、少しばかりやってもらいたいことがある。もともとワシの責なのじゃがな、ワシだけではなし得ぬ。そこで、少々手助けがしてほしいのじゃよ』


「わかった!恩返しは必要だもんね!やるよ!お手伝いするよ!」


『うむ、よし!言葉は言霊。口より出でし、意味ある言の葉。その響きは、糸となり織りなされる。織りなされた霊力の布は、やがて中心に向かう。霊力に乗せられた想いは、約束として結実す。我とそなたとの約定、ここに成れり。


さて、

それでは術式をはじめようか』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ