表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/39

4章 2部「ユイトの過去」

「俺は、ニホンという国で生まれたんだ」


 そう言うと、セッカは「聞いたことのない国ね」と返した。

 他の皆も、知らない様子だった。

 ただ「そんな……」とつぶやいたミコトを除いて。


「ミコトならおそらく知ってるよな。この国は」


 その言葉に、セッカは素早く反応した。


「ミコト、知ってるの? 」


「知ってるも何も……私の生まれた国です……」


 と、答えた。

 その言葉に、セッカは驚いて言葉を失った。

 ユイトを指さしながら、口をパクパクさせていた。


「ミコトを呼び出した禁呪【英雄召喚】。

 悪政を敷く現王も才覚溢れる魔法使いだ。

 試さないわけがないだろう」


 その言葉に、ミコト、セッカ、アカリは絶句した。


「現王によって呼び出された英雄。それが俺だ」


 ***


「俺が呼び出されたのは8年前になるのかな」


 そう昔話を始めるユイト。


「召喚された当時は、ミコトと大して変わらなかった。

 何もできない素体だけが召喚されて、その時はもう大変だった」


「しかし、訓練を積み5年前の【覇】との大戦ではこいつらと一緒に武功を立てたさ」


 そういうと、部下を見渡す。

 皆、笑顔で返してくれる。


「そして、2年前。俺はある任務についたんだ。

 内容は、潜入調査」


「潜入調査……まさかそれで、あなたが前いた組織に入ったの? 」


「ああ、その通りだ」


 ふむ、とあごに指を当て考え込むセッカ。


「だが実際は、現王と摂政が送り込んだ反乱勢力への連絡要員だったんだよ」


 その言葉に、全員が固まる。

 潜入調査、という体で話が進むものだと思っていたため、全員が思考外から一撃に固まってしまった。


「兄上と反乱勢力が連絡を取っていた!? な、何のために!? 」


 と、驚きのあまり大声を出すセッカ。

 その問いに対して、ユイトはさらなる爆弾を落とす。


「将来的に、この国を【覇】へと売り渡すためだよ」


 その言葉に全員が絶句した。


「摂政のヨイチという文官がいるのだが、こいつがすべての悪だ。

 俺の召喚を提案したのもこいつな上、【覇】と内通している文官だ」


 これを聞いたセッカの頭の中では1つ繋がるものがあった。


「そんな……それじゃあ……シズク姉さまが殺されたのも……」


「ああ、黒幕はこいつだ」


 その言葉に、視線を下へ落とすセッカとアカリ。

 だが、ユイトはさらに続けた。


「それだけじゃない。現王もこいつの手にかかっている」

「な、なに!? 」


 アカリは思わず声を上げた。


「どういうこと? 兄上は現に王へ即位している……わけで……」


 と、途中で発言をやめてしまうセッカ。


「俺は、召喚された当時からあんなのだったから知らないが、昔は温厚で徳の高い、

 今の悪政を敷く人物ではなかったと聞くな」


 そういうユイトにセッカは「けど、人が変わったかのようになってから、私たちは命を狙われた……」とつぶやく。


「そう、まさに人が変わったんだよ」


 その言葉に再び考え込むセッカ。

 そして、顔を真っ青にした。


「まさか、兄の魂だけを何らかの方法で殺し、別の魂を入れた……? 」


「その通り、そして今入っている魂はかつてこの地に巣食った悪魔が収まっている」


「なんてことを……」


 絶句して固まるセッカ。


「ヨイチと悪魔は盟を結んだ。悪魔はこの地を治め、悪逆を尽くすつもりだ。

 対して摂政は、悪逆を尽くした後のこの地を悪魔ごと【覇】に攻め落とさせて、手に入れる算段のようだな」


 この言葉に全員が固まる。

 自分の行く末が絶望しかないことを示されたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ