3章 11部「振り下ろされる推」
が、しかし、結果は目に見えていた。
骸の兵士たちは捨て身の攻撃で騎馬に複数で襲い掛かった。
だが、この将とその配下の兵士たちは異常なまでに強かった。
数百の群れで襲い掛かっても、将が持つ大きな推の一振りで骸の兵士は粉々に砕け、周りの兵士もそれに劣らぬ破壊力を見せつけ突破してくる。
骸の兵士が壁として時間稼ぎができないほど、この将と兵士たちは強かった。
必死に逃げるミコトとセッカ。
しかし、ミコトが走るより早く、馬が駆けてミコト達へ近づく。
段々と馬が駆ける音が近づいてくる。
そして、ミコトは後ろを少し見ると敵の将がミコトに今まさに推を振り下ろさんとしていた。
(嫌……いや……)
そう心の中で思ったもののどうすることもできなかった。
大きく振りかぶった推はミコトへ向かって振り下ろされる。
ミコトはセッカの叫ぶ声が、聞こえた気がした。
が、気にする余裕もなく、ミコトは目をぎゅっと閉じてくるであろう衝撃に身をこわばらせた。
***
「ミコト!」
セッカは思わずミコトの方を見て叫んだ。
だが、叫んだところで助けは来ない。
自分は何もできない。
ただ、ミコトが殺されるのを見ていることしかできなかった。
が、同時にどこからか声が聞こえた。
それは雄叫び声にも聞こえた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
そして、その声を発する何かが視界を横切り敵将へ突っ込んでいった。
直後に、非常に重く骨に響く音が周囲に響き渡った。
声を発する何かは敵将の推によって前方へ弾き飛ばされた。
が、敵将も衝撃の強さに、後方へ背中から落馬した。
「ヒガヤ様!!」
取り巻きの兵士も、敵将が落馬したのを見て足が止まった。
兵士数人が下馬し、敵将の様子を見ていた。
ミコトとセッカは、兵士たちから少し離れたところで今起きたことが理解できず立ちつくしてしまった。
が、視界を後方の兵士たちから、前方へ向けた。
すると、人が片膝をつきながらくの字に折れ曲がった両手剣を見ていた。
やがてその剣を捨て、紐で斜めに背負っていた火縄銃を取り出した。
「嘘……」
ミコトとセッカはその顔に見覚えがあった。
ミコトにとっては感動の、セッカにとってはある意味苦い意味での再会となった。
「ユイトさん!!」
ミコトがそう叫ぶと、ユイトはこちらにかけよりながらこう言った。
「何とか間に合ったな。久しぶり、ミコト」




