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3章 9部「必ず元の世界へ帰して」

「つまり……あなたは、武術はおろか、魔法も使えない。なんなら魔法がない世界から来た……と?」


「はい……」


 ミコトは俯きながらもそう答えた。


「そんな……」


 シズクは愕然とした。

 その様子に疑問符を浮かべているミコトへアカリが説明を始めた。


「あなたを呼び出した、禁呪魔法「英雄召喚」は異世界の超人的な力を持つ人物を呼び出すことのできる魔法です。

 その魔法の行使には、多くの物資や代償を必要とします」


 その言葉に、ユイトは言葉を重ねた。


「が、呼び出した人物は魔法も、武術も、何も知らない平民」


「そういうことです。このままでは……」


 そう言うと、全員が黙り込む。

 各々思いは様々であったが、最初に口を開いたのはシズクであった。


「ひとまず、ミコトには魔法を習得してもらいます。

 私とカエデでなんとかするわ」


 その言葉にアカリは難しい顔をした。


「シズク様、それでは……」


「ええ、召喚された者を頼っての蜂起は一度なかったことにしましょう。

 ミコトの成長度を見て、再度どうするか判断するわ」


 と、言いミコトに向き直った。


「なんと言っていいのかはわからないけれど、まずは巻き込んで本当に申し訳ないわ」


 と、謝罪から入った。


「私は元の世界に戻れない……のでしょうか……」


 ミコトは不安そうにシズクへ聞いた。


「帰る方法はあるわ。ただ、それを達成するには条件があるの」


「条件……ですか?私には何もできないですよ……?」


 と、何かを大事なものを取られないか不安そうに腕を抱えるミコト。

 それを感じてか、シズクは語りかける。


「大丈夫、あなたから何かをもらうわけじゃないわ。代わりにお願い。力を貸してほしいの」


 とシズクは頭を下げた。


「何を……ですか?」

 


「私たちの、【反乱】を」

 

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 セッカの言葉にミコトはしばらく沈黙した。

 そして、こう答えた。


「最初にいた村で、セッカ様は反乱に力を貸してほしいと言われましたね」


 少しの沈黙の後、「……ええ」と答えた。


「そして、こうも言いましたよね、反乱に成功すれば元の世界に帰れるとも」


「そうね。召喚魔法は本来、王都で行われることを想定して作成された魔法。

 召喚された人間を元の世界に返すには、王都でその魔法を解除する必要があるものね」


「なら、私の答えはこれです」


 苦しい状況で、理不尽な状況なことをすべて飲み込んだ。

 それでも、微笑みながらこう答えた。

 


「さっさと反乱を成功させて私を元の世界へ帰してください」

 


 その、言葉にセッカは「ええ、必ず」と返した。

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