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2章 エピローグ「もうおしまい」

 (もう終わり……か)


 兵士たちに、シズク様が攫われていくばくかの時間が流れた。

 アカリは襲われた場所の木に、背中を預ける形で足を投げ出して座り込んでいた。


 刺された後、それでも槍を持って抵抗しようとしたアカリであったが、指揮官の騎兵に槍で吹き飛ばされ、その後は意識を失っていた。

 気が付いたら、すでにすべてが終わった後で、周りは仲間の骸しかなかった。

 彼女は自分の脇腹を抑え、かろうじてできる治癒魔法で自己治癒を試みているが、うまくいかない。


 傷が深すぎるのか、はたまたカエデが刺した小刀に魔法を阻害する毒を塗られていたか。

 どちらにしても、出血が止まらない。

 このままだと、助からないのは間違いないだろう。

 そもそも護衛対象を攫われた上に奪還する私兵がいない。

 どのみちもう詰んでいる状況だ。


 (最期は……あっけないものだな……)


 すべてはあそこで死ぬつもりだった。

 シズク様を脱出させる際、あえて目立つように替玉の護衛には、本物のシズクを守っていた正規兵があてがわれたのだ。


 だがしかし、脱出は抵抗もなくできてしまい、本物のシズクは討たれてしまった。

 以後、私とカエデ、そしてシズク様の替玉であったセッカと共に、現王政打倒を誓った。


 現にセッカは、その役目を果たしていたと言えるだろう。

 自分は死んで、生き残ったのはシズクだと偽り、ここまで事を成してきた。

 けれど、すべては無駄になった。

 カエデがいつから裏切っていたかは分からないが、少なくとも、王都脱出の際には裏切っていたことだろう。


 だが、それらすべてはもう自分には関係ないことに思えた。


 かろうじて命をつないでいるであろう、治癒魔法を止めれば楽になれる。


 役目も、何もかもから解放されるのだ。


 そう思うと自然と手から力が抜けていく。


 これまで、背負って役目がようやく終わると安堵しながらアカリはそっと目を閉じた。

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