表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/109

運命の迷宮と心の絆


その頃、レオンたちは、


「父上、この遺跡のようなものはなんでしょうか?」

アリオンが不思議そうに尋ねた。


「これは、迷宮への入り口のようだな!」

レオンもまだ確信は持ててないようだった。


「レオンおじさん、さっきから何かが変じゃないですか?」

フィナベルは不思議な感覚に不安を覚えていた。


「フィナベルの言う通りだな、ここの空間だけ何かがおかしい•••」

レオンが集中すると、何かの気配に気がついた。


「一度外に出た方がいいかもしれない!」

レオンはそう言って迷宮の入り口から少し外へ出て、子供たちにこっちに来るように呼び掛けた。


アリオンとフィナベルは一向に出てこようとしない、いや、出てこられないのか?


「しまった!」

レオンが気がついた時にはもう遅かった。


子供たちの影が消えてしまった。


レオンは急いで入り口に戻ったが、そこは先ほどとは別の空間のようで、どこを探しても二人の姿は見えなかった。


★☆☆☆☆☆☆☆★


「あれ、父上は?」

アリオンは不安そうに言った。


「おじさんがいなくなっちゃった•••」

フィナベルは半べそをかいていた。


「もしかして、閉じ込められた?」

「嘘でしょ•••」


二人はパニックに陥りそうになっていた。


★☆☆☆☆☆☆☆★


レオンの方はと言うと、なぜかイヤーカフスが全く使用できなくなっていた。

連絡も転移も使えないようだ。


「マジか•••」

このままここにいても埒が明かないと判断したレオンは、スカイバイクで一番近くの【ウィスパーウッド】の町へ行く事にした。


【ウィスパーウッド】では、急いで駆けつけたハーベルがエリスと相談していた。


何とかレオンが【ウィスパーウッド】にたどり着くと、ハーベルとエリスに事情を説明し始めた。


「そんなことに•••」

「緊急事態だ!もう一度その迷宮へ行ってみよう!」

ハーベルが急かすように言った。


「うん、僕の落ち度だ•••ハーベル、許してくれ•••」

レオンは顔面蒼白で行き場のない不安で一杯だった。


「レオン!大丈夫、二人を信じよう!俺たちの子供だぞ!」

ハーベルが肩に手をおいて励ましてくれた。


「うん、ありがとう•••」

レオンの顔に血の気が戻ってきた気がした。


ネルとクラリッサにも連絡をいれて、早速、ハーベルとレオンは例の迷宮へと向かった。


「確かに、この入り口だけ空間が歪んでいるみたいだ•••」

ハーベルが周りを調べながら言った。


「やはりそうか?」

レオンが確かめるように言った。


「この類いの迷宮は、中に誰かが入っていると、他の者は入れなくなるタイプの迷宮に違いない!」

ハーベルが断言するように言った。


「じゃあ、二人が自力でクリアして出てくるしか方法はないってことか?」

レオンはその事実に愕然とした。


「そう言うことになるな•••」

ハーベルも深刻な顔つきになってしまった。


★☆☆☆☆☆☆☆★


その頃、アリオンたちは自分達の陥った現状に気がつき、傲然としていた。


「アリオン、私たちどうなるの?」

フィナベルが泣きながら尋ねた。


「ふーーーっ」

アリオンが大きく深呼吸をして、


バッシ!


自分の頬を真っ赤になるほどに両手で叩いた。


「アリオン!」

フィナベルはビックリして泣くのを止めていた。


「あー、スッキリした!」

アリオンは気合いを入れて、何かがふっ切れたようだった。


「アリオン、ありがとう!」

フィナベルが目を張らしながら言った。


「どうしてお礼なの?」

アリオンが不思議そうに聞くと、


「何となく、言ってみただけ!」

「ハハハ!」

「ウハハ!」

二人はなんか笑えてきてしまった。


「こんなとこで落ち込んでいても、たぶん、誰も助けに来ない!」

「うん」


「だったら、先に進むのみ!」

「そうだね!」


二人は何かを決心した眼で、お互いの顔をしっかりと見つめた。


「ああ、フィナベルってすごく可愛いんだね!」

「えっ?」


••••••••


なんで、こんな場面でそんなこと言うのよ!


••••••••


「ああ、ごめん!今まで、こんな気持ちになったことがなかったから、つい声に出しちゃった•••」

アリオンは急に恥ずかしくなって、顔が真っ赤になってしまった。


「いや、私こそごめんなさい。こんな時に気の利いたことも言えなくて•••」

フィナベルも真っ赤になって後ろを向いてしまった。


しばらく気まずい沈黙が続いた。


「グーーー!」

「うん?」


「お腹減ったね?」

「そうだね•••」


「とりあえず、食事にしましょうか?」

フィナベルがリュックを開けて、お弁当を2つ出してくれた。


ついでに、テーブルとイスまで用意してくれた。


「ええ、どこにこんな大きいものが入ってるの?」

アリオンは無限収納リュックを初めて見て驚愕していた。


「まあ、そんなこといいからまずは腹ごしらえよ!」

フィナベルが箸をアリオンに渡した。


「うん、ありがとう•••」

「どういたしまして!」

フィナベルがニコニコでお弁当の蓋を開けた。


もわーーーん


「ええ、湯気?」

アリオンがまた驚いた。


「ああ、このリュックに入っている物は、いれた時の状態で時が止まっているのよ!」

美味しそうにご飯を食べながら、説明してくれた。


「早く食べないと、せっかくのお弁当が冷めちゃうよ!」

フィナベルがそう言って、アリオンのお弁当の蓋をとってあげた。


もわーーーん


「ああ、いい匂い!いただきます!」

アリオンはあまりにお腹が空いていたので、一気にかきこんだ。


「なんだこのお弁当、美味すぎなんだが!」

アリオンはあまりの美味しさに、口の周りにご飯粒を付けたまま、頬張り続けた。


「そんな食べ方すると•••」

フィナベルが言いかけると、


「ぐっ、ごほん、ごほん•••」

喉に詰まらせてむせてしまった。


「ほら•••」

フィナベルがアリオンの顔についたご飯粒を一つ一つ取りながら、自分の口へと運んでいった。


そして、暖かいお茶をコップについで差し出してくれた。


「はあ•••」

フィナベルがホッと息をついた。


••••••••


ズキューーーン!

ヤバい!僕、惚れちゃいました!


••••••••


「どうしたの?」

フィナベルは不思議そうに小首をかしげた。


••••••••


ダメだ•••すべての仕草が可愛すぎる•••

こんなの初めてだ•••


••••••••


「変なの•••」

フィナベルは鈍感だった。

特に色恋沙汰に関しては•••


「お腹一杯になった?」

フィナベルが何の気なしに聞くと、


「大満足です!」

アリオンはお腹を擦りながら、この上ない幸福感に満たされていた。

次回 迷宮攻略! 最強コンビ誕生!?

続きの気になった方は、

ぜひともブックマークをお願いいたします。

リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ