神器と消えたフィナベル!?
「リーフィア!アリオンから全然連絡がないんだけど•••」
フィナベルが悲しそうに日記を見つめながら呟いた。
「どうしたのかしら•••」
リーフィアも心配そうだった。
「とりあえず、こっちから書いてみるね!」
「うん、そうしてみたら!」
••••••••
アリオンへ
最近、返事がなくて寂しいです。
何かが起こってないか心配です。
忙しいとは思うけど返事をください。
アリオン、大好き!
フィナベルより
••••••••
「フィナベル、返事があるといいね!」
「うん•••」
フィナベルの頭を優しく撫でてくれた。
「それはそうと、チャンバー•アルチザンの方はどうなってるの?」
リーフィアは、話題を変えてくれた。
「ああ、まだ進んでないわ•••」
「そっか•••」
残念そうにリーフィアが言うと、
「素材がねーーー、うーん•••」
フィナベルがまた考え込んでしまった。
「分かった、ぶっ壊そう!」
リーフィアがまた無茶を言い始めた。
「ぶっ壊すか•••それだ!」
フィナベルが何かを思い付いたようだ。
「ええ、何を壊すの?」
リーフィアも自分で言っておきながら心配になってきた。
「この、チャンバー•アルチザンを「分解」してみるのよ!」
フィナベルの決意は固そうだった。
「でも、それパパからもらった大事な物なんじゃないの?」
リーフィアは心配になってきた。
フィナベルがチャンバー•アルチザンを机の上に置くと、
「分解!」
躊躇なくスキルを発動させた。
チャンバー•アルチザンにヒビが入ると、眩しい光が漏れ出した。
二人は、思わず目を瞑った。
光はどんどん大きくなっていきフィナベルを包み込んだ。
リーフィアが気がついたときには、フィナベルの顔と右手が見えているだけだった。
「フィナベル!」
リーフィアが大きな声で叫びながら、手元にあったリュックをフィナベルの方へ投げ込んだ。
フィナベルがリュックをキャッチすると、光はそのまま一瞬で点となり消えてしまった。
「ええ、フィナベルが消えちゃった•••」
リーフィアは茫然自失で、膝から崩れ落ちた。
「でも、私が存在していると言うことは、フィナベルはどこかで生きているのだけは間違いない•••」
リーフィアはただただ泣くばかりだった。
次回 残業と深夜の訪問者!?




