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リバースサーフェス2 ~精霊王女と魔導王子の交換日記から始まるダンジョン攻略~  作者: 吾妻 八雲


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合成魔法の秘密と愛の手紙!?


「なるほど、ポーション自体にも同じ効果があるんだ、当たり前と言えば当たり前だけど、誰もこんな使い方しなかったからね•••」

フィナベルは興味深そうに考え込んでいた。


「フィナベル、ランクはどうなったの?」

リーフィアが尋ねると、


「光と水は、光は上級魔法7で水は応用魔法6に上がったよ!」

「すごいじゃない!」

二人は喜びあって跳び跳ねた。


「次は、炎と風かな!「加熱」は得意だから、どんどん上げられそうな気がする!」

「でも、「加熱」でイメージと具現化って、どうやってやるのかな?」

リーフィアがふと疑問に思った。


「そっか•••さっきの本に何か書いてないかな?」

フィナベルは、

【上級魔法使いへのウラ技】

をめくった。


••••••••


第三章 合成魔法を極めろ!その2


次の段階へいくと行き詰まる者も出てくるだろう。


「聖水」「毒素」「粘土」などのように実際に作り出せる魔法は、具現化が可能だが、

「加熱」「硬化」「蒸発」などのように状態を変化させるような魔法の場合は、どのように具現化させるのかということに!


実は、具現化できないが正解だ!


では、どうやって「加熱」などの合成魔法を修練するのか?

例えば、水を「加熱」してお湯にする場合、通常は水を火にかけて加熱して徐々に目的のお湯へと近付けていく。


しかし、合成魔法の「加熱」は、水を一瞬でお湯へと変化させる。つまり、元となる物質に直接、熱を加えることが可能なのだ。


「加熱」を修練するには、「加熱」をイメージすることによって、加熱によってできる物質を、その元となるものも含めて具現化する事が重要である。


つまり、お湯の場合、「加熱」でイメージし、元となる水はない状態で、お湯を具現化するということになる。


これができるようになれば、何もないところから、お湯を出すことが可能となる。


とにかく、合成魔法を極めろ!


••••••••


「なるほど•••確かに水はウォーターですぐに出すことができるけど、お湯をいきなり出すという発想はないわね•••」

「そうね、でもよく考えてみると便利よね!」

リーフィアは感心してしまった。


「早速、お湯を「加熱」で出してみるわね!」

「うん!」

フィナベルがなにやらやっているようだが、一向にお湯どころか水すら出てくる気配がなかった。


「ダメだ•••元となる物質もイメージするってどういうこと•••やってみると難しいよ•••」

「そうね、でもあんまり難しく考えない方がいいんじゃない?」

リーフィアが先生のように指を一本立てて言った。


「どういうこと?」

「まずは、普通にウォーターで水を出すイメージで、その水を「加熱」するイメージでやってみたら?」

「なるほど•••」

フィナベルは、頭のなかでウォーターと「加熱」のイメージを一度に行ってみた。


「ああ、できた!」

「うん、ちゃんとお湯になってるね!」


「そうか、元となる物を先に具現化できるようにしておかないと、「加熱」の具現化はできないんだ!」

フィナベルはふんふんと何度も頷いていた。


「と言うことは、元となる物が複雑な物の場合は、あらかじめ「解析」で具現化できるようにしておけば、その後の「加熱」も含めて、材料なしで作製できるのか•••」


「うーん、複雑、だけど面白い!」

フィナベルは、合成魔法にのめり込んでいった。


「リーフィア、見てみて!」

「どうしたの?」

「ライフポーションを何もない状態から作製できるようになったよ!」

「本当に?」

リーフィアは驚きと期待が入り交じったような表情で見つめた。


「まず、ガラスを「解析」でイメージして、「加熱」で溶かしたイメージから、「硬化」で瓶を成形するイメージで具現化するでしょ!」

「ええっ、瓶から作るの?」

「当然!」

フィナベルの顔は、自信に満ちていた。


「さらに、「解析」でライフポーションの材料となる、生命の石をイメージして、ウォーターによる水のイメージを「精製」によって精製水をイメージする。それを混ぜ合わせた物を「加熱」のイメージで具現化すると•••」


【ライフポーション】R


「できた!」

「フィナベル、素晴らしいわ!」

リーフィアが手を叩いて喜んでくれた。


「でも、この方法だと材料となる物をまず「解析」しておく必要があるから、一度は材料を揃えることになるわね!」


「そっか!」

「しかも、錬金術の方法を熟知しておく必要もあるから、なかなか骨が折れるわね•••」

「なるほど•••」

「でも、完璧にできるようになれば、魔力だけで、何でも作れるようになるかも知れない!夢が広がるわ!」

フィナベルは水を得た魚のように、次々と合成魔法の修練を重ねていった。


「アリオンに教えてあげよっと!」

フィナベルは早速、筆を取っていた。


••••••••


アリオンへ


今は、魔法のランクを上げるために、合成魔法の修練をしています。


その成果で、何もないところから、【ライフポーション】を作製することに成功しました。


まだまだ修練するので、どんどんポーチへ保存しておきます。

早く、アリオンの前で実演したいな!


アリオン、アリオン、好き♡


          フィナベルより

••••••••


「いや、もう好きって書いてるし•••」

リーフィアは、顔を真っ赤にして喜んでいた。


⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐


「フィナベル!僕も大好きだ!」

アリオンはそれを見て有頂天になっていた。


「おい!そこじゃないだろ!」

ルナシェイドがアリオンの頭をコツンと叩いた。


「痛て!そこが大事だろ!」

アリオンは有頂天のままだった。


「いや、何もないところからポーション作るって普通じゃないわよ!」

ルナシェイドが驚いている様子だった。


「確かに、それが本当じゃったら、すごい魔法技術じゃのう!」

ギムルでさえも驚きが隠し切れなかった。


「すべての固有スキル取得と魔法ランクの調整に、錬金術の知識もないとできないからのう、もちろん魔力操作技術も必要だ!」

ギムルがその難しさを説明してくれた。


「確かに、僕には到底真似できないや•••」

アリオンは改めてフィナベルのすごさに感動を覚えた。


「ワシらもこうしちゃおれんぞ!さっさと、20階層を目指すぞい!」

ギムルがアリオンの尻を叩いた。


「はい!ギムルさん!」

アリオンはやる気に満ち溢れていた。


現在のパーティー構成は、前衛がアリオンとジェミニで行い、二人で速攻を仕掛けるか、ジェミニが先行して、アリオンが遠距離で攻撃を補助することが多かった。


ジェミニは先行しても、攻撃をされる前に、解除して姿を消して、また現れて攻撃をすることが可能なため、ダメージも最小限で進むことができた。


後衛は、ルナシェイドとギムルで、主にルナシェイドが、足止めや弱体化の魔法を使用し、ギムルが攻撃魔法を担当していた。


「すごくスムーズに進めるわね!」

ルナシェイドが余裕そうに言った。


「でも、気を抜くなよ!」

アリオンがみんなの気を引き締め直した。


「ここが20階層かのう?」

ギムルがあたりを見回しながら呟いた。


「こんな風になってるんだ!」

ルナシェイドも驚いている様子だった。


「また、ここか•••10階層で死にかけたからな•••」

アリオンは少し気が重そうだった。


「アリオン、今度は私もいるから大丈夫です!」

ジェミニが気を利かせてくれた。


「ジェミニ、ありがとう!」

アリオンが微笑んだ。


「以前、10階層で死ぬ思いをしたから、今回はしっかり準備をしたいと思う!」

アリオンは真剣な顔でみんなに話し始めた。


「分かったわ!」

ルナシェイドも真面目に聞いてくれている。


「幸い、この階層はボス以外の魔物もいないようだし、一休みしてからにしよう!」

アリオンがそう言いながら、家をポーチから取り出した。


「なんじゃ!それは?」

ギムルが驚きのあまり持っていたスタッフを落としてしまった。


「今、どこから出てきたの?」

ルナシェイドもビックリしてアリオンの回りを飛び回っている。


「ああ、フィナベルにもらったポーチからだよ!」

アリオンは当たり前のように説明した。


「いや、いや、無理でしょ!いくらなんでも••••」

ルナシェイドがアリオンの頭をポンポン叩いている。


「痛いよ!これは、フィナベル特性の無限収納ポーチで、何でも入るし、入れた時のまま時間も止まるらしいよ!」

なぜかアリオンが自慢げに説明した。


「ほお、凄いアイテムじゃな!」

ギムルも感心しているようだった。


「まあ、中へ入ってよ!もっと凄いから!」

アリオンが扉を開けて中へと案内した。


「ほお、こりゃたまげた!家のなかも凄いの!」

ギムルにとっても見たことないものばかりで不思議そうに、家のなかを見て回っていた。


「ああ、食事もどうぞ!」

アリオンが食事を用意すると、ギムルはまた驚いていた。


「うまい!何という料理じゃ!」

ギムルは体育会系の男子のように、ムシャムシャと食らいついていた。


「ルナシェイドは、食べないの?」

アリオンが尋ねると、

「私は、大丈夫!魔力だけで十分よ!」

ルナシェイドは眠そうにベッドに横たわりながら言った。


「フィナベルに送ってもらった、魔導書を読んでおこうかな•••」

アリオンはそう呟きながら、魔導書を開いた。


••••••••


第五章 【ランダム階層に注意!】


もうそろそろ20階層に到達する頃だろうか?


魔物もそれなりに手応えがあると思うが、仲間も増えて、戦闘は楽になったことだろう!


しかし、ここからがまた試練の始まりだ。

決まった階層で、ボスモンスターがランダムに変更される階層がある。


ランダム階層の初めの階層は20階層である。


つまり、20階層のボスは開けて見るまで分からないので、特に攻略情報などはない!


以上! 健闘を祈る!


••••••••


「ええ、健闘を祈るって•••」

アリオンは呆れて言葉も出なかった。


••••••••


フィナベルへ


僕もフィナベルが大好きです!


残念ながら、20階層はランダムでボスが決まるようなので、対策はできそうにありません。


フィナベルのお手製ポーションをいっぱい用意して、挑もうと思います。


応援してください!


フィナベル、愛してる♡

              アリオンより

    

••••••••


「結局、出たとこ勝負か•••」

少し不満だったが、心地よい布団でフィナベルのことを思いながら、眠りに落ちていった。

次回 リバースサーフェス覚醒!?

続きの気になった方は、

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頑張って続きを書いちゃいます!

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