魔法の本質と合成魔法!?
「へえ、仲間ができたって!」
フィナベルが驚いてリーフィアを起こした。
「どうしたの?はあーーーー」
リーフィアは大きなアクビをしながら起きてきた。
「アリオンに仲間ができたんだって!」
「へえ、それは攻略に一歩近付いたわね!」
「うん、ありがとう!」
「でも、捕らえられてる人の中には悪い人もいるみたいだから注意しないとね!」
リーフィアは心配そうに言った。
「分かった、アリオンに伝えておくね!」
「そうして!」
フィナベルは早速、返事を書いた。
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アリオンへ
仲間ができて、おめでとう!
でも、リーフィアの話では、捕らえられてる人の中には悪い人もいるみたいだから、十分に注意してね!
あと、ジェミニにも早く会いたいな!
私は、自分の魔法ランクを上げられるように頑張っています。
あと、【ライフポーション】を補充しておきましたので使ってください!
アリオンに会いたい♡
フィナベルより
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「私も頑張らなきゃね!」
フィナベルは早速、本棚の中から一冊の本を手に取った。
【上級魔法使いへのウラ技】
「これをマスターすれば、上級魔法7までは、上げられるはず!」
フィナベルは改めて決意を固めた。
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第一章 魔法の本質
上級魔法を修得しようとする者は、当然ながら、応用魔法を修得しておく必要がある。
応用魔法までは、同じランクの魔法を何度も使用することで、修練度を上げる必要がある。
基本的には、この方法でランクを上げて行く者がほとんどである。
魔法の本質は修練度ではなく、実は、「イメージ」そのものなのである。
つまり、修練度を上げることも大切であるが、より具体的に「イメージ」できるかによって上昇率に多大な影響を与える。
魔法は「イメージ」だ!
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「なるほど、確かにパパもイメージが大事って言ってたな•••」
フィナベルは少し反省していた。
魔法を練習していると、つい同じことの繰り返しとなり、詠唱に頼ってしまい、具体的な「イメージ」を忘れがちになってしまう。
でも、本当は何度も詠唱することじゃなくて、「イメージ」を固めることの方が大切だということを思い出していた。
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第二章 合成魔法を極めろ!
基本属性を極めるのは当然であるが、魔法ランクを上げる近道となるのは、なんと言っても合成魔法だ。
合成魔法を極めていけば、同時にいくつもの属性のランクを上げることができるのは言うまでもない。
ただし、合成魔法を使用するためには相互の属性ランクが同じくらい(正確には±1ランク)である必要がある。
例えば、光属性と水属性の合成魔法は「聖水」となるが、聖水を使ってのポーション作りなどは、非常に有意義である。
錬金術のポーション作製とは異なり、聖水を使ったポーション作りでは、材料を必要としない。
ポーションを入れる容器さえあれば作製可能であるため、とても重宝されている。
例えば、応用魔法5の「ルミナス•レストレーション」のポーションを作製する場合について説明しよう。
ポーション用の容器を用意する。
ルミナス•レストレーションを修得している状態で、通常の錬金術に使用する
「精製」「分解」「合成」等ではなく、光属性の固有スキル「解析」を使用する。
通常、「解析」は、物事やアイテムの解析に使用するのが定石であるが、実は「解析」にはもうひとつの使い道が存在する。
「解析」した事柄やアイテムは、属性によっては、魔力を利用して具現化することが可能となる。
具体的には、「ルミナス•レストレーション」を修得していれば、「聖水」によりその効果を「イメージ」して、「解析」によって、「ルミナス•レストレーションポーション」を材料なしに具現化できるということになる。
ただし、これには条件を揃える必要がある。
光属性:応用魔法5 以上
「ルミナス•レストレーション」
を修得している。
水属性:応用魔法5 以上
「グレイシャル•ピラー」
「グレイシャル•ウォール」
「グレイシャル•ドリフト」
のいずれかを修得している。
それぞれの魔法ランクが同程度であること。(誤差±1)
光属性の固有スキル:「解析」を使用できること
この条件をクリアしていれば可能となる。
注意!!
通常、光属性の魔法を使用できれば「解析」スキルは使用できるはずだが、【無属性】に限り属性スキル「設定」以外は使用できないので、この方法は利用できないので注意が必要である。
さあ、合成魔法を極めろ!
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「この作者は、設定スキルのことを全く理解していないようね!でも、解析スキルを用いた方法はかなり興味深いわ、何より材料が必要ないところが素晴らしい!私は、アリオンのおかげで設定スキル以外の固有スキルも使用できる!」
フィナベルは本を読みながらぶつぶつと呟いていた。
「何か、使えそうな情報はあった?」
リーフィアが尋ねた。
「うん、面白いことが分かったよ!」
「やったね!」
フィナベルは早速、「聖水」と「解析」を試してみることにした。
「まずは、ポーション用の瓶を用意してと、「聖水」でルミナス•レストレーションをイメージする。さらに、「解析」で具現化する•••」
フィナベルはいつも以上に集中していた。
シーーーン
何も起こらない•••
「やっぱり、いきなりは無理か•••」
フィナベルは残念そうに首を振った。
「やっぱり、イメージが大事なんじゃない?」
「そうなのよね•••でも、実際にルミナス•レストレーションを使うこともあまりないしね•••」
フィナベルは考えた。
「やっぱり、自分で傷つけるしかないか•••」
「それはダメよ!」
リーフィアが止めた。
「なぜ?」
「もちろん、フィナベルを傷つけたくないのは山々だけど、それ以前に、自分を治癒し続けると、魔法の効果が落ちてしまうのよ!」
「そうなの?」
「ええ、だから自分を治癒するのはどうしようもない時だけにして!」
「うん、分かったよ!」
フィナベルは納得して自傷するのは中止した。
「そうすると、どうしたらいいんだろ?」
「うーん•••」
二人は悩んでしまった。
「ちょっと待って、レストレーションって、そもそも、「復元」や「修復」する魔法だよね?」
「そうだね!」
「必ずしも、生きてる者じゃなくてもいいんじゃないの?」
「そうかも!」
二人は手を取り合った。
「ってことは、壊れた物の修復でもいいのかも?」
「でも、そんな都合よく修復する物なんてあるの?」
「うーん•••」
「あ、あった!」
「どこ?」
リーフィアがアリオンが送ってくれた、ゴブリンやオークの武器を指差した。
「おお!バッチリ!」
フィナベルが喜んでボロボロのナイフをひとつ取り上げた。
「じゃあ行くよ!」
「うん!」
フィナベルはナイフに手を掲げて、
「ルミナス•レストレーション!」
心の中で、美しいナイフを想像しながら詠唱した。
すると、ゴブリンのボロボロのナイフが新品のナイフへと、修復されていった。
「やった!成功だよ!」
「すごい!レストレーションが物にも使えるなんて、知らなかった!」
「本当だよね!」
二人は手を取り合って喜んだ。
「これなら、いくらでも練習できるね!」
「うん!」
フィナベルは、別の武器を手に取ると、次々と練習を重ねた。
「リーフィア!イメージはバッチリだよ!」
「じゃあ、具現化に挑戦ね!」
「うん!」
二人はドキドキしていた。
フィナベルが空の瓶に手を当てた。
「まずは、「聖水」でルミナス•レストレーションをイメージする。さらに、「解析」で具現化すると•••」
フィナベルは目を瞑っていた。
「フィナベル!成功よ!」
リーフィアが喜んで手を叩いている!
「これで、アリオンにポーションを作ってあげられる!」
フィナベルの瞳には涙が滲んでいた。
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アリオンへ
嬉しいニュースです!
なんと、「ルミナス•レストレーションポーション」を作るのに成功しました。
しかも、レストレーションの魔法が、人間以外の物にも効果があることが分かりました!
練習に使った武器がたくさん入っているので、予備の武器として使ってください!
練習で作ったポーションはたくさんポーチへいれておきます♡
使わなくて済むことを祈っています!
アリオン気をつけてね♡
フィナベルより
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「アリオン、無理しないでね•••」
フィナベルが心配そうに祈りを捧げた。
次回 フィナベルの日記と復元魔法!?
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頑張って続きを書いちゃいます!




