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魔法の言霊と古代語の力!?


「とりあえず、魔力を流してみよう!」

アリオンがクリスタルに触って、魔力を流してみるが、なんの変化もなかった。


「違うか•••」


「普通に、クリスタルを砕いちゃうとか?」

ルナシェイドが無茶な提案をしてきた。


「いや、さすがに違うと思うよ•••」

アリオンが悩みながらクリスタルを眺めていると、クリスタルの裏側に何か模様のようなものがあるのに気がついた。


「なんだ?マークみたいのがあるけど•••炎のマークかな?」


「分かった、炎でぶち壊すのよ!」

ルナシェイドがまた無茶を言う。


「ハハハ•••多分、炎魔法を使えってことだと思うけど、どんな炎魔法を使えばいいのかな•••」

アリオンが迷っていると、


「そんなの、片っ端から使ってみれば、いいだけでしょ?」

ルナシェイドがもっともらしいことを言った。


「じゃあ、ファイアから行くか!」


アリオンは見習い魔法の「ファイア」から順番に詠唱を続けた。


「ブレイズ・ピラー!」

アリオンは応用魔法まで試していた。


「これも違うのかよ•••はあ、はあ、」

アリオンは肩で息をしながら、疲れきっていた。


「次で、応用魔法は終わりだ。マグマ・エラプション!」

アリオンが詠唱すると、クリスタルの周りでマグマが噴火した。


「はあ、はあ、これがダメなら、一回諦めるしかないな•••」

アリオンが諦めかけたその時、クリスタルにヒビが入った。


ピキ、ピキ、ピキピキピキ…


「ふぉーーー、ああ、生き返るー!」

クリスタルの中の老人が大きく息を吸って破片を払いながら出てきた。


「ああ、やっと助けられました!」

アリオンが喜んで近付いた。


「στάση!(止まれ!)」

その老人が呟くと、アリオンとルナシェイドは動きを封じられて、指一本も動かせなかった。


「ああ、うるさいガキどのだ!ワシをこんなところに閉じ込めよって!」


「しゃべることはできるじゃろ?」

老人がそう言うと、


「ああ、本当だ!僕はアリオンと言います。どうかこの魔法を解いてください!」

アリオンは心からお願いした。


「それは、できん相談じゃな•••」

老人は首を振った。


「なにか、僕にできることはありませんか?」


「そうじゃな、その紫の妖精をワシにくれぬか?」

老人は舌なめずりをしたように見えた。


「ヒーーーー!」

ルナシェイドは背筋が凍りついた。


「いや、それはできない!ルナシェイドは僕の大切な仲間だ!」

アリオンはきっぱりと断った。


「アリオン•••」

ルナシェイドは感激している。


「まあ、それは冗談じゃ•••」


••••••••


アリオンは心の中で叫んだ。

「いや、絶対に冗談じゃないだろ!それより、さっきの呪文どこかで聞いた気がする。母上から教わった、古代語に似てるような•••」


••••••••


「κινώ!(動け!)」

アリオンが古代語で唱えた。


「あれ、動ける!」

ルナシェイドが喜んで叫んだ。


「よし、やっぱり、古代語か!」

アリオンが老人に向かって手をあげた。


「分かった、分かった、ワシの負けじゃ!」

老人は降参のポーズをとった。


「まさか、お前さんが古代語を使えるとはな、お見それしたよ!」

老人は少し感心しているようだ


「ワシの名前は、ギムルじゃ、お前さんたちは?」


「僕は、アリオン、こっちはルナシェイドだよ!」

ルナシェイドはまだ疑心暗鬼の様子だった。


「ギムルさん、なんで古代語で詠唱するのですか?」

アリオンは素直に疑問に思ったことを聞いてみた。


「ああ、お前さんはなぜ魔法を使うときに詠唱すると思うかね?」

ギムルが問題を出してきた。


「そんなこと考えたことなかったな•••うーん•••」

アリオンは考え込んでいた。


「お前さんの魔法をクリスタルの中からずっとみておった」


「えっ、意識はあったんですか?」


「そうじゃ、年も取らんし、死にもしないが、意識はあるから地獄じゃぞ•••まあ、それはいいんだが、お前さんの魔法は正確で制御も抜群だが、軽いんじゃよ!」

ギムルが惜しそうな顔で言った。


「軽い•••とは?」

アリオンが不思議そうに聞いた。


「言葉には言霊が宿っておる!昔は、古代語のみで魔法は詠唱されておったが、他の言葉でも詠唱は可能じゃ、しかし、言葉の意味を考えながら詠唱するのと、ただ、言葉を発するだけとは全く効果が違うのじゃ!」


「言葉の意味か•••」

アリオンはその言葉が深く心に突き刺さった。


「つまり、元の言葉で意味がそのものの古代語で詠唱した方が、効果が高くなるということじゃ!」

ギムルが説明してくれた。


「φωτιά!(ファイア!)」

アリオンが試しに唱えてみた。


いつものファイアの10倍ほどの炎が立ち上った。


「うそ!言葉が違うだけで?」

アリオンは信じられないようだった。

「それにしても、よく20種類の炎魔法を連続で唱えれたな!」

ギムルは感心していた。


「もしかして、それが条件?」

アリオンは驚いた。


「アリオン、お前さんそれも知らんでやっておったのか?」

「はい•••」


「それは、それで、すごいのー!」

「そうですね•••」


「あんたたち、私のこと忘れてるでしょ!」

ルナシェイドがいきなり大声を出した。


「いや、忘れてないよ!」

アリオンが取り繕うように言うと、


「なんじゃ、お嬢ちゃん、ワシと遊びたいのか?」

ルナシェイドには、イヤらしい手付きが見えた気がした。


「ヒーーーーー!」

ルナシェイドは素早くアリオンの後ろに隠れた。


ルナシェイドには、ギムルが完全に変質者にしか見えていなかった。


次回 リバースサーフェスと双子の兄弟!?

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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