迷宮の森と謎のクリスタル!?
「リーフィアは、この迷宮のことはどのくらい知っているの?」
「実は、私もあまりよくは知らないの。昔、この迷宮を作った魔導師がいたらしいんだけど、私たちはそいつに捕まって封印されたのよ•••」
リーフィアは悲しそうに話してくれた。
「そうだったのね•••」
フィナベルは涙目になっていた。
「フィナベルちゃん、ありがとう」
リーフィアが肩に座ると、頭を撫でてくれた。
フィナベルは立ち上がると、黙々とアリオンのための【ライフポーション】を作り始めた。
★☆☆☆☆☆☆☆★
「この、魔導書は?」
アリオンが魔導書を取り出すと、パラパラと読み始めた。
••••••••
第四章 仲間を探せ!
石化の試練を生き延びた者には、いくつかの褒美が用意されている。
まず、16階以降の階層では、宝箱が出現するようになる。
下層へ進むに連れて、内容は豪華となっていくので、楽しみにするといい。
もう一つ、仲間を得る機会が訪れる。
具体的には、この迷宮には多くの冒険者や亜人が捕らえられている。
いろいろな形で封印されているが、多くはクリスタルに閉じ込められている。
そのクリスタルには、時間を止める魔法がかけられており、老いることも死ぬこともない。
封印の解き方は様々だが、クリスタルについては、アイテムが必要になる。
その方法は•••
••••••••
「嘘だろ!ページが一枚破られている•••肝心なところが•••」
アリオンは悔しそうだが、同時にワクワクしているようだった。
だが、後にこの1ページが彼の運命を変えることになるとは、アリオン自身、露ほども思っていなかった。
「仲間がいるなら、踏破も早く進みそうだ!」
アリオンは出発の準備をしながら呟いた。
「アリオン!私のこと忘れてない?」
ルナシェイドが寂しそうに言った。
「ルナシェイド、そ、そんなことないよ•••ハハハ•••」
他の仲間のことに夢中で、実は忘れていた。
「ルナシェイドも出発の準備してね!」
話を逸らした。
「分かってるわよ!」
ルナシェイドはプンプンしながら準備を進めていた。
16階層へ向かうと、今までとは全く違う雰囲気だった。
15階層までは石壁の部屋がほとんどだったが、ここはとても綺麗で、迷宮の中なのに森のようになっており、太陽のような光も感じられた。
「いったいどういう仕組みだ?」
アリオンは不思議そうに樹木に触れながら、眩しい光に目をやった。
「そんなのどうでもいいでしょ!早く先を進みましょうよ!」
ルナシェイドはそう言って先を急がせた。
森を進んでいくと、早速魔物のお出ましだ。
「森だけあって、魔物も獣なのか!」
アリオンが目をやると、狼の群れがこちらの様子を伺っていた。
「ルナシェイドって、魔法で援護とかできるのかな?」
アリオンが早口で尋ねると、
「バカにしないでよね!そのくらい当然でしょ!」
少し威張った感じで言った。
「よし、じゃあ闇系の魔法であいつらの視界を奪うか、足を止めて!」
アリオンが指示を出すと、
「命令しないでよね!」
少し嬉しそうに顔を赤くした。
「アビサル・ヴァーティゴ!」
ルナシェイドが詠唱すると、狼たちの頭の辺りに黒い煙のようなものが現れた。
狼たちはめまいを起こしたように足元がおぼつかない様子だった。
「ルナシェイド、ナイス!」
アリオンがそう言って、
シュッ!ズバ、グス、シュピーン•••
素早くナイフで狼たちを倒してしまった。
「ルナシェイド、ありがとう!助かったよ!」
アリオンがそう言うと、
「まあ、こんなもんね!」
顔を真っ赤にして照れていた。
「うん?なんだろう?」
アリオンが森の奥に何か光るものを見つけた。
「これって、クリスタル?」
ルナシェイドがクリスタルの周りを飛び回っていた。
「これが、そうなのか•••中におじいさんが囚われているみたいだな•••」
アリオンが周りを調べ始めた。
「これ、どうやって解放するのかしら?」
「それが、あのページに書かれていたんじゃないかな•••」
「そういうことか•••」
アリオンたちは考え込んでしまった。
次回 魔法の言霊と古代語の力!?
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頑張って続きを書いちゃいます!