迷宮の贈り物と白光輝の守護妖精
「アリオン、無事だったんだ。良かったー!」
フィナベルは、心配であまり眠れていなかった。
「球根か、とりあえず一つ育ててみよう!」
そう言って、リュックから植木鉢と土を出すと、白い色の球根を植えてみた。
ジョウロでお水をあげると、
「アクセラレーター・グロース!」
フィナベルは詠唱した。
すると、みるみる芽が出て茎が伸びていき、大きくて真っ白な花の蕾が出てきた。
そのまま、ゆっくり花が開いていくと内側が光輝いていた。
「何かしら?」
フィナベルが花を覗き込むと、小さな可愛らしい妖精がアクビをしながら出てきた。
「私は、リーフィアだよ!」
可愛く羽を広げて自己紹介した。
「私は、フィナベルです。リーフィアおばあちゃんと同じ名前だ!」
嬉しそうにリーフィアを掲げた。
リーフィアはフィナベルの手のひらに飛び乗ると、
「私は、光のソーサリーエレメントの守護妖精、リーフィアよ!」
と、きらきらした目で言った。
「え、本当ですか?パパが契約しているのも光のソーサリーエレメントなんです!」
フィナベルは驚き、目を丸くした。
「そうね、なんだかご縁を感じるわね!フィナベルちゃん、よろしくね!」
「はい、私もです!」
フィナベルは、リーフィアの可愛いらしい手と指で握手をした。
「じゃあ、あの紫色の球根も妖精さんなの?」
「そうよ、あの子は闇のソーサリーエレメントの守護妖精、ルナシェイドって言うのよ!」
「なるほど、アリオンに送れるかな?」
「アリオンくん?」
「うん、私と一緒にこの迷宮に閉じ込められた仲間なの!私はこの最深階層に閉じ込められたけど、アリオンはここを目指して迷宮を踏破してくれているのよ!」
「一人でそんなことできるの?」
「分からないけど、それしか外に出られそうな方法が思い付かなかったのが本音かな•••」
「そうか•••」
リーフィアは少し考え込むと、
「だったら、私以外の妖精は、すべて
アリオンくんの方へつけてあげた方がいいかも!」
と提案してくれた。
「どうして?」
「私たちは、それぞれの属性に対応していて、近くにいるだけで、魔法ランクを1ランクアップさせてあげられるのよ!」
リーフィアは可愛らしい手で説明してくれた。
「あと、魔力も増強されるから役にたつと思うわよ!」
フィナベルの肩に乗って言った。
「分かった、覚えておくね!」
フィナベルはそう頷いて日記に書き始めた。
••••••••
アリオンへ
ドロップアイテムありがとう!
その中の【球根】を育てたら、光の妖精のリーフィアちゃんが生まれました!
アリオンにも、闇の妖精のルナシェイドを送るね。
魔法の力がアップすると思うから、頑張ってね!
フィナベルより
••••••••
「もしかして、日記でやり取りしているの?」
リーフィアが不思議そうに言った。
「そうだよ、通信手段がことごとく使えないから、これしかなかったの•••」
「そうか•••」
リーフィアは少し考え込むと、
「フィナベルちゃん、優しいね。アリオンくんもきっと喜ぶわよ!」
とリーフィアが微笑んだ。
フィナベルも嬉しそうに笑った。
次回 アリオンと紫月夜の守護妖精
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