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迷宮の罠!アリオン危機一髪


「そんな事とは露知らず、アリオンは10階層のボスの扉を開いてしまった。


アリオンが部屋へ入ると、扉は重々しく閉まり、後戻りはできなかった。

円形の闘技場のような真っ暗な場所に、何かが横たわっているのに気がついた。


「何だあれは?」

アリオンは心臓がバクバクと鳴りながら、眼を凝らして見ていると、

急に明るくなり6本の柱が光始めて、闘技場を照らし出した。


「でかいトカゲ?」

アリオンがそう呟くと、そのトカゲは首を気だるそうに持ち上げ、こちらをじっと見つめた。


その瞬間、アリオンは背筋が凍るような感覚に襲われた。


「ヴォイド・シフト!」

咄嗟に、アリオンは虚空の魔法で近くの石ころと場所を入れ替えて移動した。


トカゲの眼が光った。同時に、鋭い痛みが左腕を襲う。

「うう、左手が•••」

アリオンの左腕の肘から先が石になっていた。


「くそ、石化か?」

アリオンは左手をかばいながら、状況を把握しようとする。


「まさか、こんな浅い階層から強敵が出るとは•••」

アリオンは動揺を隠しきれなかった。


左腕が使えない。ナイフも握れない。残されたのは魔法だけだ。


アリオンは冷静さを保とうと努め、状況を分析した。


トカゲは物理攻撃よりも、石化光線に特化しているようだ。しかし、光線を避けるのは至難の業。


「石化を弾き返すためには•••鏡か、魔法の反射か•••」

アリオンは必死に考えを巡らせた。


その時、ふと、「リフレクション」という魔法のことを思い出した。

しかし、光の上級魔法8でまだ習得していない。


「どうすれば…」

必死に考えを巡らせていると、アリオンの目に一筋の光が宿った。


「ヴォイド・シフト!」

アリオンは虚空の魔法でトカゲの近くへ移動すると、トカゲがこちらを睨み付けた。


「ヴォイド・シフト!」

さらに、トカゲの後ろへ移動した。

トカゲはすぐさま向きを変えて睨み付ける。


「うう、足が••」

今度は右足をやられた。


「ヴォイド・シフト!」

さらに、トカゲの反対側へ移動したが、今度は左半身を石化された。


「くそ••••もう一つだけ!ヴォイド・シフト!」

最後の力を振り絞って飛んだ。


もう、左目も見えない•••

アリオンが着地すると、

「グレイシャル・ミラー!」

右手でシックスセンスを掲げると呟くように詠唱して倒れ込んだ。


その瞬間先程アリオンが移動していた4点を結ぶように氷の壁が現れた。


トカゲは驚いて鏡のように磨かれた氷に映る自分の姿を睨み付けた。


その瞬間、放たれた石化光線が鏡で乱反射してトカゲの背中に命中すると、みるみる石化してしまった。


右上半身以外石化してしまったアリオンは石像のように床に転がっていた。


時が止まったかのように静寂が辺りを包み込んだ。


コトン!

何かが動いた音がした。


彫刻のように固まったアリオンの身体は、そのままスーっと影のように消えてしまった。


「ヴォイド・ミラージュを使っておいて正解だったな•••」

左腕だけ石化したアリオンが影から現れた。


「分身じゃなかったら多分死んでたな•••」

アリオンは無機質な残骸を見て、背筋が凍る思いだった。


「今のうちに止めを刺しておくか!」

そう言って石化したトカゲの上にとび乗ると、

「分解!」

アリオンのスキルで粉々にしてしまった。


「なんか、ドロップしてるな•••バジリスクロックの眼か•••要らねー•••」

アリオンは一応ポーチにしまった。


「あれ、まだあるぞ?花の球根のようなものが2つ落ちていた。なんだこれ•••」


「こいつ、バジリスクロックっていう名前だったのか•••」

アリオンは何とか左手の石化だけで倒すことができたが、自分としては、不甲斐なさでかなりショックを受けていた。


「レストレーション!」

回復を試みるが、

「やっぱり効果なしか•••ずっとこのままなのかな•••」

アリオンはショックを受けながらも10階層を後にした。


11階層はオークがはびこっていた。


「くそ、左手が使えないから、魔法攻撃しかできないのが厳しいな!」

「グレイシャル・スピアーズ!」

すべてのオークを氷浸けにしながら進んでいった。


「ダメだ、もう魔力が•••」

そう言ってポーチから【ライフポーション】を取り出して飲み干した。


「ああ、生き返る!このポーションって、なんか異常に効果が高い気がするけど、気のせいかな?」

アリオンは、【ライフポーション】で何とか魔力を補充しながら、15階層まで降りてきた。


「やっと、休憩できる•••」

不自由な左腕をかばいながら、ポーチから家を取り出すと、ベッドへと雪崩れ込んだ。


アリオンはそのまま気を失ってしまった。


••••••••


死んだように眠っていたため、何時間経ったかも分からなかった。


「ふあーーー!よく寝たーー」

アリオンが左手で顔を触ろうとすると、

「痛て!」

左手が薄い石の欠片で覆われていた。


アリオンが右手で払うとポロポロと鱗のように剥がれ落ちていった。


「やった、石化が解けた!時間経過で解けるのか助かった•••」

アリオンは胸を撫で下ろした。


「そうだ、フィナベルに報告しなきゃ!」

アリオンは急いで日記を開くと愕然とした。


「フィナベル、それはないよーー!」

フィナベルの日記を見て大声でなげいていた。


••••••••


フィナベルへ


アドバイスありがとう!


お陰でバジリスクロックは討伐できました。


討伐時に、【バジリスクロックの眼】と【球根】×2がドロップしたので、ポーチへ入れておきます。


また攻略情報がありましたら、早めに頂けると助かります。

           

              アリオンより


••••••••


「フィナベル、もっと早く情報欲しかったよ!トホホ•••」

アリオンはそのままふて腐れてまた眠ってしまった。


次回 迷宮の贈り物と白光輝の守護妖精

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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