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元ヤン親父、鬼神と化す!


「あれ、迷宮の横に空けた穴が閉じてる!」

八雲がじっと迷宮の壁を見つめながら、不満げな声を漏らした。その顔には僅かな悔しさが滲んでいた。


「本当に、穴なんか空けたのか?」

ハーベルは訝しげな表情で八雲に尋ねた。

少し信じ難いような口調だった。


「もちろん、本当だよ!ねえ、ヤクモ!」

フィナベルが八雲の腕にしがみつきながら、まるで証人のように尋ねた。


「うん、そうだね。確かにあの時は•••」

八雲は少し困った顔をして答えたが、ハーベルの鋭い目線を受け止めてしっかりと頷いた。


その瞬間、ハーベルの瞳が怪しく光り、どこか不穏な雰囲気を漂わせた。その視線に、八雲は少し押され気味だった。


「トホホ•••」

八雲は思わず苦笑いしながら目を逸らした。


「じゃあ、パパ、40階層からね!」

フィナベルがチャンバー•アルチザンの転移所へ入っていった。


「フィナベル、すごいな!本当に自分でチャンバー•アルチザンを作っちゃうなんて!」

「うん、すごいでしょ!」

フィナベルは誇らしげに胸を張り、両手を腰に当てて満足そうに答えた。その小さな体には大きな自信が溢れていた。


しかし、次の瞬間、ハーベルの表情が一変した。


「じゃあ、ここからは、二人は見学でよろしく!」

ハーベルの口調が変わった。低く響くその声にはかつての“威圧感”が宿っていた。


「ヤバイ、あれは、昔のヤンキーモードだよ!」

「ええ、ハーベルさん、ヤンキーだったの?」

「昔ね!」

フィナベルが父をちらりと見上げ、少し怯えたように声を漏らした。


ハーベルが急に走り出した。その動きは電光石火のごとく速く、周囲の魔獣たちは次々と紙切れでもちぎるかのように、一撃で倒されていった。


⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐


「50階層はあのジジイか!」

扉の先には古びたローブを羽織った魔導師が一人、静かに佇んでいた。その視線はどこか挑戦的だったが•••。


「邪魔だ!」

ハーベルが突進すると同時に一瞬で魔導師を粉砕した。


「はい、次!」

彼は微塵の迷いもなく次の階層へと進んでいった。


「パパ、ヤバイね•••」

フィナベルは八雲の袖を掴みながら、恐る恐る父の背中を見つめて呟いた。

「何かに取り憑かれているようだ•••!いや、鬼そのものだね•••」

八雲もその異様な光景に完全に圧倒されていた。

二人は完全にドン引きしていた。


⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐


「はい、60階は•••いないのかよ!」

荒々しく扉を開けたハーベルは周囲を見回して眉をひそめた。


「はい、昨日倒しました•••」

八雲が申し訳なさそうに答えた。


「ちぇっ!」

ハーベルが舌打ちすると、そのまま走り出して次の階層へ突っ込んでいった。


「怖•••!」

「八雲、ごめんなさい、パパが•••ちょっと無茶しすぎで•••」

フィナベルは小さく肩をすくめながら申し訳なさそうに謝った。


ハーベルの勢いは止まらず、どんな敵も容赦なしで千切っては投げ、千切っては投げで無双していった。まさに人間離れした光景だった。


⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐


「はあ、はあ、はあ、はい!100階層!」

息を切らしながらも、ハーベルは鬼神のような姿でついに100階層に到達した。


その瞳には戦闘に対する狂気と、娘を守るための燃えるような決意が渦巻いていた。

次回 まさかの求婚!?修羅場と感動の救出劇!

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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