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タイムリミット寸前!?娘の涙と奇跡の復活!


「いやーーーー!パパやめて!」

フィナベルが泣き叫びながら身を震わせた。

彼女の声は静寂を切り裂き、感情の奔流をさらけ出していた。


「フィナベル、フィナベル、大丈夫だよ!」

八雲が彼女を優しく抱きしめ、落ち着かせようと声をかけた。手に持った日記を開きながら、状況を必死に把握しようとした。


「5分しかない!」

八雲の声には焦りが滲んだ。


「フィナベル、泣いている暇はないんだ!一緒にやるしかない!」

八雲は彼女の肩を軽く叩きながら、優しくも強い言葉を紡いだ。


「いやだ、パパはそんなことしちゃダメ!」

フィナベルは涙を流しながら八雲の腕にしがみついた。


しかし、八雲の瞳には覚悟が宿っていた。

「取り出すだけなら僕にもできるはず。フィナベルも手伝って、パパを助けよう!」


「パパが来るの…?」

フィナベルはその一言に目を見開き、震える手をポーチに伸ばした。


フィナベルがポーチに手をかざすと、その中から冷たく横たわるハーベルの身体が現れた。


「パパーーー!」

彼女はその場に崩れ落ち、ハーベルの体を抱きしめた。


「フィナベル、早く蘇生を!」

八雲が切羽詰まった声で促した。

「うん•••」


「ええと、ええと、なんだっけ•••」

フィナベルは混乱し、何をすればいいのか分からなくなっていた。


「フィナベル、落ち着いて!」

八雲が彼女の顔を両手で挟み、まっすぐ目を見つめた。


「ああ、ヤクモ!」

フィナベルは八雲の冷静さに励まされた。

「フェニックス•レストレーションだよ!」

八雲が優しく教えると、フィナベルはそれを思い出し、急いで詠唱を始めた。


「ああ、そうだ!フェニックス•レストレーション!」

ハーベルに抱きついてフィナベルが力強く呪文を唱えると、静寂が訪れた。


シーーーン•••


「何も起こらない!パパが、パパが•••」

フィナベルは取り乱し、涙が止まらない。


「あれ、どうして•••」

八雲は周囲を見回しながら何か問題があるのではと考え始めた。


「ああ、指輪を外さないと!」

「そっか!」

その言葉にフィナベルが急いでハーベルの指輪を外し、再び詠唱した。

「フェニックス•レストレーション!」

彼女の叫びは切実で、全身の力を込めて紡ぎ出された。

再び沈黙が流れた。


シーーーン•••


「ウソーーーーーーー!パパ!」

フィナベルは崩れ落ち、涙に暮れた。八雲も言葉を失い、ただ立ち尽くしていた。


「嘘だろ•••」

八雲もどうしていいか分からなかった。


突然、静寂を破るように、ハーベルが激しく息を吸い込んだ。

「うっはーーーーー!」

その声は驚きと生への執着が込められていた。


「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ•••」

ハーベルは激しく咳き込みながら目を開けた。


「死ぬかと思った•••いや、本当に死んでたな•••」

彼は少し苦笑しながら力なく言葉を紡いだ。


「パパーーー!」

フィナベルは涙を流しながらハーベルに飛び込んだ。


「おお、フィナベル!やっと会えたな」

ハーベルは彼女を優しく抱きしめ、そのまま静かに体を寄せた。二人はしばらく動けないままその場に佇んでいた。


⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐


その頃、ルミナラでは異変が起こっていた。


突然空が暗くなり、黒い雲が空一面に広がった。稲妻が轟き、激しい豪雨とともに地響きが王宮を揺るがせた。その雷鳴は耳を裂くような轟音となり、周囲を包み込んだ。


「停電•••?」


その瞬間、チャンバー・アルチザンは完全に停止し、全ての動作が止まった。2~3分後、再び動き始めるも、その異常さは誰の目にも明らかだった。


「何か、イヤな予感がする•••」

クラリッサが空を見上げ、漆黒の雲を見つめながら静かに呟いた。

次回 血走った瞳の奥にあるもの•••娘を思う父の狂気!

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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