タイムリミット5分!?父の愛は死をも超える!
「ほら、みんなには伝えよう!」
レオンがハーベルの肩を優しく叩きながら、説得するように言葉をかけた。
「分かった、すまん•••」
ハーベルは深く息をつき、申し訳なさそうにうなずくと、静かに立ち上がった。四人はハーベルを囲みながら、決意を固めて皆の元へ向かった。
広間に集まった仲間たちは、不安そうな顔で彼を見つめていた。
「ハーベル、絶対に戻ってきてね!」
ネルが声を震わせながら叫んだ。
「ああ、絶対に生き返って戻ってくる!」
ハーベルは静かで強い目をしながら答えた。
「アリオン、作戦の内容をフィナベルに伝えてくれ!」
ハーベルの鋭い指示に、アリオンは気を引き締めて頷いた。
•••••••••
フィナベルへ
超重要ミッションです!
ハーベルさんが、そちらへ行きます。
ただし、生きたままではポーチを通り抜けられないので、一度死にます。
100階層のボスの宝箱でドロップした【仮死の指輪】と言うものがあって、5分以内に蘇生しないと本当に死んでしまいます。
ハーベルさんが、ポーチに入ったらすぐに取り出して、
フェニックス•レストレーションで蘇生してください!
タイムリミットは5分です!
信じてるよ!
アリオンより
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「ハーベルさん、書きました!」
アリオンは緊張した様子で書き上げた日記を手渡した。
「アリオン、ありがとう、返事を待つしかないな!」
ハーベルは静かに目を閉じ、全神経を集中するように座り込んだ。
⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐
「ヤクモ、メチャクチャな作戦を提案してきたんだけど•••」
フィナベルが困惑しながら、手にした日記を見せた。
「どうしたんだ?」
八雲が彼女の日記を受け取り、内容を確認すると、一瞬表情が険しくなった。
「ハーベルさんの決意はすごいけれど、これ•••危険すぎる作戦だな。でも、すぐに蘇生すれば大丈夫かもしれない」
八雲が腕を組み、深く考え込んだ。
「でも、もし失敗したら•••私•••どうすればいいの?」
フィナベルの声は震え、涙が目に浮かんでいた。
「返事をどうする?」
八雲が迷うように問いかけるが、フィナベルは苦しそうに首を横に振った。
「私は決められない•••怖くて書けない。」
フィナベルは机に突っ伏し、涙がこぼれた。
彼女は、日記を書こうとはしなかった。
⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐
「アリオン、返事は?」
ハーベルが穏やかだが焦りを隠せない声で尋ねた。
「来ません!恐らく、迷っているんでしょう!」
アリオンが俯きながら答えた。
「このままでは進まない。こっちから強行するしかない」
ハーベルは決意を固め、深く息を吸い込んだ。
「アリオン、こう書いてくれ•••」
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フィナベルへ
パパだよ!
よく聞いてくれ!
今から5分後に俺は死ぬ!
俺は、お前を信じている!
俺を取り出して、蘇生してくれ!
愛している、フィナベル!
ハーベルより
•••••••••
「本当にこれでいいんですか?」
アリオンは震える声で問いかけた。
「ああ、大丈夫だ。頼む。」
ハーベルは覚悟を決め、アリオンの日記をポーチに静かに収めた。
次回 タイムリミット寸前!?娘の涙と奇跡の復活!
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