アルケウス激怒!鉄壁の迷宮、崩壊の危機!
「フィナベル、40階層って金属が出るんじゃ!」
八雲は目を輝かせて興奮気味に声を上げた。
「そうだね!また、貴重な金属をゲットしちゃいましょ!」
フィナベルが八雲の勢いに応えた。
「オッケー!」
二人は意気揚々と進んでいった。
だが、40階層に到着した瞬間、目の前に立ちはだかるのはお馴染みの強敵たちアイアンゴーレム、アストラリウムゴーレム、そしてルーンタイトゴーレムだった。
「アイアンゴーレムはヤクモに任せるね!」
フィナベルが指示を出した。
「了解!」
八雲が自信満々にうなずく。
「ルーンタイトは古代語でしか攻撃が通らないから私が対応する!」
「オッケー!」
「アストラリウムゴーレムには炎が効かないみたい。でも、究極魔法なら倒せるらしいよ•••」
「そっか、気合い入れてやるしかないね」
八雲は素早くアイアンゴーレムに向かうと、鋭い炎の矢を胸元に突き刺し、その巨体を倒した。
「こっちは片付けた!」
八雲は得意げにフィナベルを振り返った。
「はーい!」
フィナベルは笑顔で答えた。
彼女が持つ二丁拳銃が光を帯びたかと思うと、ルーンタイトゴーレムに向かって次々に弾丸を放った。
その弾丸には古代語で刻まれた「分解」の魔法が込められており、銃弾がゴーレムの体を貫くたびに巨体が崩れていった。
「何、その銃弾は?」
八雲が驚きつつ声を上げた。
「古代語で「分解」スキルを込めた銃弾だよ!」
「なんでもありですね•••」
フィナベルが胸を張ると、八雲は少し呆れながらも微笑んだ。
「あとはアストラリウムゴーレムだけだね。」
フィナベルがそう言い終わらないうちに、ゴーレムがものすごい勢いで突進してきた。
フィナベルは反応が間に合わずその場でしゃがみ込んだ。
「危ない!」
八雲が咄嗟に矢を放ち、ゴーレムの腕がフィナベルの頭を砕こうとする寸前で凍りついた。
「キャーーーー!」
フィナベルがゆっくり目を開けると、巨大なパンチが氷の中で停止しているのを目にして驚き、腰を抜かしてしまった。
「ヴォイド•シフト!」
八雲が素早く移動して来てフィナベルを抱き寄せた。
「これじゃ不十分かも!ヴォイド•シフト!」
フィナベルを連れて距離をとった。
八雲が【サンストーンボウ】をビュンと取り出して構えると、
どこからともなく太陽の光が満ち溢れて、矢の先に集中していくと、アストラリウムゴーレム目掛けて巨大な大木ほどの太さの光線が放たれて、ドロドロに溶かしてしまった。
その攻撃の先には、外まで続く大穴がポッかりと空いていた。
「やば、やりすぎて、迷宮に穴空けちゃった•••」
「ヤクモ、やり過ぎ!」
フィナベルが彼の頭をポカンと叩いた。
「痛て•••ごめんなさい•••」
八雲は頭をかいていた。
「金属、ドロップしてるね!」
「うん、回収完了!」
「ついでだから、その穴から外に出たら早いんじゃ?」
「あ、本当だ!」
「その前に、帰ってこれるようにチャンバー•アルチザンを置いてと!」
「さすが、ヤクモ!」
二人は外へ出ると、ちょうどピラミッドの中腹くらいだった。
「オッケー!」
「楽に出られた!」
二人は階段を降りて家へ戻っていった。
⭐☆☆☆☆☆☆☆⭐
迷宮の創造主アルケウスは、彼らが残した巨大な穴を見つめながら激怒していた。
「アイツら、ふざけるなーーー!」
「私の創成迷宮に穴なんか空けやがって!絶対に許さんぞ!」
怒りで顔を真っ赤にし、拳を震わせた。
「あら、もうそろそろダメかもね...。」
ヴェラドナは肩をすくめ、呆れた様子でアルケウスを横目に見た。
次回 【仮死の指輪】に託す娘への想い!
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