快適な休息と夢に隠された謎!
2階層は、ブラッディスライムとポイズンスライムがいるようだった。
「ポイズンスライムの方は毒耐性があるからそれほど問題ないけど、ブラッディスライムの方は近付かずに仕留める方法を考えないとな•••」
そんな独り言を呟きながら進んでいく。
「ブラッディスライムだ!」
アリオンはシックスセンスを構えた。
「雷でやってみるか!」
シックスセンスを掲げて、
「サンダー!」
と詠唱すると、凄まじい稲光で一瞬、目が眩んだ。
ブラッディスライムはどろどろになって溶けていた。
「なんだ、今の?僕のサンダーはこんなに威力はなかったはずだけど•••」
アリオンが不思議そうに言った。
「ああ、もしかしてこのシックスセンスのおかげか?」
シックスセンスをまじまじと見ながら呟いた。
「なるほど、全属性強化がついているナイフだから、杖の代わりに使用すれば、単純に魔法の威力が上がるのか!」
とても嬉しそうにシックスセンスを掲げた。
「フィナベル、ありがとう!」
アリオンはその調子で順調に進んでいった。
「アイテムは、生命の石と毒の素ぐらいしか出ないか、とりあえず、ポーチへ入れておこう!あとは、魔晶石かな•••」
アリオンはそう言いながら、3階へと降りていった。
この迷宮は、どんどん下へ続いているようで、下の階層へいくほど広くなっている。いわゆる、ピラミッド構造のようだった。
「次は5階層か!」
アリオンが警戒しながら階段を降りていくと、
「なんだ、ここは?」
そこは何もないだだっ広い空間で、魔物も一匹も現れなかった。
「休憩場所か?」
アリオンはそう言って壁にもたれながら座って、休息を取った。
「何か食べ物と飲み物はないかな?」
ポーチの中を探していると、パンとミルクが入っていた。
「こんなところで、暖かいパンとミルクが食べられるなんて•••」
アリオンは少し涙が出てきた。
「寝るときはどうしよう?」
またポーチを探していると、
「ベッドと布団まで入ってる!これは?•••はあ?•••家?」
アリオンが取り出したのは木造の可愛らしい家だった。
「こんなのまで入ってるのか?」
驚きながらも、家を設置して中に入って見ると、さらに驚いた。
「これは•••マジの家だ•••」
家の中には、すべてのものが揃っていた。しかも、風呂やトイレまで完備されていた。
「完全に住めるなここなら•••」
アリオンはとりあえず、さっきのベッドや布団はしまって、備え付けのベッドで少し仮眠をとることにした。
••••••••
「アリオン•••アリオン•••」
夢の中で誰かが呼んだ気がした。
「アリオン•••こっちだよ!」
声の主は、子供のような可愛らしい声だった。
「アリオン!ここへ来て助けて!」
なにやら助けを求めているようだ。
「ここへ早く来て!」
周りにぼんやり浮かぶ風景は、確かにこの迷宮の内部のようだった。
「お願いだよ!」
声の主はそう言って消えてしまった。
その場所は、周りに6本の光る柱のようなものが、かすかに見えた気がした。
••••••••
「ああ、変な夢だった•••」
アリオンはアクビをしながら台所へ行くと、冷蔵庫にあった水をグビグビと飲み干した。
「ヤバい!快適すぎる•••」
だが、フィナベルのことを考えるとそうも言っていられなかった。
次回 フィナベルのオリジナル錬金術!?
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頑張って続きを書いちゃいます!