15:モード:ガルム!
「――いくぞ、『ワイルド・コボルトガルム』!」
『グルゥウーーーールッ!』
相棒の進化を知ってから一週間後、俺はヴォーダン領近辺のモンスターたちを狩りまくっていた。
生まれ変わったコボルトの調子は上々だ。木々の間をローラー移動で駆け抜けながら、逃げまどうトロールたちを斬り裂いていく。
「流石は整備長だ、いい仕事をしてくれたな」
俺は新調されたコクピットの壁をそっと撫でた。
今のコボルトの装備は進化前とは一味違う。
まず筋力が増強したことで、さらに重くて強力な装備を纏えるようになったのだ。
前は左腕に牽制用の小口径ガトリングを仕込んでいたが、それを中口径のものに付け替えた。
これで離れた敵にも十分なダメージを与えることが出来るはずだ。
俺はさっそくソイツを使い、バタバタと駆けていくトロールの背中を穴だらけにする。
大剣や装甲もさらに分厚くて頑強なものに変えたため、機体性能は全体的に高まった。
もはやそこらの強力なモンスターを素材とした魔導機よりよほど高性能といえるだろう。
器用貧乏だったコボルトは、見事に万能機体へと生まれ変わったのだ。
……だけどそれで満足する俺じゃない。
万能=最強になったというわけでもないし、男だったらさらにその先を目指すべきだろう。
そこで俺はいざという時の『爆発力』を得るべく、整備長に無理を言ってとある機能を搭載させてもらった。
「さぁコボルト、モンスターどもに新しい力を見せてやろうぜ! ――全リミッター限定解除、疑似的暴走状態『モード:ガルム』発動ッ!」
『ガァアアアアアアアアーーーッ!』
俺の意思に応え、コボルトが高らかに咆哮を上げる――!
急激に高まっていく魔力消費量。足元のダッシュローラーが灼けつくほどの猛回転を起こし、悲鳴じみた異音が森に響く。
こちらをギョッと振り向いたトロールたちの目に、瞳を赤く光らせた人狼機の姿が写った。
そう、俺はあえて魔導機を『暴走』させる機能を搭載させたのだ。
……というかただ単に魔導機の頭部に施された感情制限機能をゆるゆるにしただけである。
そのため改造自体は五分で済んだんだが、整備長のダインからは『おめぇ馬鹿じゃねぇの?』というありがたい言葉をいただいた。
まぁ、車で言うならブレーキガバガバにしてくださいって注文したようなもんだしな。
でもいいだろうが。暴走といったら男の子のロマンだろうッ!
それに、
「俺たちだったら問題ないよなぁ、コボルト!」
『ワフゥーッ!』
元気に吠えてくれる相棒が可愛い。
暴走の問題点は『搭乗者の意思とは関係なく動いてしまうこと』だが、そんなもん普段から仲良くしてりゃいい話だ。
むしろ俺とコボルトの場合、同調率がさらに高まり、まるで生身で森を爆走しているような気持ちよさを感じていた。
「さぁ相棒、復活祝いだッ! 魔力がすっからかんになるまで暴れ回ろうぜー!」
俺たちは大剣を高らかに構え、音速にすらも迫る速さでモンスターどもに飛び掛かっていった――!
・ロマン機能、さらに搭載――!(まだまだポコポコ増やしていきます!)
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「魔物の言葉がわかる俺は、彼らと共に国を出る~俺は魔物たちと国を作って幸せになるから、俺や魔物を虐げたやつらは悪いが勝手に絶滅してくれ~」




