【戦闘描写練習】剣VS剣
※練習のための小説なので、登場人物の名前は「A」と「B」です。戦闘に至った背景等は練っていませんので悪しからず。
AとBはお互い睨み合ったままで微動だにしない。相手の呼吸を感じ取り、気の緩む一瞬を逃すまいとしている。
火の粉を運ぶ微かな風が、2人の間を縫っていく。1つ、大きな灰の塊がAとBの目前を通過した。
次の瞬間――。
ヒュッと銀が空を斬り、思いもよらずに土に突き刺さる。先に一閃を引いたのはBであったが、AはBの剣の軌道を予測しすぐさま横に飛び退いた。力強く両手で縦に振り下ろされたBの剣は、獲物を捕らえることができずに自身の重みと反動で切っ先をAのいた場所に埋めている。
反射的にBの攻撃を躱したAは、瞬時に態勢を整え確かに両手で剣の柄を握るとBへ向かって右足を一歩踏み込んだ。
「でやあああ!!」
雄叫びとともにAは真一文字を描く。しかしBはまさに目と鼻の先でそれを避け、土に埋もれていた切っ先を引き抜くと同時に後ろへ飛んだ。Bの瞳にはギリリと歯を食いしばり、舌打ちをするAの姿が映る。たった今、目前を通過したAの切っ先はBの前髪を2ミリほど切り落とした。すんでのところで避けたにも関わらず、眉間に傷を残されたような熱を持った錯覚を覚える。
BがAの攻撃を分析しながら着地の構えを取ろうとしている最中、AはBの着地点を見極め脚を斬り落とすべく再度剣の柄を握り直し中段の構えを取る。
ギュッとAが剣を握る音がBの耳にも届いた。それと同時に、Bは態勢を変え、自身の足下を薙ぎ払う。すると、Aの構えは崩され横にふらついた。Bはその隙は見逃さず、着地するや否やAの無防備な剣を掴む手を捻り上げ、後ろに回る。背後からAの首筋に剣を押し当て、そのままAを押し倒した。
「……勝負あったな」
未だ暴れるAを力尽くで押さえつけ、さらに項に当てる剣に力を込める。辛くはあるが、勝負に負けた者に情けは無用だった。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。途中で細かく書きすぎかなぁと思ったので、早々に決着をつけさせました。
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今後のお題予定:剣VS弓、剣VS魔法etc