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作者: ゆうすけ

その女には、腕に爪を立てて引っ掻く癖が有る。


どうしようもなく宛もなくイライラして。


段々胃腸もキリキリして。


イライラしたって、キリキリしたって、

何もいい方向には転ばない。


今日もそんな気持ちになったから

女は少し伸びていた爪を立てたかった。


しかし、いつも隠れてやっていた。

学校や部屋で1人の時に。

まるでリストカットの様に。


1人になれない状況から

女は爪を立てることが出来なかった。


引っ掻きたくてたまらなかったが

女は勢いよく爪を切った。


大きく音を響かせる。

女は無口で無表情だった。


一人になれた時にようやく気付いた。

深爪になっていた。




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