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名前のないどこにでもあるただの物語  作者: 5110
名前のないどこにであるただのプロローグ
4/11

名前のないただどこにであるただの厄介

これでプロローグ終了です。次回から学校編開始です。

厄介


1面倒くさいこと。扱いに手数の掛かること。煩わしいこと。またはその様。


2面倒を見ること。または面倒をかけること。


などと辞書を引けばそういう説明が出てくるだろう。この場合の厄介は前者だ。


「何突っ立てんのよ。私を助けなさいって言ってるでしょ。聞こえていないのかしら?」


まだ騒いでいらっしゃる厄介の化身。騒がしていても奴らが来るとそれ以上に面倒なので彼女の檻に近づき檻を切った。そして彼女の首についている首輪を切る。そうすると彼女は偉そうに俺の頬をぶった。


「なんで聞こえていたのに聞こえていないフリをしたのかしら。あなた私を無視したわね。この私のことを」


イラっときているがここは元日本人サラリーマンの俺。日本で生きているうちに覚えた処世術『我慢』を使った。しかし彼女の唾マシンガンは止まらない。


「あんたここから出ようとしてたみたいじゃない。決めたわ。あなたに私の家まで案内をさせてあげましょう。よかったわね」


心で思っているウゼェという言葉が顔どころか身体中から出ているというのに築かない彼女。まだ続ける。


「何してるのかしら。そんな顔して。さっさと出るんじゃないのかしら。早くしなさい。それとも私の美貌に見惚れているのかしら」


この生物?は何を言っているのだろうか。通訳が欲しい。こちらと同じ言語を使っているのかもしれないが違うかもしれない。もしかしてありがとうとか言っているんじないか。


「私の美貌に見惚れるのは当然の反応だけどダメよ。あなた程度じゃね。私ほどの存在をあなた程度が釣り合うとでも思っているのかしら」


まぁコレにはあまり関わらないでおこうと心に決めて俺は壁の方を向いた。


「壁なんか向いてどうしたのかしら。まさか狂ったの。出口はこっちよ付いて来なさい」


そう言いながら彼女は奴らのいる方向に歩いていこうとした。


「ハァ」


俺はついウッカリ出てしまった玉行きのあと魔力を棒に込めた。先程の鉄の棒よりもこちらの方が硬そうだ。魔力を鋭く細くしてそれを振り抜いた。


「あら何をしているのかしら。やはり狂ったのじゃあもう使い物にならないわね」


「ハァ」


そう俺が溜息をついた。ここで溜息が出た俺は何も悪くないだろう。俺は少し壁を横に押した。するとドシンッという音した。そして風と光がぽっかり穴から入ってきた。


「へぇ。平民でも少し暗いわやるじゃないの。じゃあ行くわよ。付いて来なさい」


「ハァ」


溜息が止まらなくなってしまいそうだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




外に出て少しすると大通りに出た。すると彼女を探していたらしい家の人が来た。


「お嬢様〜。大丈夫でしょうか。何があったのでしょうか」


一応俺は彼女を押し付けてもよかったが恩を売ってもいいだろうと思ったので喋ろうとした。


「あのー「お前が犯人か!!」えっ?」


すると周りにいた衛兵みたいなのに捕まった。厄介ごとは続くらしい。


「連れてけ」


「あのぉーおれのはなしぃーきいてくれませんかぁー」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




今日は厄日らしい。俺は牢屋に入れられた。二回も!!話を聞いてもらえなかった。二回も!!面倒くさいのにあった。二回も!!唾マシンガンをくらった。二回も!!


あの後、尋問があった。俺の話を一切聞いてくれない彼らは俺を完全に犯人扱い。犯人だったら彼女といない。彼女は彼女で自分の話を無視したとか、狂ったような行動をとったとか変なことばかりを言って誤解をさせるし。選択を間違えてしまったらしいと後悔をしたって仕方ない。俺は牢屋から出ることにした。看守さん的なことやってる人に言った。


「あのー」


「なんだ」


反応してくれた。よかった。


「濡れたタオルとかありません。体が気持ち悪いので拭きたいのですが」


「我慢しろ」


拒否られた。まぁ仕方がない。ではこれでどうだ。


「あのー」


「なんだ!」


なんかイラついていらっしゃる。まぁ別にどうでもいい。


「吐きそうなのですがどうすれば」


「ちょっと待ってろ。吐かれると匂いがさすがにきつい」


と言って彼はどこかへ行ってしまった。俺は魔力で手刀を作り出し牢屋の鉄の棒を切った。そしてその一本をもち、壁を切った。そこから俺は脱出した。


5分後...


「オイ!持ってきた…ぞ?」


彼が帰ってきたとき待っていたのは心地よい風と暖かな光だった。


「犯人が脱走したぞー!!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 俺は体中に魔力を循環させて走っていた。


「クソッ。なんかウザいお嬢様の重りさせられるは、無実の罪で捕まるは今日は本当に厄日だな」


「いたぞ!脱走者だ!捕まえろ!!」


 俺の前に現れたのはこの家の私兵だった。


「私兵といい牢屋といいこの家はほんとにどんだけの金持ちだよ」


 そういいながら俺は方向転換した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 その頃屋敷のある一室で。


 貫録のある男が椅子に座っていた。彼の名前はジェン・リバート。リバート家というドールの中でも一際大きな権力を持つ家の当主だ。年は見た目は四十打後半なのに対して六十四。


「当主様。お耳に入れたいことが」


 そういって現れたのはこの家の私兵だった。


「なんだ」


「先ほど捕まえた者のことなのですが」


「その者は脱走今は逃走中とのことです」


 その報告を受けたジェンは、面白そうな下で顎を触った。


「ほぅ。あの牢屋から。どうやって」


「何とも信じがたいのですが、牢屋の柵を何らかの手段で切り落とし、そしてその柵で壁を切ったようです」


 それを聞いたジェンは笑った。


「くくっ柵を使っただと。面白いことをするものだ。ところで何らかの手段とは」


 そうジェンが言うと私兵はばつの悪そうにした。


「その...ですね。大変申し訳ないのですがその時の見張りがどこかへ行っている時にやったことだそうなので。残念ながら」


「ふむ、そうか。...では捕まえたら私のところに連れてこい」


 ジェンがそういうと私兵は頭を下げて出て行った。誰もいなくなった部屋でジェンは一人窓のほうを向いていた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 俺はかなり追いつめられていた。


「くそっ。敵が多すぎる」


「君はもう逃げ場がない。おとなしく投降したらどうだい」


 優男風の私兵が俺にそう言ってきた。


「へっ、逃げ道がないか。あるじゃないか」


 優男風の私兵が笑いながら言った。


「ハハハ。笑わせてもらったよ。なんだってどこに逃げ道があるって」


 俺は鉄の棒に魔力を込めた。そしてあふれた魔力を鉄の棒を覆うようにした。その鉄の棒で優男風の私兵に横からの一撃を耳の下あたりに当てた。


「俺の目の間に、だ」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




あの後俺は私兵相手に戦った。しかし


「グハッ」


数の暴力によってやられてしまった。しかし、あの優男風だけは潰しておいた。


「大人しくしろよ。その棒はこちらで回収させてもらう」


俺の手から鉄の棒が奪われた。俺は武器を失ってしまった。


「お前らは散れ。私と後2人でいい。こいつはもう戦えん」


俺は関節を完全に極められているため大人しく連行されることにした。連行されていると屋敷の中に入った。


「なぜ屋敷に入ったんだ。牢屋送りじゃないのか?」


「当主様の命令だ」


しばらく歩いていると一つの部屋の前についた。一人の私兵がドアを叩いた。


「入ってこい」


その言葉をの後、ドアをノックした私兵は俺と関節を極めている私兵が入れるようドアを開けた。


「ようこそ、脱走者君。というよりも我が孫の恩人君、と言ったほうがいいかね。まぁ座りたまえ」


俺の目の前には圧倒的存在感を発している男が座っていた。俺は私兵に座るように指示されたのでその前に座った。すると私兵達は俺を置いて部屋から出て行った。


「俺みたいなのを何故こんなところに連れてきたんだ」


普通、小説などの創作物語はこういう時敬語を使うだろう。しかし俺は使わなかった。何故ならここでの立場は相手の方が上だろうが、こんなとこまで連れてきたのだ。相手は俺に対する処置を決めているだろう。さらに俺をここに連れてきてもなんともないという自信があるのだろう。それに俺が自分を敬わないからといって怒るような奴俺の一番嫌いな人間だ。その場合、手を出してきた瞬間に


「君は取り繕わないみたいだね。それもいいがね、少しくらいは覚えておくといい。これから君が行く場所を考えるとね」


つまり、本格的な牢獄に入るからそこで看守などにいい顔をしていると罰とかを情で免除してもらえたり、飯をくれたりとかするかもですよっていう風なことか。そこへ行ったら俺多分すぐ脱出するから、脱出3回になるな。脱出3回とは俺はなかなかにレアな人生を送る事になるんだな。


「俺が行くところですか」


「そうだ。君がこれから行くところはね、学校だよ」


そうか。学校か。てっ学校?何故に。てっきり


「牢獄にでも入れられるとでも思ったかい。まぁ普通そう思うだろうね。なんせ人の家の壁を切り抜いたんだからね」


うぐっ。痛いところを突かれた。


「まぁそれはおいおい修理費を払ってもらうとして、君には私の孫のレインと一緒に学校へと行って欲しいんだよ。簡単に言えば孫のボディガードといったところかな」


そうか。あのご令嬢の事だ。いらん事ばかり言っていらない喧嘩の20や30を買うなど朝飯を通り越して昨日の晩飯前だろう。


「私もそんな態度はあまり取るものではないと言ったのだがね、あの子の親が完全な親バカという奴でね」


そう言いながら彼は苦笑を浮かべていた。


「一ついいですか」


「なんだい」


俺は深呼吸をした後言った。


「なんで俺を選んだ。俺はあんたらにとってお嬢様に何かした犯罪者じゃないのか?」


俺がそう言うと彼は笑って言った。


「ハハハッ。いやいや私は君が犯罪者とは思ってないよ。孫にも話は聞いたしね。私の孫は説明下手で自分が思った事から話す癖があってね。最後まで聞けば君が恩人だとわかるのだなね。我が孫の場合、本当の事を聞くためには30分ほどの愚痴を聞かなければならないから私兵たちはそこまで彼女の話を聞いていなかったんだろう」


なんとも厄介なお嬢様だ。


「という事で君が孫の恩人であるということは孫の口からきいているからね。そう言うわけだから、君には学校行ってもらうことになった。正式に君を雇ったことにするから君はこの家の私兵の一人とするよ。まぁそれも彼女が学校を卒業するまでだ。それが終わったら、本当に契約を結ぶも何処かへいくのもどちらでもいい。それで聞きたいことは終わりかな。終わったのならそこの彼に部屋を聞いて行くといい」


俺はそれを聞いた後、一呼吸置いて言った。


「いえ。私から聞くことはありません」


そして立ち上がり彼に背を向けて部屋を出ようとした。すると彼は俺に向かって言った。


「ああ聞きたいことがひとつあったんだかいいかね」


俺は彼に向き直った。


「俺が秘密にしたいこと以外ならなんでも答えますよ」


フフッと彼は笑いながら言った。


「君の名前を聞いていなかった、と思ってね。ちなみに私の名前はジェンだ。ジェン・リバートだ」


「俺はレオ。レオ・シモンドです」

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