名前のないどこにでもあるただのサバイバル
なんかレインとクロノスを喧嘩させないようにするので手一杯になってしまう。誰だこんなキャラ作ったの。よしこれからクロノスの渾名ウザノスな。
学校が管理している森の前に俺達Aクラスはいた。
「今日は森での実戦訓練だ。今回も森の奥には行くなよ。今回は3時間この森の中でサバイバルしてもらう。パーティ組んでもいいぞ。じゃあ始め」
先生の一言で生徒全員が動き始める。
「レオ、行くわよ」
「はいお嬢様」
俺とレインは森に入ろうとする。するとやはりクロノスがやってきた。
「お〜れ〜も〜、い〜れてェ〜」
「いやよ」
レインは速攻で拒絶した。まぁ気持ちはわからないでもないが。
「いいじゃありませんかお嬢様」
クロノスの諦めのなさは異常だ。断ったって駄々をこねてうるさいのだ。
「いやよ」
「入れてよォ〜ネェ〜」
レインはレインで超頑固だ。一度決めるとなかなか譲らない。あとクロノスうざい。
「レインお嬢様、貴族なら多少、いえとてつもなく嫌いな相手でも一緒にいなければならない時があるのです」
「うぅっ」
「レオくゥ〜ん。すっごいィ〜酷いんだけどォ〜」
レインはそれをわかっているようだ。後ろでうざいのがなんか言っているが無視。
「それにですねお嬢様。この状況を見て他の方はどう思うでしょう」
そう言うとレインは周りを見る。レインがすごい顔を歪めさせる。
「わかったわよ連れていけばいいんでしょう」
「やったねェ〜。キラッ」
レインは若干キレ気味で言う。クロノスはなんかうざい。あと擬音を自分の口で言うとすっごく恥ずかしいということを知らないのだろうか。
「行くわよ」
レインはまだイライラが継続中のようだ。
「はいお嬢様」
「はァ〜い。お嬢様ァ〜」
レインは俺とクロノスの返事を聞き森に入っていく。俺達もそれに続いてはいった。
森の中での3時間のサバイバル。それは意外にも精神を削るものだった。
「ハァ!」
レインの魔法により生み出された氷塊が蜘蛛の体を潰す。レインの後ろに大きな影ができる。熊の魔物がレインを後ろから襲おうしていた。レインはそれに気づき、俺を呼んだ。
「レオ!」
「はいお嬢様」
レインを飛び越えて熊の魔物の首を魔力刀で斬る。そして熊の身体を蹴って足場にし、地面に着地する。俺が着地すると同時に熊の魔物が倒れた。すると近くの草むらから狼の魔物が飛び出してきた。その狼に横から飛んできた石が当たる。
「危ないです、よォ〜〜」
その言葉とともに石爆発した。狼は頭が吹き飛んでいた。開始から30分ほどたった。先程から魔物の奇襲に何度も合っている。体力と気力を奪われている。流石にこれはキツイ。
「結構魔物、多いですね。お嬢様」
「い、意外とここの魔物は強いじゃない」
「動揺してるよォ〜、レインちゃァ〜ん」
ムキーとクロノスにキレるレイン。普段なら少しは我慢するが流石に切れていらっしゃる。突然二人が喧嘩を止める。そして3人とも座っていた場所から跳んで地面からの攻撃を避ける。そこに現れたのは地面から出ている部分だけで1.5m程ありそうな蚯蚓だった。
「キモッ」
クロノスが驚いた。レインは両手を地面につける。
「アイスフィールド」
レインの触れている場所から凍っていく。蚯蚓は地面の中に入ることでその攻撃を避けた。俺とクロノスは氷の上に乗った。
「なぁクロノス、あいつ、地面から出せないか」
「正確な位置わかんないからムーリー」
ピキッという音と共に俺の足元の氷にヒビが入る。俺は後ろに跳んだ。クロノスはその氷を脚で踏むが蚯蚓が足絡みつく。
「ウワッキモッ。シィ〜ネッ」
蚯蚓の周りの砕けた氷の破片が膨れていく。そして爆発した。そしていつの間にか脱出していたクロノスがシュタッと氷に着地する。
「キャー」
声のした方を見るとレインが蚯蚓に捕まっていた。チッ、一匹じゃなかったのか。
「あららァ〜」
クロノスは動く気はないようだ。彼の魔法ならレインを傷つけてしまうかもしれない。そうなると後がうるさい、ということをわかっているようだ。俺は魔力を足の裏で渦のように回す。そしてそれを跳ぶと同時に開放する。すると身体は一瞬でレインの目の前に着く。これは俺が縮地と呼んでいる技だ。まぁどっかの拳法にあった技名だったと思うが気にしない。俺は魔力刀で蚯蚓を切り裂く。身体が地面から出ていればこっちのもんだ。レインがドサッと倒れる。
「大丈夫ですかお嬢様」
俺はレインを起こしながら言う。
「遅い」
レインは俺に怒りながら言う。
「遅いわよ」
二度も言われた。
「すみませんお嬢様」
レインの不注意のくせに偉そうだ。それにあの時レインが冷静になれば、蚯蚓を凍らせて倒せたはずだ。助けられたくせに生意気だ。心の中で毒を吐く。
「なんか変なこと考えてないかしら」
げっ。なんか意外と勘がいいな。女の勘ってやつか。
「そんなことありませんよお嬢様」
ハァ。少しは休む時間をくれ。
「お取込み中悪いんだけどォ〜、きたよ蟷螂」
ドシンッという木の倒れる音がした。その方向を見ると全長二m程の蟷螂の魔物がいた。そいつは俺の方に飛んできて俺を切ろうと鎌を横に一閃する。俺は屈むことでそれを避けたが蟷螂はもう一方の鎌を縦に一閃しようとする。が後ろからの氷柱の一撃が胴に刺さる。その攻撃で怯んだ隙に魔力刀で首を落とす。
「ハァーイ、プレゼント」
石ころが蟷螂の胴に当たる。そしてそれは光りだした。
「やろ」
俺は全力で後ろに跳んだ。それと同時に爆発する。
「イエーイィ〜」
「イエーイじゃねぇ。俺を殺すつもりかぁ!」
俺はクロノスの頭を叩く。さっきのは結構危なかったんだぜ。
「あんなんじゃァ〜レオなら簡単に避けれるレベルじゃんかァ〜」
「避けれたとしても普通はやりません」
「普通じゃなァ〜いもん」
クロノスいつか殺す。
「レオにクロノス喧嘩はいいけど行くわよ」
そう言ってレインは進んだ。
「はいお嬢様」
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「ハァハァハァ」
もう開始から2時間半たった。身体のダメージが結構ある。
「ハァハァハァもうそろそろ終わりですよお嬢様。頑張ってください」
俺の目線の先には座り込んでいるレインがいた。
「もう疲れた。いや、もう嫌。魔力もほとんどないし。魔物はどんどんでてくるし。出てくるやつらは虫ばっかりだし。うっうう」
レインが泣きそうになっている。俺の隣でクロノスは
「フヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。レイン泣いてやがんのー。フヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。死ぬ、笑い死ぬ。フヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
死にそうになっていた。
あれから2時間でてくる魔物は全部虫。そのおかげで生命力は化け物、そして見た目的にもSAN値がダダ下がりな奴等ばかりでレインはダウン。クロノスはそのダウンしたレインをみてダウン。残る俺も魔力が3分の1を過ぎようとしていた。
「お嬢様、大丈夫ですか」
「もうイヤー。ううっ」
レインは泣くのを我慢している。ちょびっとかわいいと思った俺は間違いだろうか。
「クロノス、大丈夫か」
「俺はもうフフッダメフヒャヒャ」
まだ笑いが止まらないらしい。
「そろそろ終わりだし森の出口に行こう。お嬢様俺の背中に」
「うん」
なにこの生物、超素直でかわいい。多分アレだろ、アレ。ギャップ萌えというやつだ。ツンデレというやつか。リアルツンデレは萎えると言っていた。いや実際萎えてた。しかぁーしこの極限状態でレインは覚醒ツンデレへと至ったのだ。となんで背負うって言ったのにって顔で俺はレインに見つめられている。か、かわいい。だがこの可愛さに背を向けなければならない。残念で仕方ない。
はい正気に戻りました。三分ほど葛藤した挙句元に戻ったレインの一言でその気分が全て吹っ飛びました。
「ノロマね。私自身で歩いた方が数倍早いわ。この私が乗ってあげているんだからもっと早く歩きなさい」
いつもの調子のレインに罵倒される俺。そんなこと言うなら自分で歩け、と心の中で叫ぶ。これを言葉にするとすっごい怒られるから言わないけど。クロノスはと言うと、
「ククク、レインさっきのを払拭しようと頑張ってるけど、ククク」
まだ笑っていた。しかし、妙だ。先程から魔物が襲撃してこない。偶々、俺たちが運良く魔物に遭遇しないだけだろうか。だとしても1匹も遭遇しないのは出来過ぎじゃないだろうか。
「なぁクロノス」
「なァ〜にィ〜」
相変わらず人を馬鹿にした口調だ。
「幾ら何でも魔物が少なすぎじゃないか」
「そうだなァ〜、もしかしたらとってもォ〜強いやつが近くにいるとかァ〜」
クロノスが俺が考えなかったことを言った。その通りだ。強いやつがいれば近寄らない、それが魔物の修正だ。
「ならなおさら早くここから立ち去らなきゃな」
そう言うとレインが言った。
「なんか音が聞こえてこない?ギチギチって」
俺は耳を済ます。確かにギチギチという音が聞こえる。結構近い。
「クロノス走るぞ」
俺とクロノスはその場から逃げるように全速力で走った。すると進行方向にある木が倒れてくる。俺とクロノスは後ろに跳ぶことで潰されずに済んだ。そして木を倒したやつを見た。
「う、嘘だろ。こいつまだ生きてやがったのか」
そこにいたのは前に倒したはずの百足の魔物だった。
次回予告ーとかやった方がいいのかな。ということで試験的にやります。
「センチピード!!」「クソッ前よりももっと硬ぇ」「クロノス任せた」「大丈夫かぁ、レオ」「俺はあなたの従者ですよ」
次回 名前のないどこにでもあるただの死闘
次回予告やった結果がこれだよ。




