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 気が付いた時には



 一番近くに君が居て



 当たり前になっていた。




 君が特別だと気付いたら



 途端に恥ずかしくなって避けてしまった。




 どうしたら、もっと君に近づけたんだろうか―――




 まだ、今でも君に近づきたい。




 そう思う。

 

 *



 「も……っ、やめ、て……っ?」



 揺さぶる体の下で、苦痛とは違う表情を見せながら、 彼女は今日も懇願する。


 それに乗るはずもない俺は、更に強く深く彼女の中に押し入って狂ったように攻める。



 優しく、深く、強く、激しく―――



 何度も重ねた体はもう知らないところ等ないと思うのに、それでもまだ君を欲しいと思う気持ちが止まらない。


 どうしたらもっと、君を知ることが出来るだろうか?


 君を手に入れられるんだろうか?


 そう思いながら今日も穿つ。



 「んんんっ、あ、や、ぁぁあっ!」



 大きく叫んで、体をしならせる彼女は誰よりも美しくて、儚くて。


 一瞬だけ手に入れた気になるのに、今日もまた瞬間から俺の手元を離れる気がする。



 「どこにも……行かない、から……」



 うわ言のようにそう呟いて、君は今日も僕の腕の中で意識を手放した。


 お願いだ。頼むから、どこにも行かないで―――


 

 どうしたら、君を手に入れられるんだろうか? そればかり考えてはまた狂ったように君を攻めて。


 俺は、君の手に入れ方を今でも分からずに模索している。



 「好きなんだ、君が……」



 柔らかく微笑みながら眠りつく彼女の髪を一房掴んで、その柔らかな髪に口づけをした。



 *

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