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25歳ってのもまた微妙だ。
大学卒業して、就職して3年目。
それなりに社会人しだして、それなりに落ち着きを持ち始める年ごろで。
もう馬鹿みたいな学生気分が残ってなくて。
真面目に足を踏み入れだした、そんな年頃―――
3か月前、友達の結婚式に出て、初めてのことにドキドキしたけど。
そんなことまでもう視野に入った年頃で。
だから、何かが変わりつつあるんだ、今。
それなのに彼氏はいなくて、彼のことは未だに引っ掛かったままで。
うだうだしてる自分を何とかしたくて、今日は張り切って来た。
みんな、どうなんだろうな……
ドキドキしながら、集合場所に着くと
「おー!!」
って、幹事の男の子に手を振られた。
「ひっさしぶりだなー!」
「うん、ほんと久しぶり」
「きゃははっ、お前変わってねーな!」
「嘘!? 変わったってば!! そこは美人になったなーとか言いなさいよー」
「は? お前が? ぎゃはははっ」
何が面白いのか分かんないけど、奇妙にテンションが上がってて、二人で笑い転げる。
おかしい。
社会人として落ち着き始めたってさっき思ったけど。
全然だ。
私めちゃくちゃ学生のころに精神戻っちゃってるし。
なんて思って店の中を見回すと
「あー!! ひっさしぶりー」
仲良しの友達もちらほら見えて固まっていた。
「久しぶりぃ」
なんとなくにやけるのを抑えられなくて、ニヤニヤしながら友達に近づいた。